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国内の貴重な建築資料のアーカイブが見られる 国立近現代建築資料館へ行ってみよう


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湯島に建築の資料に特化した資料館があるのをご存知でしょうか。この建築資料館はなんと国立で我々国民の税金で運営されています。

いつも内容の濃い企画展を開催しているので、これまでに何度も足を運んでいます。

建築の、しかも資料のアーカイブに特化した資料館は、貴重な存在であると同時に実はあまり知られていないのかもしれません。

館内入場へのアクセスが2通りあったりして若干わかりにくいところもあるので、今回は主にまだ国立近現代建築資料館を訪れたことのない方に向けてレポートしたいと思います。

国立近現代建築資料館 写真:建築とアートを巡る
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国立近現代建築資料館とは

国立近現代建築資料館は2013年の5月に開館しました。

日本の近現代建築は、世界の文化や芸術においてとても重要な役割を果たしています。であるにもかかわらず、これまでその価値を次の世代にしっかりと伝えていくための体制が十分ではありませんでした。

そこで、貴重な近現代建築の資料(図面や模型など)を守るための取り組みをとしてその調査がスタートしました。具体的には全国的な調査を行い、どんな資料がどこにあるのかを把握します。そして、大学などと連携して、必要な資料を保護し、劣化や散逸、さらには海外への流出を防ぎ、緊急に保護が必要な資料を収集・保管することも同時に行なうことがこの建築資料館の任務です。

それらの資料を企画展という形で一般にも公開しているのが、建築資料館で年に数回開催している展覧会です。

ここで行われているのは、情報収集、資料の収集・保管、展示・教育普及そして調査研究等です。通常の美術館が行なっていることとほぼ同じですね。

ちなみに国立近現代建築資料館の名誉館長は安藤忠雄です。

また、湯島地方合同庁舎の新館(1984年竣工)と別館(1971年竣工)の一部を建築資料館へ改修工事した際の設計は国土交通省関東地方整備局営繕部整備課によるものです。

国立近現代建築資料館の展示室

湯島地方合同庁舎の新館と別館をリノベーションして作られた建築資料館は、主なる展示室が建物の2階です。

国立近現代建築資料館 写真:建築とアートを巡る

▲湯島地方合同庁舎の一角にあるので建物自体は古いです。でもその古さがなんともそそります。

この窓越しの階段とかすごい好きで毎回写真を撮ってしまいます。

この階段は建築資料館の展示室へ向かう階段でもあります。

国立近現代建築資料館 写真:建築とアートを巡る

▲展示室へ向かう階段の横にはいつもこのような大型パネルが設置され、なんの展覧会が開催中なのかが一目でわかるようになっています。

国立近現代建築資料館 写真:建築とアートを巡る

▲階段を上り2階へ上がると展示室ドア前にもスペースがあり、関連展示がされていたり、関連映像が流れていたりします。ですからここから展覧会は始まっています。

写真は2024年10月27日まで開催の堀口捨巳展の様子です。原寸大の茶室おこし絵図が展示されています。

手前の椅子は関連映像を腰掛けて閲覧するためのものです。

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国立近現代建築資料館の企画展

開館から11年経過し今年は12年目になります。これまでに20以上の企画展を開催しています。

国立近現代建築資料館 写真:建築とアートを巡る

▲基本的にこの円形に置かれたガラスケースと中心の円形展示台、周囲の壁面展示という構成は変わりません。

以前はこの写真を撮影したステップフロアとなっている上階での展示もありましたが、最近は下のフロアのみの展示が多いです。

展示室内の椅子はミース・ファン・デル・ローエデザインのバルセロナチェアオットマンの白と黒です。

国立近現代建築資料館 写真:建築とアートを巡る

▲コロナ以降このようなカバーが掛けられています。

24年7月の来訪時も同様でした。

国立近現代建築資料館 写真:建築とアートを巡る

▲展示室への持ち込みについての案内です。基本的に展示室やエントランスなどにスタッフはいません。警備員だけです。

ロッカーも無料なのですが、鍵を事務室に借りに行かなければなりません。事務室は隣の建物の1階です。

国立近現代建築資料館の展覧会図録

ここのすごいところは入場無料(アクセス方法による)で非常に高度な資料類が鑑賞できることですが、それだけではありません。

国立近現代建築資料館 写真:建築とアートを巡る

▲なんと毎回展覧会図録が無料で配布されています。隣の建物の1階の事務室の前に置いてあります。

一人1冊もらって帰ることができます。

国立近現代建築資料館 写真:建築とアートを巡る

▲これまでにもらった図録の一部です。いつも横型の図録でとても充実しています。

帰りの電車でこの図録を熟読しながら帰宅するのが私のルーティンです。

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国立近現代建築資料館の二つの入場方法

1)湯島地方合同庁舎から(入場無料)

