長野県長野市にある長野市芸術館・長野市役所第一庁舎を見に行ってきました。設計は代官山ヒルサイドテラスなど数々の名建築を生んでいる槇文彦です。
伊東豊雄設計の松本市の文化施設まつもと市民芸術館に続いて今回は長野市の文化施設です。
合築
長野芸術館は槇文彦設計で文化施設と長野市役所庁舎が一体になった建物です。1−3階の連絡通路で行き来できるようになっています。
長野市芸術館は地下2階地上3階で長野市役所第一庁舎は地下1階地上8階。この二つの空間を結ぶのは中央にある庭です。
長野市役所第一庁舎
こちら側は市役所側、この奥に芸術館があります。
上に大きな箱状のものが乗っかっています。ここは市役所の議場スペースです。▼
市役所エントランスから。正面は芝生広場になっているのでひらけています。▼
芸術館へ向かう通路。天井が高くガラス張りで開放的なスペースです。▼
せっかくの訪問でしたが、芸術館はコロナにより閉館状態で入ることができませんでした。
庭
市役所と芸術館をつなぐ庭です。この中間地点の庭までしか行けずじまいだったのが残念です。▼
庭は完全に屋外スペースです。▼
設計の槇文彦の言葉によると「中央にあるニワ(庭)は、市役所と芸術館二つの施設を空間的に、また視覚的に統合する重要な役割を果たしています。」▼
開館までの問題
長野芸術館は2016年に開館したのですが、開館直後にホール内の2階のバルコニー席の90席ほどが舞台が見えにくいという問題が発覚し、設計者である槇事務所がその改修工事費を負担して改修工事とを行いました。改修工事と言っても見えにくい席を嵩上げするというものだったので、結局舞台の4割近くが見えない座席が一部残っています。
問題は実はそれだけではなく、東洋ゴム工業製の免震ゴムが国の性能基準を満たしていないことが発覚したた、長野市は全90基を建物をジャッキアップしてブリヂストン製に交換しました。その費用は東洋ゴムが全額負担したのですが、それだけでは終わりませんでした。今度はその工事の影響で外壁にヒビが入ってしまったのです。
免震ゴム性能偽装問題、外壁ヒビ問題、見切れ席問題、と次から次へと災難に見舞われた長野市芸術館・長野市庁舎です。
ネガティブな話題が先行した建物ですが、コロナが収まればまた文化の発信地として機能していく事と思います。
長野芸術館・長野市役所
長野県長野市大字鶴賀緑町 1613番地 MAP