紅葉が美しい季節がやってきました。きれいな紅葉を堪能したいけれど、京都・鎌倉・日光はちょっと遠いし大混雑。都内の、しかも近隣で紅葉を楽しんじゃおう!ということで、東京都庭園美術館とそのお隣にある自然教育園と八芳園の3つの庭園を散歩してきました。夜間開館、夜間ライトアップ情報もあります。
都内で気軽に紅葉散歩<青山編>に続いて<白金台編>です。
東京都庭園美術館
現在、東京都庭園術館では旧朝香宮邸と新館で「旅と想像/創造」展、旧門衛所では妹島和世新館長企画の「ランドスケープをつくる」が開催中です。
二つの展覧会を鑑賞しつつ紅葉散歩できるなんて最高ではありませんか。
銀杏並木
秋になると目黒駅から東京都庭園美術館に向かうと入口前の銀杏並木がきれいに色づきます。厳密にいうと美術館内ではありませんが、ここから既にテンションが上がりますね。大きな銀杏が色づいて歩道はイチョウの黄色い絨毯が敷き詰められます。▼

アール・デコ建築
銀杏並木を歩いて、庭園の入口で検温後入園料を支払い、奥へ進みます。正門から少し歩くとようやく1933年竣工の旧朝香宮邸だったアール・デコ建築の庭園美術館の建物が見えてきます。これが皇族とはいえ、住居だったわけですからすごいですね。敷地面積は約1万坪あります。
建物正面にも紅葉があって重要文化財のアール・デコ建築と紅葉が楽しめます。▼

アンリ・ラパンや宮内省内匠寮らが総力を挙げてつくりあげたアール・デコ様式をふんだんに取り入れた旧朝香宮邸の玄関から正門方向を見るの図です。きれいに手入れをされた植栽が美しいですね。▼

東京都庭園美術館についての詳細は下記記事を参照ください▼
茶室「光華」
庭園美術館の庭園もとってもよいのですが、紅葉の時期に見るべき場所は茶室「光華」です。
茶室「光華」は、アール・デコ建築の旧朝香宮邸が建てられた5年後の1938年(昭和13年)に建てられました。

茶室と池と日本庭園の紅葉が素晴らしい!▲
「光華」という名称は朝香宮鳩彦殿下の命名です。この茶室の入口には「立礼の席」という珍しい椅子式の茶席があって、これは外国人向けに考案され、各流派家元の茶室に普及したものです。
池泉を中心にした回遊式庭園であるともに、庭園の一角に茶室「光華」が静かに佇む書院式茶庭でもあります。

紅葉が美しい庭園と茶室「光華」▼

2022年茶室特別公開情報
普段は、外国人向けの椅子式の茶室立札席までしか入室できないのですが、期間限定で特別公開をします。
特別公開の時は土足厳禁、靴を脱いで上がります。
2022年は11月22日(火)~ 12月11日(日)11/28日、12/5、12/10休室
茶室の公開時間は10:00-16:30です。

茶室からの庭園の紅葉の眺めが本当に素晴らしいのです。京都に行かなくてもこんなに風情のある景色を眺めることができるなんて幸せ。

2022年10月末の日本庭園の様子です。▲ちょっとだけ紅葉が始まっています。

そして、めちゃくちゃ池の水が青かった。▲ なんでだろう?毎年訪問しているけれどこんな青いのは初めて見ました。
夜間公開
11月の18日から金土の夜間開館が実施されます。ライトアップされた旧朝香宮邸と美しい紅葉を観ることができます。
もちろん「旅と想像/創造」展も鑑賞可能です。
2022年11月18日(金)・19日(土)・25日(金)・26(土)・12月2日(金)・3日(土)
10:00-20:00(入館19:30まで)
基本情報
10:00-18:00 茶室の公開 10:00~16:30
庭園入場料:一般200円、大学生(専修・各種専門学校含)160円、中・高校生・65歳以上100円
月休 年末年始休
港区白金台5丁目21−9 MAP
JR山手線目黒駅東口/東急目黒線目黒駅正面口徒歩7分
都営三田線・東京メトロ南北線白金台駅1番出口徒歩6分
旅と想像/創造展については▼
国立科学博物館附属自然教育園
自然教育園は、国立科学博物館附属の自然緑地で東京都庭園美術館のすぐ隣に位置し、その広さは約6万坪です。
もともと江戸時代以前より屋敷などに使われた土地ですが、あまり人の手を入れていない状態が長く保たれたことで、人口密集地となる以前の東京都区内の自然の姿をうかがい知ることができるとても貴重な場所です。

