宮島達男は、1987年に発光ダイオードのデジタルカウンターによる最初の作品を発表して以来、世界を舞台に活躍する日本を代表するアーティストの1人です。
宮島達男の名前を耳にすると、数字のカウンターをすぐに想起するでしょう。宮島達男の作品の数字は1から9までを様々なスピードでカウントしています。作品に0は存在しません。そんな作品をどこかで一度は目にしたことがあるでしょう。
身近なところでは六本木ヒルズにパブリックアート「カウンターヴォイド」がありました。ありましたと過去形なのは、東日本大震災を機に点灯することを停止しており、以来特別に期間限定で2回ほど点灯させただけで今では幻の作品となってしまいました。
2003年から東日本大震災の起きる2011年3月までは、六本木ヒルズで当たり前のように点灯していましたが、今では消灯されてからの時間の方が長くなってしまい、この場所に宮島達男の作品があった頃を知らない人も少なくありません。
また、以前は品川にあった原美術館にも常設されていましたが、今は美術館そのものがなくなってしまいました。
そんな宮島達男の代表的な作品を今、都内の2つの美術館で鑑賞することができるのです。
いつでも見られる都内宮島達男作品
実は、ファーレ立川に行けばいつでも宮島達男の作品「Luna」を鑑賞可能ですが、さすがにちょっと遠いですよね。
また、初台の東京オペラシティにいつでも見られる宮島達男のパブリックアートがありますが、夜の方が見やすくて、昼間はカウントしている様子がちょっとわかりにくいです。
で、今回は都区内で見られる宮島達男の作品情報です。
宮島達男のパブリックアートがいつでも見られる東京オペラシティ▼
PR森美術館
まず、最初に紹介する宮島達男作品は森美術館の「ワールド・クラスルーム」展で見られる作品。
カウンターヴォイドがある六本木ヒルズ、森タワーの最上階52階に位置する森ビルが運営する森美術館で現在、開館20周年記念展「ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会」が開催されていて、この会期中は出展作品として宮島達男の作品を観ることができます。
この展覧会は、出品作品の半数近くを開館以来収蔵してきた森美術館の所蔵作品で構成された展覧会で、宮島達男の作品も森美術館所蔵のものです。50組以上のア
ーティストの作品を国語、算数、理科、社会と科目ごとのセクションに分けています。
宮島達男の作品は算数でしょ!と思ったのですが、「哲学」のセクションに展示されています。
▲森美術館の中で個室のような閉じられた空間に1点だけ贅沢に展示されています。
▲この作品は、1万個のLEDがそれぞれ異なったスピードでカウントをくり返しています。カウントするリズムは1/10秒の速いものもあれば、1時間にひとつしか進まない非常に遅いリズムのものもあります。
LEDの数字一つ一つは生命を象徴しており、 0 (ゼロ)は表示されず 暗転しますが、 これは死を意味しており、この作品では生と死が繰り返されることが表現されているのです。
このコンセプトを理解すれば、「算数」のセクションではなく確かに「哲学」ですね。
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他にも超有名アーティストの作品がたくさん鑑賞できる森美術館ワールドクラスルームの詳細は▼
宮島達男幻の作品六本木ヒルズの「カウンターヴォイド」再点灯の様子▼
基本情報
森美術館開館20周年記念展 2023.4.19(水)~ 9.24(日) 会期中無休 10:00~22:00 火17:00まで ※ただし5.2(火)、8.15(火)は22:00まで 入場料 *カッコ内は専用オンラインサイトで購入した場合の料金 [平日]、一般 2,000円(1,800円)、学生(高校・大学生)1,400円(1,300円)、子供(4歳~中学生)800円(700円) [土・日・休日]、一般 2,200円(2,000円)、学生(高校・大学生)1,500円(1,400円)、子供(4歳~中学生)900円(800円)、シニア(65歳以上)1,900円(1,700円) 港区六本木6丁目10−1 六本木ヒルズ森タワー 53階 MAP アクセス:東京メトロ日比谷線六本木駅1C出口徒歩3分、都営地下鉄大江戸線六本木駅3出口徒歩6分、都営地下鉄大江戸線麻布十番駅7出口徒歩9分、東京メトロ南北線麻布十番駅4出口徒歩12分、東京メトロ千代田線乃木坂駅5出口徒歩10分 |
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東京都現代美術館
清澄白河の東京都現代美術館のコレクション展示室の3階に常設されている作品です。美術館でどんな企画展を開催していようと最後にこの作品を鑑賞して清澄白河をあとにするのが通例です。
▲作品のコンセプトは森美術館所蔵の作品と同様です。
写真に写る人物との対比でわかると思うのですが、東京都現代美術館の作品の方がカウンターの数字そのものも大きいし、作品サイズも展示されている展示室も大きいです。
▲カウンターひとつひとつを個人に、その集合である作品の全体を組織とみることもできるし、また世界の国々と地球、地球と宇宙、あるいは細胞と個体、砂粒と砂というようにさまざまなものの部分と全体をこの作品にみることもできます。
▲タイトルは、宮島達男の作品制作における3つの基本理念です。
この作品は、今だけに限らず常設されているので、東京都現代美術館へ足を運べばコレクション展示室の最後の部屋で見ることができます。
展示室の正面に椅子があるので、赤い光を放ちながら様々な速度でカウントしていく無数の数字と向き合ってみましょう。
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MOT コレクション展の詳細▼
企画展示室で開催している展覧会▼
大人気のクリスチャン・ディオール展
東京都現代美術館に行ったら▼
ミュージアムカフェ特集▼
清澄白河のカフェ特集▼
基本情報
MOTコレクション
2023年5/13(土), 14(日), 20(土) , 21(日) , 27(土) , 28(日)は20:00まで臨時夜間開館を実施 MOT コレクション展入場料:一般500円 / 大学生・専門学校生 400円 / 高校生・65歳以上 250円 / 中学生以下無料 江東区三好4丁目1−1 MAP アクセス:東京メトロ半蔵門線清澄白河駅B2番出口徒歩9分 都営地下鉄大江戸線清澄白河駅A3番出口徒歩13分 東京メトロ東西線木場駅3番出口より徒歩15分、または都営バスで東京都現代美術館前下車 都営地下鉄新宿線菊川駅A4番出口より徒歩15分、または都営バスで東京都現代美術館前下車 |