このアクセス方法は湯島合同庁舎が開いている平日のみです。

国立近現代建築資料館 写真:建築とアートを巡る

▲湯島駅から湯島ハイタウンの前を通って湯島地方合同庁舎へ向かいます。地方合同庁舎の門の前にこのような看板パネルがあります。

門を入ったら守衛室に建築資料館に行く旨を伝えます。

そうするとビジターのバッジがもらえるのでそれを目につくところにつけて入っていきます。

国立近現代建築資料館 写真:建築とアートを巡る

▲湯島地方合同庁舎内でもかなり奥の方にあるのですが、ポイントポイントにポスターと共に進行方向が提示されているので迷うことはないでしょう。

国立近現代建築資料館 写真:建築とアートを巡る

▲守衛室から建築資料館までは2分ほどで到着します。

国立近現代建築資料館 写真:建築とアートを巡る

▲このようなコンクリートの壁が見えてきたら到着です。スロープから入ります。

意外と湯島地方合同庁舎の建築も味があって魅力的なのでこのアクセス方法も気に入っています。

ただ、湯島地方合同庁舎の建築の設計者がわかりません。

おそらく全部昭和の建築のようなのですが、改修工事と同様に国土交通省関東地方整備局営繕部整備課なんでしょうかね。Instagramの投稿の2枚目にここの建築のムービーまとめてみました。ぜひみてください。湯島地方合同庁舎の建築の良さがわかると思います。▼

2)旧岩崎邸庭園から(要入場料)

土日祝日の場合は、重要文化財の旧岩崎邸庭園からしか入れません。平日は湯島地方合同庁舎からも旧岩崎邸庭園からも両方から入れます。

大きな違いは旧岩崎邸庭園から入る場合は入場料がかかります。もちろん旧岩崎邸や庭園の見学ができます。

旧岩崎邸庭園 写真:建築とアートを巡る

▲湯島駅から湯島ハイタウンの手前で曲がって旧岩崎邸の入り口へ

旧岩崎邸 写真:建築とアートを巡る

▲土日や祝日に行った場合は、有無を言わさずこちらのコースなのでついでに旧岩崎邸も見学します。

この写真の右側に建築資料館の入り口があります。

旧岩崎邸と国立近現代建築資料館 写真:建築とアートを巡る

▲旧岩崎邸から入ったら旧岩崎邸から出ます。

国立近現代建築資料館へ行く前に知っておきたい情報まとめ

・アクセス方法は2通り、ただし土日祝日は旧岩崎邸からのみ(要入場料)

・国立近現代建築資料館は入場無料(平日湯島地方合同庁舎から入った場合)

・国立近現代建築資料館は展覧会図録も事務室前にて無料配布(一人1冊)

・国立近現代建築資料館は基本的に写真撮影可能、写真撮影不可のものには禁止マークあり


いかがでしょうか。

ここはいつも内容の濃い建築の資料展を開催しているので要チェックです。

初訪問であれば、平日でも旧岩崎邸庭園側から入って重要文化財のジョサイア・コンドルの建築を見学するのもありです。

その場合、かなり時間がかかるので時間に余裕を持って訪問したいです。

上級者は湯島合同庁舎から徒歩で10分ほどの場所にある東京大学の建築巡りもありですね。

湯島ハイタウン 写真:建築とアートを巡る

あ!あとお隣の昭和の集合住宅湯島ハイタウンも背後から見ると室外機の並びとか壮観で好きです。

さらに、お向かいにある湯島天満宮で参拝して、、、なんていうと丸一日コースです。

基本情報

国立近現代建築資料館

開館時間:10:00~16:30

開館日:企画展により異なる

入場料:無料(ただし土日祝日は旧岩崎邸庭園からの入場料一般:400円が必要)

住所:文京区湯島4丁目6−15 MAP

アクセス:東京メトロ千代田線「湯島」駅 1番出口より徒歩8分

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