原宿にて
160年に及ぶブランドの歴史を辿りながら、ルイ・ヴィトンの様々なクリエイターとのコラボレーションを紹介する展覧会が原宿駅前のjingにて始まりました。5年前に紀尾井町で開催された「Volez, Voguez, Voyagez – Louis Vuitton」(空へ、海へ、彼方へ──旅するルイ・ヴィトン)展」も鑑賞しましたが、今回は場所が原宿駅前なので若年層を狙ったのでしょうか。
池田亮司
10のスペースで構成された展覧会の最初を飾るのは池田亮司の作品「クリティカルポイント」です。池田亮司といえば1994年から作曲家としてダムタイプの活動に参加しています。今回この展覧会を観に行った理由は、この作品のためと言っても過言ではありません。しかし、会場に入るなり池田作品を見れるとは思わなかったのでちょっとびっくりしました。音も映像もしっかり池田亮司な作品です。
天井からLEDスクリーンが吊るされ、床にはその映像を映すミラーが置かれています。映像と鏡が向かい合っているので自分が映像に挟まれているような奇妙な錯覚に陥ります。
ミラーの上に乗ってはいけないので周りから観賞します。
磯崎新、ザハハディド、青木淳、フランクOゲーリーなど建築家とのコラボもあります。会場の様子は動画でご覧ください。▼
池田亮司のインスタレーションの次はルイ・ヴィトンの原点からスタートです。
厳培明とアレックス・カッツ、そしてデジタルアーティストのレフィック・アナドルが創業者であるルイ・ヴィトンさんの肖像を描いた作品の展示です。
また、ルイヴィトンはトランクの製造から始まっていますのでそのDNAは「旅」です。
手前の1964年に指揮者ストコフスキーのために製作されたデスク・トランクの上に飾られているのはキム・ジョーンズとの藤原ヒロシがコラボした「モノグラム・エクリプス フラッシュ キャンバスのギターケース(2017-18秋冬)」です。▼
シルクスカーフのコラボ商品です。このコーナーはまるで額装された絵画作品を見る感覚でした。
目をひいたのはあの閉館してしまった原美術館のタイルの部屋で有名なジャン・ピエール・レイノーとのコラボスカーフです。タイルの上にひらひらと舞うイチョウが描かれたなんとも不思議な図柄です。
色彩豊かな2点の連作はジェームズ・ローゼンクイストです。ぱっと見花柄の普通のスカーフのように見えますが、よく見ればしっかりローゼンクイストです。
上段の白地に黒の正方形の中に円が描かれた非常にシンプルなスカーフはソル・ルウィットです。そして黄色いイチョウの下はなんと!インテリアデザイナーのアンドレ・プットマン!元々作曲家だったのでト音記号が踊っているように見えるのは気のせいでしょうか。▼
ルイ・ヴィトンでコラボといえばマーク・ジェイコブスと村上隆を思い出す人は多いのではないでしょうか。ちょっと前かと思っていましたが、なんと2003年でした。
1994年から2014年までルイ・ヴィトンのアーティスティックデイレクターをしていたマーク・ジェイコブスが長いルイ・ヴィトンの歴史の中で禁断とされてきたモノグラムにアレンジを加えるという行為をさらりとやってのけ、頑なに守られてきたルイ・ヴィトンの歴史の扉が開いた瞬間だったように思います。村上隆の次は草間弥生ともコラボして大変話題になりました。
草間弥生、ジェフクーンズのバッグ▼
紀尾井町での展覧会では帰りにポスターがもらえましたが、今回はこのようなシールでした。▼
私はスーパーブランドにはあまり興味はありませんが、アーティストのコラボばかりなので展覧会としてとても楽しめました。
ブランド好きな方もファッションが好きな方もアートが好きな方もその全部が好きな方は特に!おすすめです。
事前予約制なので、予約をしてから出かけましょう。
「LOUIS VUITTON &」
2021年3月19日(金)-5月16日(日)
東京都渋谷区神宮前6-35-6 jing
10:00-20:00(最終入場19:30)
入場料無料/要事前予約/撮影可