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パブリックアートを楽しもう!その3 比べてみよう、杉本博司や安田侃やジュリアン・オピーなどのパブリックアート


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誰でも入れる公共空間にある芸術作品を総括してパブリックアートと呼びます。今回は、日本にある多くのパブリックアートの中から東京都内のパブリックアートを少しづつ紹介していきます。

その3では、あれ?この作品どっかで見たな?とか、この作品とこの作品は同じアーティストだったの?とか都内(一部近郊)にあるパブリックアートの点と点が繋がって線になるような、別の場所にある2つのパブリックアートの意外な関係を明かします。

後半は昼夜、季節を変えて見え方が変化する身近なパブリックアートもあわせて紹介します。

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杉本博司

現代美術作家の杉本博司が手がけた都内にある2つのパブリックアートです。

江之浦測候所に行ったことのある人なら、紹介する2つのパブリックアートを見ればすぐにピンとくるはずです。

杉本博司
オーク表参道 杉本博司 究竟頂

表参道の駅上にある商業ビルオーク表参道の杉本博司が内装を手がけた茶酒金田中へ続く階段の頭上にあるのは、「究竟頂(くっきょうちょう)」です。▲

三次関数の数式を立体的に表現した数理模型シリーズです。

先端恐怖症の人は絶対真下に行ってみてはいけません。落ちてくることはありませんが、見ての通り、かなり鋭いです。

さらに、真上ばかりに気を取られてしまってはいけません。

実はこの作品の真下に秘密があるんです。

詳細は動画を参照ください。▼

 

表参道の究竟頂をひっくり返したような作品「SUN DIAL」がこちら▼

杉本博司
大手町プレイス 杉本博司 SUN DIAL

「SUN DIAL」は高さ12mの巨大作品です。日時計の役割を持っており、その影を通じて春分・秋分の昼が等分された南中時のひと時を感じられる作品です。

表参道と大手町の杉本博司作品を比較してみました。

どちらも都内にあるので是非杉本博司アート巡りをしてみませんか。

基本情報

究竟頂:オーク表参道 都港区北青山3丁目6−1 MAP

SUN DIAL:大手町プレイスウエストタワー 千代田区大手町2丁目3−1 MAP

杉本博司関連書籍はこちら▼

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五十嵐威暢

五十嵐威暢は、デザイナーから出発して後に彫刻の制作に専念したアーティストで、多摩美術大学の学長も務めた人物です。

六本木ヒルズから麻布十番へ向かう道にあるパブリックアートです。六本木ヒルズが設置しているアートと間違いやすい立地ですが、違います。

麻布十番の商店街の道沿いに設置されている12の彫刻のうちの一つで、六本木ヒルズができるより前の1996年に設置されました。

六本木ヒルズゲートタワー「KUMO (雲)」
六本木ヒルズゲートタワー「KUMO (雲)」

けやき坂を下って蔦屋書店の隣にあるスーパーリンコスの前にあります。▲

飛行船のように見えますが、実は雲なんですね。

五十嵐威暢
東京ミッドタウン「予感の海へ」

そして、東京ミッドタウンのオフィス棟エントランスにあるカウンターバックにある木製の巨大なレリーフも五十嵐威暢の作品です。▲ ミッドタウン開業の2007年から設置されています。

五十嵐威暢
サントリーホール 響/HIBIKI

実は、五十嵐威暢はデザイナー時代にサントリー響のロゴをデザインしているのです。その縁もあってでしょう、サントリーホール入口に鎮座するこの彫刻も同タイトル「響/HIBIKI」で、五十嵐作品です。

杉本博司の2つの作品はどっからどう見ても同じ作家のものですが、五十嵐威暢は具象あり、抽象あり、レリーフあり、立体ありとバラエティに富んでいます。

元々はデザイナーだっただけにその作品も柔軟性があるんですね。

基本情報

雲:六本木ヒルズゲートタワー 港区六本木6丁目11 MAP

予感の海へ:東京ミッドタウン 都港区赤坂9丁目7−2 MAP

響:サントリーホール 港区赤坂1丁目13−1 MAP

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安田侃

このブログでも「東京で見られる安田侃」で特集していますが、今回はとっても似ている双子のような作品安田侃(やすだかん)の作品を2つピックアップしてご紹介します。

安田侃
東京ミッドタウン 安田侃 妙夢

東京ミッドタウンにあるのは黒い作品です。▲

ちょうどこの真下に当たる地下にも安田侃作品があります。

安田侃
安田侃 妙夢

こちらは、ジャン・ヌーベル設計でお馴染みの汐留にある広告代理店の会社のエントランスです。この作品も同タイトルで「妙夢」です。ミッドタウンに比べると少し中央の穴が大きめで、白い石でできています。

ここはオフィスビルのエントランスロビーです。以前はここまでは一般の人も入れた気がするのですが、現在は警備が厳しくなって入れないようです。

さて、黒い妙夢と白い妙夢どちらが好きですか。

基本情報

妙夢(黒):東京ミッドタウン 

東京都港区赤坂9丁目7 MAP

 

