2023年春休みに、東京都内の美術館やギャラリーで鑑賞できるおすすめの展覧会をまとめてみました。私たちが実際に足を運んだ展覧会から厳選したものばかり。
春休みを使って東京でアート巡りを考えている人の参考になれば嬉しいですね。
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森美術館 : 六本木クロッシング2022:往来オーライ
六本木ヒルズの森美術館では2023年3月26日(日)まで「六本木クロッシング2022展:往来オーライ」が開催中です。
3年に1度、森美術館で開催される日本の現代アートのシリーズ展で、今年は第7回目。1940年代から90年代生まれの日本のアーティスト22組が出展しています。
サブタイトルの「往来オーライ!」には、歴史上、異文化との交流や人の往来が繰り返され、複雑な過去を経て、現在の日本には多様な人・文化が共存しているという事実を再認識しつつ、コロナ禍で途絶えてしまった人々の往来を再び取り戻したい、という思いから名付けられたそうです。
今の日本の美術を牽引する若手からベテランまでが、コロナ禍でどんなことを考えどんな作品を制作してきたのか、一度に鑑賞できるお得な展覧会です。
会期 : 2022年12月1日 〜 2023年3月26日 時間 : 10:00 〜 22:00 料金 : 大人 1,800円(土日は2,000円) 撮影 : 原則可能、一部撮影禁止 予約 : 日時指定予約推奨 |
「六本木クロッシング2022」展の詳しい情報はこちらの記事をどうぞ。
東京シティビュー : へザウィック・スタジオ展:共感する建築
森アーツセンターギャラリーやカフェと同じ森タワー52階の屋内展望台、東京シティビューでは「へザウィック・スタジオ展:共感する建築」を3月17日(金)から6月4日(日)までの会期で開催します。
ロンドンのデザインスタジオ「ヘザウィック・スタジオ」がこれまでに手掛けた主要28件のプロジェクト(建築ぶつ)を紹介する日本で初めての展覧会です。
なぜこのような建築の展覧会が開催されるかというと、2023年には六本木近くの麻布台に「麻布台ヒルズ」という巨大施設が開業するから。そのデザインを手掛けたのがヘザウィック・スタジオだからです。
▲六本木から日比谷線で一駅の神谷町駅から出ると、今もヘザウィック・スタジオのデザインによる巨大な麻布台ヒルズ ガーデンプラザの建設が行われています。
建築やアート好きな方なら、東京シティビューから麻布台ヒルズを見下ろしながらヘザウィック・スタジオ展を見て、そして神谷町へ行って工事の進展を見るというツアーも楽しいと思います。
会期 : 2023年3月17日 〜 6月4日 時間 : 10:00 〜 22:00 料金 : 大人 2,000円(土日は2,200円) 撮影 : 不明 予約 : 日時指定予約推奨 |
麻布台ヒルズについてはこちらの記事が詳しいです。
東京都現代美術館 : クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ
東京都現代美術館で開催中の「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展は5月28日まで開催中です。
ゴールデンウィーク過ぎまで開催しているのかと油断していると見逃してしまいます。
というのは、この展覧会は今東京で一番混雑していてチケットも取りづらいのです。
▲クリスチャン・ディオールの代表作やオートクチュールをはじめ、歴代デザイナーの華麗なクチュールの数々、ディオールのバックを代表するレディディオール、そしてディオールの香水などなどが、凝りに凝った空間に展示されています。
これは人気が人気を呼ぶのは当然と思える内容です。
日時指定のチケットは販売開始と開始にほぼ完売、当日券も美術館の開館時間前に並んでいないと入手できないようです。
会期 : 2022年12月21日 〜 2023年5月28日 時間 : 10:00 〜 18:00 料金 : 大人 2,000円、大学高校 1.300円 撮影 : 一部アート作品を除き撮影可能 予約 : 日時指定予約推奨 |
夢のクチュリエ展の内容、チケット予約の方法についてはこちらの記事が詳しいです。
アーティゾン美術館 : ダムタイプ|2022 : remap ベネチアビエンナーレ帰国展
