アート巡り、ギャラリー巡り、美術館巡り、どこに何をみに行けばいいか迷った時に。
今、東京で見るべきアート、インスタレーションなど、おすすめ展覧会、今回は銀座と原宿情報です。
銀座は多くの画廊、ギャラリーが集まり、百貨店やハイブランドのショップなど、見所が満載の大人の街です。そんな銀座で行くべきアートスペースでの展覧会と、銀座とは真逆の若者の街、原宿で開催している展覧会を紹介します。
どちらも巡っていて楽しい街です。是非、東京展覧会巡りの参考にしていただけると嬉しいです。
PRあいだ に あるもの ー1970年代の資生堂雑誌広告からー
銀座 資生堂ギャラリー
資生堂が時代ごとに創造してきたクリエイティブワークの一端を紹介する企画展シリーズの記念すべき第一弾です。長い歴史を持つ老舗化粧品メーカーですから、たくさんの素晴らしいクリエイティブがあります。
宣伝広告一つとっても紙媒体、映像など多岐に渡りますし、化粧品のパッケージやショップのデザインなど、クリエイティブワークといってもとても幅が広いはずです。
今回は数多くの資生堂のクリエイティブの中から雑誌広告にフォーカスした展覧会です。しかも紙媒体が一番勢いがあった70年代のものです。
▲中央のテーブルには実際の雑誌が並んでいます。この雑誌の撮影は禁止です。それ以外は撮影可能。
資生堂宣伝部と言えばあの石岡瑛子を輩出した、広告業界、デザイン業界の憧れの企業であり部署です。そんな華やかな資生堂宣伝部が外部に委託することとなり、解散してしまった時は激震が走りました。
今回の展覧会は、70年代の資生堂MG5の広告で草刈正雄と並んで脚光を浴びた俳優の団時朗氏を偲ぶ意味もあります。団時朗は23年3月に亡くなりました。
そんな団時朗(当時は団次郎)を偲んで、団氏出演の資生堂広告作品がスペシャルムービーとして上映されています。
団時朗がその後俳優になるきっかけとなった70年代の資生堂のスタイリッシュな広告が写真だけでなく映像でも鑑賞できるのです。
▲若かりし頃の団時朗。かっこいいですね。70年代まだ生まれてない人も、生まれていても記憶がない人も、そして、しっかり記憶があって懐かしい人は当然、ぜひ、会場に行って70年代の最先端の広告を目にしてみてください。
これが不思議と全然古く感じないんです。むしろ若い人には新鮮に見えるかもしれません。
基本情報
あいだ に あるもの ー1970年代の資生堂雑誌広告からー
11:00~19:00 日祝 ~18:00 月休 入場無料 資生堂ギャラリー 中央区銀座8丁目8−3 資生堂銀座ビル B1F MAP |
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ケニー・シャーフ I’m Baaack
原宿 NANZUKA UNDERGROUND、
青山一丁目 草月会館
2021年にMIYASHITA PARKで開催したDiorのポップアップストアでの展示が記憶に新しいケニー・シャーフですが、今回プライマリーギャラリーでの個展が30年ぶりに開催されます。そのプライマリーギャラリーはNANZUKA UNDERGROUNDです。
今回の個展は新作で、本人も35年ぶりに来日とあって盛り上がること必至です。
▲ギャラリーに入って会場の中央にあるのが、ゴミとして捨てられた古い玩具や衣類、プラスティックや家電といったファウンドオブジェクトとブラックライトを用いた空間を丸ごとインスタレーション作品「Cosmic Cavern」です。
この作品は、1981年にキース・ヘリングと同居していたスタジオとPS1にて初発表し、その後1985年のホイットニー・ビエンナーレにて大きな話題となった代表的な作品です。
40年以上の時を経て日本の地で観られる日が来るなんて感慨深いですね。
▲没入型インスタレーション以外は、大型の平面作品が展示されています。
この作品はオイルオンキャンバスではなく、オイルオンフラットスクリーンTVです。最初はキャンバスの周りにモニターをくっつけたのかと思いましたが、直接テレビに作品が描かれていました。
▲日本語がたくさん描かれた作品も。
ケニー・シャーフの作品の魅力は、なんといってもカラフルな画面(モノクロ作品もありますが)に登場する表情豊かなキャラクターです。
展示されている平面は全て、2022年、2023年に描かれた新作です。
▲今回は、原宿のNANZUKA UNDERGROUNDと草月会館の2会場での展覧会です。
草月会館には、新作の立体彫刻作品のインスタレーションに加えて、1985年に草月会館が主催した「アートインアクション」展の際に、シャーフ自身がペイントと改造を施したキャデラック「夢の車」が38年ぶりに限定公開されています。
このキャデラックフリートウッド、ちゃんとナンバーがあったので現役の車のようです。誰がどこかで38年間保管して(使用?)いたんでしょうか。
▲屋外展示ですが公開時間以外はカバーがかけられています。盗難、いたずら防止ためです。
平日は16時まで、金曜と土曜日までは17時までの公開ですから見学の際は公開時間に注意してください。
基本情報
ケニー・シャーフ I’m Baaack
11:00-19:00 月火休 入場無料 渋谷区神宮前3丁目30−10 MAP 2023年6月10日(土) – 6月30日(金) 火 ‒ 木 11:00-16:00、金 ‒ 土 11:00-17:00 日月休 入場無料 港区赤坂7丁目2−21 MAP |
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横尾忠則 銀座番外地
銀座 ggg(ギンザグラフィックギャラリー)
大日本印刷が運営するグラフィックデザインのギャラリーgggでは、43年前に画家宣言するまでは、バリバリのグラフィックデザイナーだった横尾忠則の個展が開催されています。
▲ギャラリーのファサードは横尾忠則が描く健さんの肖像画。
今回の展覧会は主に1960年代から80年代の画家宣言前のグラフィックデザイナーとしての仕事にフォーカスしています。
▲展示什器も凝っています。
▲1階には、「版下なのにこんなに美しい」と言わしめた、印刷所に出す際に原画の上にトレペを乗せて様々な指示指定を書いた版下や、額装された作品が並びます。
DICに東洋インクにパントーンと3種フル活用の版下
▲今回の展示空間は、 頭ではなく肉体的体験を約束するものです。 それはまるでブラックホールのように、今まで見えなかった横尾忠則の創造空間に引き込み、吸収し、消失してしまうような、「無」の境地に誘い込まれるようです。
今もなお積極的に制作活動を続ける横尾忠則の超私的ブラックホールというコンセプトのもと、地下へ向かう階段にはブラックホールへ誘う仕掛けがされています。
▲地下の会場は本当にブラックホールのように照明を落とした空間の中にまるで星が輝くように、作品だけ神々しく浮いていました。
そして、床には銀河を模した演出が施されブラックホールな横尾ワールドを盛り上げてくれます。
基本情報
横尾忠則 銀座番外地
11:00-19:00 日祝休 入場無料 中央区銀座7丁目7−2 DNP 銀座ビル 1F MAP |
紹介した3つの展覧会はたまたま60年代、70年代、80年代、90年代いわゆる20世紀のデザインとポップアートが観られるものでした。
目まぐるしく変化する日常を忘れて、前世紀にタイムトラベルしてみませんか。
銀座で見るべき展覧会▼
青山で見るべき展覧会▼
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