そういう意味では、同じ屋敷地をルーツとする隣にある東京都庭園美術館の手入れの行き届いた作られた庭園とは対照的です。
入口で入園料を支払ったら、頻繁に更新されている「見ごろ情報」をもらいましょう。庭園美術館の庭と比較するとかなり広いのでどういうルートで回るかもこの情報を見ながら考えましょう。自然教育園のwebで見ることも可能です。▼

ありのまま
前述したように、自然教育園は人工的に植樹したり、剪定したりということをほとんど行っていません。ですから、勢いよくのびのびと育っている木々や花々を季節ごとに楽しむことができます。園内を歩いているとここが東京なのかと信じられないのですが、正門から入って左側には園に沿うように首藤高速道路が走っていて、鳥たちのさえずりと共に遠くで車が走り去るエンジン音が聞こえてきます。この音を聞くとやっぱり都内なんだと気づかされます。

水生植物園
木々が生茂る道を歩いていくと、視界が開ける場所にたどり着きます。ここが水生植物園です。池に写る紅葉のリフレクションの美しいこと!▼

紅葉
キングオブ紅葉(こうよう)はやっぱりモミジですよね。この深紅のモミジの美しさ。自然界の色とは思えない彩度の発色です。きれいですね。▼

真っ赤なモミジもいいけれど黄色の木々も青空に映えます。▼

都内で手軽に大自然の中で森林浴ができる自然教育園は、秋の紅葉の時期だけでなく、四季折々の植物を楽しむことができます。
お隣の手入れの行き届いた人工的に作られた庭園美術館の庭園と、自然のままの姿を見せる自然教育園とどちらが好きですか?

基本情報
9/1~4/30、 9:00~16:30 (入園16:00)5/1~8/31、 9:00~17:00 (入園16:00)
11月の休園日は4日、7日、14日、21日、24日
12月の休園日は19日、26日、28日、29日、30日、31日
月休 年末年始(12/28-1/4) 入園料:一般・大学生 320円
港区白金台5-21-5 MAP
JR山手線目黒駅東口/東急目黒線目黒駅正面口徒歩8分
都営三田線・東京メトロ南北線白金台駅1番出口徒歩6分
八芳園
自然教育園から徒歩で10分ほどの場所にある八芳園は、12000坪の敷地の庭園のある結婚式場・宴会場です。内装をインテリアデザイナーの橋本夕紀夫が手掛けました。結婚式場ですが、パーティ会場となることも多く、仕事関係のパーティで何度か足を運んだ場所です。
ただ、パーティだと夜間なので庭園を散策することはありません。
是非紅葉の季節には庭園散歩をしたいです。桜の季節もいいですが紅葉も素晴らしいです。

八芳園には3つのレストラン・カフェがあります。各々大きな窓から、そしてテラス席から庭園を眺めながら優雅な時間を過ごすことができます。

庭園
日本庭園へは、一度エントランスから建物内に入り階下へ降りてそこから庭園へ出ます。こちらの庭園も庭園美術館同様にきっちりと手入れされている日本庭園で、池を中心とした回遊式庭園です。▼

池
庭園に出て最初に目に飛び込んで来るのは、池と紅葉と鯉です。鯉の赤と黄色が鮮やかで紅葉と見事な呼応を見せます。▼

紅葉と池って最強です。リフレクションの美しさにうっとりと見惚れてしまいますね。▼

東屋
東屋は庭園内に複数あって、座ってゆっくり紅葉を眺めることができます。こちらは一般的な東屋ですが、少し高いところにあるので眼下に紅葉と池を見下ろすことができます。絶景ですね。▼

私が一番気に入った東屋はこちらです。東屋と言っていいのかわかりませんが、素朴でとぼけたデザインですよね。ただ残念なことにこの東屋は入れないようになっていました。入ってみたい!ちょっと南国調ですよね。▼

八芳園もまた、四季折々の自然を楽しみことができます。庭園美術館や自然教育園と違うのは、樹齢500年以上の逸品が揃った盆栽もあることです。また、公共施設ではないので当たり前ですが、カフェやレストランが充実していることです。桜や紅葉などの季節の週末は特にここのカフェレストランは大人気で、とてもにぎわっていますよ。
秋のライトアップ
八芳園では秋のイベント「TOKYO RED GARDENAUTUMN FESTIVAL 粋 2022」が開催され、11月18日(金)の日没から21時まで、秋の庭園特別ライトアップが行われます。
2022年11月18日(金)〜12月11日(日)庭園入場無料
基本情報
港区白金台1丁目1−1 MAP
都営地下鉄三田線・地下鉄南北線白金台駅徒歩1分
目黒・白金の3つの庭園の紅葉スポットを紹介しました。3カ所は各々近くにありますし、各々違った特色を持っているので、違いを楽しみながら白金散歩を楽しんでみてください。
青山編▼
港区の紅葉スポット▼
建築巡り白金台1と2も合わせて参照ください。▼