ジュリアン・オピー

2019年に東京オペラシティアートギャラリーでの個展の記憶も新しいジュリアン・オピーの作品が都内にも設置されています。

また、2021年3月に期間限定で渋谷駅にジュリアン・オピーのアートが出現して話題になりました。現在は、跡形もなくなっていますが。

ジュリアン・オピー
セルリアンタワー1F 「人々14」2014年 両面がLEDディスプレイになっています。

セルリアンタワーの1階にあるGMOインターネットのエントランスロビーに設置されています。

この会社の創業者熊谷正寿氏のコレクションのひとつだそうです。

エントランスに入らず外からでも鑑賞可能です。夜間に見にいくともっと綺麗かもしれません。

ジュリアン・オピー
広告代理店のオフィス内のエレベーターホールに設置されている作品

こちらは安田侃の白い「妙夢」がある会社のセキュリティゲート内にある作品なので、完全に一般の方は見学不可能な作品です。そんな作品を紹介してごめんなさい。

これらLEDモニターの動くジュリアン・オピーの作品は都会のオフィスがとてもよく似合います。

また2022年10月から開催のVR作品個展「VR.OP@PARCO」にあわせて渋谷パルコにもジュリアン・オピーの作品がパブリック・アートとして展示されています

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白川昌生

白川昌生は群馬県を拠点に活動しているアーティストです。

これは恵比寿にある厚生中央病院の外構に設置されているパブリックアートです。東京都写真美術館に行った際に見に行ったりします。

白川昌生
厚生中央病院 「円環する大地」1992年

コールテン鋼でできた立体作品です。▲厚生中央病院の目黒よりの線路沿いに設置されています。

白川昌生 「円環ー世界 生成するもの I」
白井屋ホテル「円環ー世界 生成するもの I」1992年

こちらは藤本壮介がリノベーションし、レアンドロ・エルリッヒや杉本博司、ローレンス・ウィナーのアートで話題になっている白井屋ホテルです。

ここ白井屋ホテルにも白川昌生作品があります。▲まるで厚生中央病院の立体を平面図におとしたような巨大なドローイングです。和紙に描かれたこの作品は厚生中央病院の彫刻と同じ1992年に制作されました。

群馬ゆかりのアーティストなので白井屋ホテルにも作品が設置されているようです。

この作品だけ都内ではありませんので気軽にというわけにはいかないかも。

恵比寿の立体作品は、白井屋ホテルのあのドローイングの作家だったんだ!となった人がいたら嬉しい。

基本情報

円環する大地:厚生中央病院 目黒区三田1丁目11−7 MAP

円環ー世界 生成するもの I:白井屋ホテル 前橋市本町2丁目2−15 MAP

マーティン・プーリエ

ご近所六本木ヒルズにもたくさんのパブリックアートがあります。近くなので、昼夜、季節を変えてそのアートを楽しむことができます。

今回は、六本木ヒルズのパブリックアートの中でもサイズは大きいものの、地味めな作品マーティン・プーリエの作品を紹介します。

六本木ヒルズ
六本木ヒルズ テレビ朝日 マーティン・プーリエ「守護石」

地味な作品ですが、こんな綺麗なツツジに囲まれる季節があるんです。▲春の守護石はどこか嬉しそう。

左奥にジャン=ミッシエル・オトニエルの作品も見えます。

テレビ朝日 マーティン・プーリエ
守護石はテレビ朝日と毛利庭園の間にあります。

紅葉で周囲の木々が色づいた秋の守護石▲

春と秋では、同じ作品でも違って見えますね。

パブリック・アートは周囲の環境の変化によって表情が変わるアートです。

基本情報

守護石:六本木ヒルズ テレビ朝日

港区六本木6丁目9−1 MAP

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ジャン=ミシェル・オトニエル

六本木ヒルズの毛利庭園の池の前に設置された金色のハート。

このハートの先に東京タワーや麻布台の高層ビルがよく見えます。

毛利庭園 
毛利庭園 ジャン=ミシェル・オトニエル 「Kin no Kokoro」昼

桜の季節の週末は毛利庭園はご覧の通り大混雑です。そんな様子もまた六本木ヒルズ毛利庭園の季節の風物詩です。▲

毛利庭園 ジャン=ミシェル・オトニエル 「Kin no Kokoro」
毛利庭園 ジャン=ミシェル・オトにエル 「Kin no Kokoro」 夜桜

夜桜とライトアップされた東京タワー▲ まだ麻布台のビルがない頃の写真です。

このようにパブリックアートは会期も時間も関係なく鑑賞できるのが良いところです。そして、その場所にアイコンとして親しまれ街の一部になっている作品も少なくありません。

基本情報

「Kin no Kokoro」:毛利庭園

港区六本木6丁目10−1 MAP

日々変化する東京の街を静かに見守るパブリックアートの数々。

マーティン・プーリエの作品は「守護石」ですが、もしかしたらパブリックアートの存在がそのものが「守護神」なのかもしれません。

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