滋賀県を久しぶりに訪れたので隈研吾建築を2カ所巡ってきました。いずれも守山市内にある公立の施設です。
ひとつは守山市立図書館の本館、もうひとつは守山市役所新市庁舎です。
これらふたつの施設は歩いても15分ほど、車なら5分で到着する至近距離にあります。
なぜ守山市にふたつも隈研吾建築があるのか深掘りしていませんが、どちらも隈研吾らしい建築なのでレポートします。
PR守山市立図書館 本館:本の森
2018年に隈研吾の設計で竣工した公立の図書館。
2023年に守山市立北部図書館:本の湖(うみ)が開館したので、隈研吾設計の本館は「本の森」と呼ばれています。新しい北部図書館は、滋賀旅で宿泊したホテルセトレマリーナびわ湖を設計した芦澤竜一設計によるものです。
今回は、ふたつの守山市の隈研吾建築レポートのため北部図書館については割愛します。
ファサードには滋賀県産の杉材が使用されています。
▲杉材のルーバーの幅は数種類あり、まるでタータンチェック模様のように貼り分けられています。
▲ゆるい角度の切り妻屋根が重なるようにデザインされています。
図書館の裏側には目田川という小川が流れており、この川に沿って桜並木が続いています。春は相当美しい景色を見せてくれるのでしょう。
▲正直、外観を見た時はプレハブにルーバーを貼っただけのように見えて、少しがっかりしました。しかし、内部に入ってみたらすごかった!
図書スペースの入口付近は1フロアで2階層分の吹き抜けになっています。ですから入るとすぐに大空間が広がります。奥は2階層になっていてとても落ち着く空間でした。
天井には幅の違うルーバーが大胆に走り、大空間にリズムを持たせています。
訪問した日も地元の人がたくさん来館していました。近所だったら通いたくなる図書館であることに納得です。
守山市立図書館は、多くの図書館がそうであるように図書スペースの写真撮影が禁止です。(上の写真はガラスの扉で仕切られた図書スペース手前のエントランス)
しかし、これまた他の図書館がそうであるように届を出して許可を取れば写真撮影は可能です。その際に撮った写真をSNSやwebにアップしないことを約束することになります。
そして撮影許可証を身に付けて撮影をします。
これも他の図書館でよくあるパターンですね。でもこれは憲法で保障された「知る自由」を守るために利用者の読書事実、図書館の利用事実を秘密するための処置です。
写真撮影についてまとめ
・図書スペース内は、原則写真撮影禁止
・撮影許可を取れば写真撮影可能だがSNSやwebへのUP禁止
というわけで図書スペースの写真はあるのですが、残念ながらここにアップすることができません。
ぜひ、実際に訪れて内部の大空間を体感してみてください。
基本情報
守山市立図書館(本館:本の森)
開館時間:10:00 – 19:00 (土曜日は20:00まで) 休館日:月曜日、資料整理日(第1金曜日)、年末年始 所在地:滋賀県守山市守山5−3−17 MAP アクセス:JR守山駅からバスで約6分、徒歩で約20分。無料駐車場あり |
守山市役所(守山市新庁舎)
2025年3月に完全に完成予定の新庁舎ですが、一部はすでに開庁していたのでみてきました。
外装はルーバーの構成によるシャープなデザイン。一眼で隈研吾だとわかるタイプの建築です。ただし、木材ではありません。
仮囲いは取れて、内部にも入れるようになっていましたが、駐車場付近や外構はまだ工事中でした。完全なる完成ではない状態での見学です。
▲庇がせりあがったようなデザインが、いわゆる市庁舎ぽくない建築です。
▲角度がついた庇の下は広場になっています。奥に見えるのはカフェです。
守山市立図書館のルーバーデザインを踏襲しているのでしょう。
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内部にも入ることができました。
▲内装に使われているのは、地元産の木材です。掲示板?も木材でできていました。
▲2階への大きな階段の上のルーバーは奥へ進むにつれ、交差しています。交差するルーバーは守山市立図書館にはなかったデザインです。
外装のルーバーはまっすぐで、内装のルーバーは時折交わるというルーバーのレイアウトでデザインに変化をつけています。
再訪の機会があれば完全完成状態を見学したいです。
守山市立図書館も守山市新市庁舎も双方とても隈研吾らしい木(または木調の)ルーバーによる意匠が際立つ建築でした。
今回の滋賀旅▼
基本情報
守山市役所
開庁時間:8:30 – 17:15 閉庁日:土日祝日 住所:滋賀県守山市吉身2−5−22 MAP アクセス:JR守山駅からバスで約3分、徒歩で約15分。無料駐車場あり |