京橋のアーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)では京都出身のアート集団「ダムタイプ(Dumb Type)」の「ダムタイプ|2022 : remap ベネチアビエンナーレ帰国展」を5月14日(日)まで開催中です。
2022年年のイタリア、ベネチアビエンナーレの日本館で展示された作品を、アーティゾン美術館の展示空間に収まるよう90%のサイズに縮小して展示しています。
この展覧会の大きな話題は、あの坂本龍一がダムタイプのメンバーとして参加していること。共演とか協力とかではなく、メンバーとしての参加ですから大ニュースです。
ジャパンのデヴィッド・シルヴィアンも声で参加しているなど、これまでのダムタイプの作品とはやや趣が異なります。が、それでもその話題性もあって平日でも混雑している時間帯があるほどです。
あと、アーティゾン美術館は学生は無料です!(事前予約が必要です)
アーティゾン美術館は3月10日に開業した話題の東京ミッドタウン八重洲のすぐ近く(徒歩3分)です。併せて訪問するのも面白いですね。
会期 : 2023年2月25日 〜 5月14日 時間 : 10:00 〜 18:00 料金 : 一般Web予約 1,200円(当日は1,500円)、学生無料(要予約) 撮影 : 撮影可能、動画撮影禁止 予約 : 日時指定予約推奨 |
ダムタイプ|2022 : remap ベネチアビエンナーレ帰国展の詳しい情報はこちらの記事をどうぞ。
東京都庭園美術館 : 邸宅の記憶
1933年に竣工した旧朝香宮邸(あさかのみや:昭和天皇の叔父)を美術館にした「東京都庭園美術館」では4月1日から「建物公開 邸宅の記憶」展を開催します。
現存する世界一美しいアールデコ建築と称される庭園美術館本館は通常は館内撮影禁止ですが、この建物公開として開催される展覧会の時だけは撮影が許可されています。
2023年は庭園美術館の開館40周年ということで、宮邸時代の家具や調度を用いた邸宅空間の再現展示が行われ、朝香宮家が住んだ当時の記憶を呼び起こすものになるそうです。
会期 : 2023年4月1日 〜 6月4日 時間 : 10:00 〜 18:00 料金 : 一般 1,000円、大学生 800円、中高・65歳以上 500円 撮影 : 本館内撮影可能、動画撮影禁止 予約 : 日時指定予約推奨 |
東京都庭園美術館とCafe TEIENについての詳しい情報はこちらの記事をどうぞ。
東京都写真美術館 : 深瀬昌久 1961-1991
恵比寿ガーデンプレイスの写真などビジュアルアートの専門美術館「東京都写真美術館」(写美)があり、ここでは3つの展示フロアを使っていつも大きな展覧会を開催しています。
2023年春の展覧会は今やカルト的な人気の伝説の写真家、深瀬昌久の「深瀬昌久 1961-1991」展です。
浅野忠信主演の映画も撮影中で、今後さらに話題になるかもしれません。
会期 : 2023年3月3日 〜 6月4日 時間 : 10:00 〜 18:00 料金 : 一般 700円 撮影 : 撮影禁止 予約 : 日時指定予約推奨 |
詳細はこちらの記事をどうぞ。
東京オペラシティアートギャラリー : 泉太郎「Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.」
東京オペラシティアートギャラリーで開催中の泉太郎の個展「Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.」。
最近ではちょっと思い当たるものがないような変わった展覧会です。
ネタばれになるので詳しいことは書きませんが、鑑賞者がどれだけオープンに楽しんでいるかを試されているのかもしれません。
VR体験ができる人数が限られているので、それも含めて鑑賞するならとにかく早く行って開館時間に入館するくらいの勢いが必要です。
またコリドールに展示されている川人綾の作品も要注目です。
会期 : 2023年1月18日 〜 3月26日 時間 : 11:00 〜 19:00 料金 : 一般 1,200円、大高生 800円、中学生以下無料 撮影 : 撮影可能、動画撮影禁止 予約 : 日時指定予約推奨 |
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SCAI PIRAMIDE : 赤瀬川原平写真展
