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二つの「小村雪岱 展」徹底比較 – 三井記念美術館と日比谷図書文化館


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二つの小村雪岱展

日本橋の三井記念美術館と日比谷公園内にある千代田区立日比谷図書文化館で小村雪岱の展覧会が開催されています。

2021年の2月に両方の展覧会を観賞しましたので徹底比較をします。

三井記念美術館▼

三井記念美術館の入り口

千代田区立日比谷図書館文化館▼

千代田区立日比谷図書文化館の入り口

展覧会概要比較

会期と入場について

三井記念美術館▼ 

2021.2.6~4.18  入場料一般1300円 事前予約制    11:00-16:00 月休

千代田区立日比谷図書文化館▼ 

2021.1.22~3.23 入場料一般300円 予約不要 10:00-19:00(金-20:00、日祝-17:00) 3/15休

開館時間は図書館内の展示室のため圧倒的に日比谷図書文化館の方が融通が効きます。実際金曜の夜に訪問しました。渡された注意事項の中に「1時間以上の観賞の方にはお声がけさせていただく事があります。」というなんともやんわりとした言い方で観賞時間について触れていました。実際1時間くらいはかかります。特に注意はされませんでしたが。1時間くらいということを念頭に入れてペース配分しながら観賞しましょう。

三井記念美術館は事前予約制のため前もって計画を立てての訪問が必須です。また開館時間が短いのもちょっとネックです。2月中旬の週末の開館と同時の11時台は2日前ですでに予約が埋まっており、12:30からの予約しか取れませんでした。

入場料については私立と公立の差が歴然ですね。コロナについてはどちらも検温、消毒という同様の対策をしていました。

入場者の年齢層はどちらも高めです。

写真撮影について

三井記念美術館

展覧会場内撮影禁止ですが、冒頭の2つガラスケースのみ撮影可です。以下写真が三井記念美術館で撮影できる展示品です。

小村雪岱の装幀デビュー作泉鏡花の「日本橋」1914年が2冊展示されています。保存状態がとても良いですね。▼

三井枳園美術館出品の小村雪岱装幀泉鏡花日本橋

彦十蒔絵「見立漆器 曳舟日本橋蒔絵」2019年▼

千代田区立日比谷図書文化館

展覧会場内撮影可能ですが、展示室外のエントランスロビーにある小村雪岱展の垂れ幕などは撮影不可となっていました。おそらく図書館へ行く人との動線の問題だと思われます。

日比谷図書文化館にもやはり装幀デビュー作泉鏡花「日本橋」が冒頭に3冊展示されていました。こちらは少し焼けてしまっているものの数で勝負?でしょうか。▼

日比谷図書文化館出品小村雪岱装幀泉鏡花日本橋

これは個人的に是非本物をみてみたいと思っていた「麻の葉集」です。小村雪岱の本でこの構図の大胆且つモダンで秀逸なデザインに一目惚れしました。この装幀本は日比谷図書文化館にしか展示されていません。▼

千代田区立日比谷図書文化館の展覧会の様子はこちらの動画を▼

私が持っている本をご紹介します。この本は小村雪岱の仕事全般と本人の随筆など幅広く掲載されています。カラーで装幀や作品がたくさん見られますし、文章も読みやすいので展覧会前に読んでいくとより楽しめると思います。

フライヤー比較

三井記念美術館▼

展覧会タイトルは「小村雪岱スタイル 江戸の粋から東京モダンへ」三つ折りオールカラーのフライヤーです。また、こちらは美術館なので展覧会図録も販売されています。

千代田区立日比谷図書文化館▼

展覧会タイトルは「複製芸術家 小村雪岱 装幀と挿絵に見る二つの精華」

フライヤーは同じく三つ折りで中だけカラー、表紙裏表紙はモノクロです。展覧会図録はありません。

出品内容

一番気になるのは出品内容ですね。作品目録を比較してみましょう。

三井記念美術館▼

まず、こちらは前期(2.6-3.14)と後期(3.16-4.18)で微妙に作品が入れ替わります。

小村雪岱の作品が木版、肉筆、装幀本、挿絵原画、舞台装置原画など114点、その他に鈴木春信や鏑木清方の作品、江戸の工芸と現代の工芸作品などの展示です。全部で約200点の展示です。

千代田区立日比谷図書文化館▼

こちらは装幀と挿絵に特化した展覧会です。6つのカテゴリー(鏡花本、新聞挿絵、雑誌挿絵、資生堂意匠部、九九九会の仲間たちの装幀本、大衆小説の装幀本)に分けられています。

記憶を目録で確認した結果、鏡花本に関しては日比谷図書文化館に出ている27冊のうち16冊が三井にも出品されていました。小村雪岱といえば泉鏡花なので、鏡花本はどちらもかなり出展されています。

徹底比較の結果

装幀だけでなく肉筆や木版など美術作品や舞台装置の原画など幅広く小村雪岱を知るには三井記念美術館がいいかもしれません。そういう意味では入門編です。小村雪岱の作品出品点数は日比谷より少ないですが、周辺作家や同時期の工芸などその他作品を合わせると展示数はそんなに変わりません。

小村雪岱と言えば美しい装幀でしょう!というやや玄人向けの展覧会が日比谷図書文化館です。新聞挿絵は原画とともに当時の新聞もありますので、時代背景なども一緒に見ることができます。作品点数は小村雪岱だけで200点ありますから見応えたっぷりです。写真撮影可能なのもいいですね。難を言えばロッカーがないので荷物やコートを持ったままの鑑賞になります。そこがちょっと残念でした。三井にはちゃんとロッカーがありますよ。

結論!私のおすすめはどちらも観に行こう!です。できれば三井の前期と後期、両方に足を運べば完璧です。

二つの会場へのアクセス

各々銀座線で20分くらいで移動できるので休日なら一日で両方見ることも可能な距離です。

銀座線の三越前から徒歩3分 三井記念美術館のアクセス

銀座線の場合虎ノ門ヒルズ駅から徒歩8分 千代田区立日比谷図書文化館のアクセス

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