<2021年1月原美術館閉館、ハラミュージアムアークは原美術館ARCとなる>
原美術館の別館
品川の原美術館の別館ハラミュージアムアークに行ってきました。
ハラミュージアムアークは、1988年群馬県渋川市に磯崎新設計で建てられました。
緑に囲まれ自然豊かで広々とした高原に建つ風光明媚な美術館です。
東京と同様主に現代美術をコレクションしています。そして、東京同様にカフェダールも併設されています。
磯崎新氏、2022年12月28日那覇のご自宅で老衰のため逝去されました。91歳でした。謹んでご冥福をお祈りいたします。
建築
磯崎新設計の美術館は水戸芸術館やロサンゼルス現代美術館など国内外に多数ありますが、ロケーションとしてはここが最高なのではないでしょうか。
遠景には赤城山、近景には八重桜、と美しい自然の風景をふんだんに取り入れた設計で、木造の温かみと黒い外壁のギャップが緑の中に映えます。
ジャン=ミシェル・オトニエル
展示室には当然ながら、広大な敷地内に屋外アートがあります。
最初に目を引くのが六本木ヒルズの毛利庭園にも金色バーションが設置されているジャン=ミシェル・オトニエルのハートの作品「kokoro」です。
高さ3メートルを超える大作は、60個余りの真っ赤なムラーノガラスの球体をネックレス状に繋ぎ合わせたものです。
天気の良い日はこのムラーのガラスが日光でキラキラと美しく輝いています。
アンディ・ウォーホル
一目で誰の作品かわかる「キャンベルズ・トマト・スープ」の作品も設置されています。巨大な缶詰ですが、この美術館の庭が広大すぎて小さくすら感じます。
この作品は実際にウォーホルが作品にサインをしている様子も美術館内に展示されています。
メナシェ・カディシュマン
おそらく開館当初からある作品です。
作品のタイトル「プロメテウス」はゼウスを怒らせたために毎日生きながら肝臓を鷲についばまれるという拷問を受けました。この作品はそのシーンを再現したものです。
オラファー・エリアソン
2009年に設置された「Sunspace for Shibukawa, 2009」はオラファー・エリアソンにとって日本で初の常設展示作品です。太陽の光がレンズを通して虹色の光を織り成します。この虹色の光は、約2週間おきに完全な円形になります。
残念ながら今回は中に貼ることは出来ませんでしたが、覗き込むとちゃんと光を見ることが出来ました。
たくさんある展示作品
全てに触れることは出来ませんが、屋外には他に設計の磯崎新夫人の故宮脇愛子の「うつろひ」やオノヨーコの妹の小野節子の作品などまだまだたくさんあります。
また、館内の展示室にも常設で草間彌生や束芋など見どころは盛りだくさんです。
特別展示室「觀海庵」
この觀海庵は美術館同様磯崎新設計により20周年に当たる2008年、原六郎コレクションの展示を目的に増設されたものです。
原六郎氏は、現館長の原俊夫氏の曽祖父に当たります。
久しぶりに訪れたのでこの展示室は初見でした。
内部は美術館の他の展示室同様撮影禁止です。
普段、超大型作品ばかり目にするリチャード・セラの小さいドローイングの連作が新鮮でよかったです。
カフェ・ダール
東京の原美術館にもあるカフェがここにもありました。
草間彌生のかぼちゃのケーキがあることを期待していたのですが、
残念ながらメニューになかったので食べられませんでした。
それでも、テラス席の開放感は東京の数十倍ですから、大満足の時間を過ごすことが出来ました。
八重櫻と赤城山
今年は東京でも櫻が例年より早めだったので、連休ならまだギリギリ見られる予定だった八重櫻も終わりかけていました。
それでも、この絶景はアートも軽々と超越してしまうくらいの美しさです。
また、近々訪れたいと思います。
次回はオラファー・エリアソンの作品が円形になる日を狙いたいなと目論んでます。
ハラ・ミュージアムアーク
群馬県渋川市金井2855-1
9:30−16:30
木曜、冬季、