六本木ピラミデの現代アートギャラリー「SCAI PIRAMIDE」では日本の現代美術作家、赤瀬川原平が遺した写真を、世代的に赤瀬川チルドレンとも言える6人のアーティストがキュレーションした「日常に散らばった芸術の微粒子」を開催しています。
▲”超芸術トマソン” の生みの親でもある赤瀬川原平の写真4万枚から各々がセレクトした写真と共に、パネルの上段に「赤瀬川さんから受けた影響・赤瀬川さんに対する想い」下段に「写真を選んだ理由(セレクションのテーマ)」が書かれています。
会期 : 2023年1月26日 〜 3月25日 時間 : 12:00 〜 18:00 (木金土開廊) 料金 : 無料 撮影 : 撮影可能 予約 : 予約不要 |
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TARO NASU : ジョージェ・オズボルト/djordje ozbolt
六本木ピラミデのTARO NASUギャラリーではジョージェ・オズボルト/djordje ozboltが開催中です。
ユーゴスラビア生まれで、現在はイギリス、ロンドンを拠点に活動するアーティスト、ジョージぇ・オズボルトの個展です。
数々の名画の断片を引用したりオマージュを捧げた作品たち。サイズの小さい平面作品は背景が1色に塗られ、そこに名画の断片の引用が、ある作品は、まるで宙に浮くように、ある作品はそっと置かれています。
会期 : 2023年2月25日 〜 3月25日 時間 : 11:00 〜 19:00 (土日祝 休) 料金 : 無料 撮影 : 撮影可能 予約 : 予約不要 |
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WAKO WORKS OF ART : Fiona Tan/フィオナ・タン「 スリ Suri」
六本木ピラミデのWAKO WOKS OF ARTギャラリーではフィオナ・タン(FionaTan)の個展「スリ Suri」を開催中です。
インドネシア出身でオランダ在住の映像作家フィオナ・タンの何回目かの個展です。
▲今回の個展で展示されているのは4つのシリーズですが、その中でも「Archive」という映像作品が特におすすめ。
図書の分類方法である「国際十進分類法」の考案者の一人で、世界中の知識を収集し分類することに生涯をかけたポール・オトレが取り組んでいた ”知識の都市” と呼ばれる「ムンダネウム」をモチーフにした映像作品です。
会期 : 2023年2月10日 〜 4月1日 時間 : 11:00 〜 18:00 (日月祝 休) 料金 : 無料 撮影 : 撮影可能 予約 : 予約不要 |
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Snow contemporay : デヴィッド・ステンベック「ドリームスケープ」
六本木からも近い西麻布のギャラリー、SNOW Contempoary(スノウ・コンテンポラリー)ではスウェーデンの作家、デヴィッド・ステンベックの日本での初めての個展「ドリームスケープ」が開催されています
いま、一部で密かに人気を集めている噂のアーティストの噂の展覧会です。
自身が思い描く詩の世界を視覚化すべく、3Dソフトを使用した作品です。そのためどこか非現実的で幻想的な光景。現実と非現実の世界を縦横無尽に往来しながら自身のポエティックな世界観を表現しています。
会期 : 2023年3月3日 〜 4月8日 時間 : 13:00 〜 19:00 (日月火祝 休) 料金 : 無料 撮影 : 撮影可能 予約 : 予約不要 |
ギャラリーの場所や展覧会の内容など詳細はこちらの記事をどうぞ。
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銀座メゾンエルメス : 「インターフェアレンス」展
レンゾ・ピアノ設計の建築でお馴染みの銀座メゾンエルメスフではフランシス真悟、スザンナ・フリッチャー、ブルーノ・ボテラ、宮永愛子ら4人のアーティストによるグループショウ「「インターフェアレンス/Interference」展が開催されています。
4人のアーティストの作品に共通する、光、振動、波動など、身体に介入するゆらぎの感覚を通じて、知覚探究を試みる作品をが一同に展示されています。
