六本木にある東京ミッドタウン内のサントリー美術館で現在、美しいガラスの数々が見られる展覧会が開催されています。
透明で美しく輝くガラスの魅力は、測り知れないものがあります。
そんな魅力満載のガラスの中でも吹きガラスで作られた歴史的価値の高いガラス工芸品の数々を間近で楽しめる展覧会「吹きガラス 妙なるかたち、技の妙」展をサントリー美術館で見て来ました。
制作工程を知ることができる映像コーナーなど吹きガラスの魅力をたっぷり堪能できます。

吹きガラスとは
吹きガラスと聞いてなんとなく知った気になっていますが、実はとっても奥が深いんです。(当然ですが)
その歴史は紀元前1世紀まで遡ります。

ガラスそのものの始まりは、はっきりとは分かっていませんが、もっとも古いガラスは、西暦紀元前25世紀ころ(約4500年前)に作られたものと考えられています。
その後紀元前1世紀頃に吹きガラスが登場したと言われています。
この吹きガラスという革新的な技法は、ガラス容器の生産や流通に大きな変化をもたらしただけでなく、今日私たちが目にするガラスならではの美しい「かたち」が生まれたのです。
展覧会構成
吹きガラス 妙なるかたち、技の妙展では、吹きガラスならではの表現を生み出す制作者の巧みな「技」に注目すると共に、古今東西の特色ある吹きガラス作品を数多く鑑賞できる内容になっています。

また、それだけでなく現代のガラス作家や研究者とコラボレーションした研究成果や、かつての名もなき吹きガラス職人たちの創意工夫に着目した展示、更に展覧会終盤には現代アートとしての吹きガラスなど、吹きガラスの全貌を網羅する展示です。
ガラス好きはもちろん、工芸好き、そして現代美術好きにはたまらない内容です。
展覧会は4階と3階の2フロア5章で構成されています。
4階展示室
4階の展示室は第Ⅰ章「自然な曲線美 ――古代ローマの吹きガラス」と第Ⅱ章「ホットワークの魔法 ――ヨーロッパの吹きガラス」です。

シリアの2−3世紀、1−5世紀頃のガラスです。
壊れやすいガラスが現代まで残っている奇跡!

精巧に造られた船の形の水差です。贅沢品ですね。

ここからはヴェネチアの技を独自の表現に昇華した現代ガラス作家4名の作品です。

虫眼鏡で拡大して鑑賞できる超絶技巧。

関野亮の涼しげなゴブレットの数々にはため息が出ました。

3階展示室
階段を降りた吹き抜け空間は、現代美術作家の作品の展示です。


写真だとガラスには見えませんが、ガラスなんです。

3色のちろりはかわいい。

20世紀の日本のガラスの数々。ちょっと懐かしさを感じる可愛らしいフォルムと柄が愛嬌があります。

手にとってみたくなるぽってりとした形がなんとも愛らしいですね。
映像コーナー
展覧会の冒頭に流れている制作工程の映像は、6階でも特別上映されています。
6階で鑑賞する方が大画面を座って鑑賞できるので、おすすめです。

写真撮影について
基本的に展示室内は撮影禁止です。各コーナーでいくつか撮影可能な作品があります。

撮影可能な作品には、撮影OKマークがついています。そのマークのついた作品のみ撮影が可能です。

基本情報
吹きガラス 妙なるかたち、技の妙
10:00~18:00(金土10:00~20:00) 火曜休館 入館料 一般:当日1500円、前売り1300円、大高生当日1000円、前売り800円 前売期間は2023年2月8日(水)〜4月21日(金)(終了) サントリー美術館受付での前売券販売は3月26日(日)までの開館日 100円割引(他の割引との併用不可) サントリー美術館 東京都港区赤坂9丁目7−4 東京ミッドタウン ガレリア 3階 MAP アクセス:都営地下鉄大江戸線六本木駅出口8より直結、東京メトロ日比谷線六本木駅より地下通路にて直結、東京メトロ乃木坂駅出口3より徒歩約3分 |
三嶋りつ惠「祈りのかたち」
最後に、六本木サントリー美術館で吹きガラスの数々を鑑賞した後に合わせてみたいガラスの展覧会の紹介です。(会期終了しました)
六本木のcomplex665の2階にある現代美術のギャラリーShugo arts/シューゴアーツで5月27日まで開催されている三嶋りつ惠「祈りのかたち」です。





三嶋りつ惠「祈りのかたち」
2023年4月22日(土) ‒ 5月27日(土) (会期終了)
12:00 – 18:00 日月祝休廊
展覧会の詳細はShugoArtsの公式HPで確認してください。