デザイン宝探し
sonyビル跡地のGinza Sony Parkで開催されているDESIGN MUSEUM BOX展を観に行ってきました。この展覧会はNHK主催で今までに「デザインミュージアムをデザインする」に出演した5人のクリエーターが、日本各地で行った「デザインの宝さがし」で見つけた〈宝物〉を「DESIGN MUSEUM BOX」に展示しています。
五人のクリエーターは森永邦彦、辻川幸一郎、水口哲也、田川欣哉、田根剛で、田根剛は会場デザインも担当しています。
田根剛
建築家の田根剛は、岩手県の御所野縄文博物館 で「縄文のムラのデザイン」をリサーチしました。「1万年前から日本に〈デザイン〉は存在した」と言うのはなんかすごく納得しました。
箱が積み重なったような会場構成は田根剛のデザインですが、箱は発泡スチロールだったので、実はすごい軽いです。そして、発泡スチロールだからこそ、簡単にくりぬけるので、上や側面に展示用のスペースがつくれらていました。下の写真をよく見てください。すでにエッジが少しぶつかったようなキズで凹んでいますね。▼
田川欣哉
デザインエンジニアの田川欣哉(Takram)は石川県金沢市にある柳宗理記念デザイン研究所で「柳宗理のデザインプロセスーカトラリーを例にー」をリサーチしました。
個人的にはこの展示が一番面白かったです。柳宗理のカトラリーのデザインプロセスが時系列でわかりやすく展示されていたので興味深く鑑賞しました。
カトラリーのデザインプロセス▼
こちらは制作プロセス▼
完成形です。柳宗理のカトラリーはロングセラーですね。▼
森永邦彦
ファッションデザイナーの森永邦彦(アンリアレイジ)は奄美の 宇検村生涯学習センター 元気の出る館/瀬戸内町立図書館・郷土館 で「ノロの装束“ハブラギン”」をリサーチしました。
12〜3歳の少女が初めてノロ(祝女)の祭祀に参加する時、まだ霊力の弱い少女の身を守るための工夫がなされた「ハブラギン」はいろんな布を繋ぎ、縫い合わせてできています。いわゆるパッチワークです。
これは光のようにコントロールできない対象を服の中に存在させることをコンセプトとした洋服。光を当てると色が変わるジャケットです。
光をあてます▼
右側の下から二番目のボタンに注目。すごく濃いめのピンクに変わりました。▼
水口哲也
エクスペリエンスアーキテクトの水口哲也は浜松のヤマハ イノベーションロード で「トランスアコースティックピアノ 匠とテクノロジーの出会い」をリサーチしました。
実際に全体がスピーカーとなったピアノが展示されています。▼
辻川幸一郎
映像作家の辻川幸一郎は姫路の日本玩具博物館 「ぶちゴマ、そこから広がるさまざまなコマ」をリサーチ。おもちゃは人間が最初に触れるデザイン」だという言葉に、なるほどと思いましたが、最近の子供が最初に触れるデザインはIT機器や映像などに変化してきているかもしれませんね。
世界各地で多発的に生まれ発展してきたいろいろなコマが山盛りに展示されています。主に子供が使う物なので、カラーリングは似ていますが、形は様々です。▼
読む内容も多く、映像もあるので全部しっかり制覇しようと思うとスペースの割に時間がかかります。こんなに濃い内容が無料なのは嬉しいですね。撮影も可能です。
東京メトロからすぐにアクセスできるので銀座にいくことがあったら是非立ち寄ってみることをオススメします。その際は是非、吉岡徳仁のパブリックアートもチェックしましょう。すぐ近くです!
「DESIGN MUSEUM BOX展 集めてつなごう 日本のデザイン」
Ginza Sony Park(東京都中央区銀座5-3-1)MAP
2021年4月10日(土)~5月9日(日)11:00~19:00