会期 : 2023年2月23日 〜 6月4日 時間 : 11:00 〜 19:00 (不定休) 料金 : 無料 撮影 : 撮影可能 予約 : 予約不要 |
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シャネルネクサスホール : マベル・ポブレット「WHERE OCEANS MEET」
銀座シャネルネクサスホールでは、キューバ人女性アーティストのマベル・ポブレット「WHERE OCEANS MEET」展が4月2日までの会期で開催されています。
今回は水と海をテーマにしています。キューバも日本も島国なため、水と海は両国に共通するモチーフなのです。さらにキューバから見た ”海” には移民問題の暗喩も含まれているそうで、現代的テーマでもあることが分かります。
また、現代的と感じるもう一つの要素はとってもSNS映えがすることです。
そんなことを意識して作品を制作しているではないと思いますが、結果的にそうなるところがとても面白いのです。
会期 : 2023年3月1日 〜 4月2日 時間 : 11:00 〜 19:00 料金 : 無料 撮影 : 撮影可能 予約 : 予約不要 |
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資生堂ギャラリー : 「もずく、たまご」
銀座の資生堂ギャラリーでは若手作家の支援を目的とした公募プログラムshiseido art egg(シセイドウアートエッグ)の第二弾、韓国人女性アーティストのユ ソラ(YU SORA)の展覧会「もずく、たまご」が開催されています。
見慣れた資生堂ギャラリーの空間が真っ白で不思議な空間に変貌し、ユソラの魅せるオリジナリティあふれる世界観が展開されています。
個人的な日常の断片が、綿を含んだ白い布に白い糸で縫われています。糸によるドロイーングとでもいう作品です。
パンデミックにより、当たり前だったことがいとも簡単に失われ、日常が非日常に変貌した時の感覚と似ているような気がします。
会期 : 2023年3月7日 〜 4月9日 時間 : 11:00 〜 19:00 (日祝は18:00まで。月曜休) 料金 : 無料 撮影 : 撮影可能 予約 : 予約不要 |
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ISSEY MIYAKE GINZA / 445 : 「The plant series」
銀座のイッセイミヤケが新しいショップ「ISSEY MIYAKE GINZA/445」に生まれ変わり、新しい展示空間「CUBE」も開設されました。
この新しい空間、CUBEでの特別展示第一弾は「The plant series」として、伝説のグラフィックデザイナー田中一光の作品をモチーフにしたコレクションが展示されています。
会場の演出は三澤遥。代名詞もいえる「動紙「が取り入れられていて見ていて飽きません。
会期 : 2023年2月3日 〜 3月29日 時間 : 11:00 〜 20:00 (不定休) 料金 : 無料 撮影 : 撮影可能 予約 : 予約不要 |
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国立競技場 : モザイク壁画
美術館でもギャラリーでもないけどぜひ観ておきたいのが国立競技場の壁画。
1964年のオリンピックの時、国立競技場に当時の日本を代表する芸術家たちの壁画が描かれました。その後東京2020に向けた新しい国立競技場が建ち、壁画たちは2022年9月末から新しい(今の)国立競技場に移設され公開されています。
▲力強く躍動感が溢れ、1964年という高度成長期真っ只中の日本の活力と、60年代の日本のモダニズム芸術の活気を伝える壁画11点。
少しづつ話題にはなっていて、そのうちSNS映えスポットとして、アートスポットとして定番となるのは間違いないので、空いている今のうちに鑑賞しておきたいですね。
ライトアップされた夜の壁画の方が劇的なので、日没以降での訪問がおすすめです。
会期 : 恒久展示 時間 : いつでも 料金 : 無料 撮影 : 撮影可能 予約 : 予約不要 |
とても全部は回りきれないと思いますので、自分なりにテーマを決めて回るのが良いのではないでしょうか。