静岡県のリゾート地、熱海(あたみ)の全域を使って展開されるアートイベント「ATAMI ART GRANT」。2021年から始まった、全50組アーティストの作品が熱海市内20数カ所に展示されるという非常に大規模なイベントです。今回熱海を訪問しイベントに参加してみたのですが、その本気度、本格ぶりに改めてビックリしました。
前回のイベントのことは知っていたのですが、よくあるアートを使った地域活性化イベントだろうと思ったら大違いです。
▲どのくらい本格的かというと、結局半日かけても全体の半分も観られなかったくらいの作品の質と量。どのくらい本気かというと、東南アジアから中東などまでカバーするグローバルな展開。
今年2022年は東京からのバスツアー「アタミデスバスアートツアー」にご招待いただき参加させてもらいました。本当はアートイベント全体を紹介したいところですが、あまりに膨大になりそうなので前編(本記事)と後編(熱海市内とバスツアー)の2本立てで紹介します。
まず前編としてイベントのメイン会場的な「HOTEL ACAO(ホテル アカオ)」に展示されている作品たちの一部を紹介します。HOTEL ACAOだけでも時間が足りなくなって全部見ることができなかったほどのボリュームがあり、実際この記事で紹介しているのはHOTEL ACAOで観ることができたうちの半分ほどです。
なお、このHOTEL ACAOというのは、かつて「ニューアカオ」という名で営業していた昭和な観光ホテルの後継的なホテルです。熱海の市街地に入るとサンビーチの向こうにその建物が見えてきて、旧い世代の人たちはこれを見ると あぁ熱海に来たなぁと感じるでしょう。
ATAMI ART GRANT 2022
このアートイベント「ATAMI ART GRANT 2022」は、熱海の魅力をアートにより再発見し、目に見える形にするプロジェクト「PROJECT ATAMI」によるもので、「ACAO ART RESIDENCE」と「ATAMI ART GRANT」の大きく2つの柱で構成されています。
滞在制作型の「ACAO ART RESIDENCE」は20組のアーティストがACAOに滞在する活動、「ATAMI ART GRANT」は ”GRANT(助成)” という名の通り、「渦 − Spiral ATAMI」をテーマに公募したアーティスト30組にGrantを授与する活動です。
この合わせて50組のアーティストの作品が会期中に熱海の市内全域、全21ヶ所の会場に展示されます。
ART RESIDENCEでアーティストたちとの連携を図り、GRANTでアーティストの創作活動を支援するという、流行りの言葉で表せばサスティナブルな取り組みを全面に出しているところに、単に観光支援や地域活性化にとどまらない志の高さを感じます。
HOTEL ACAO
メインの会場でもありART RESIDENCEの場でもあるHOTEL ACAO。前身は前述のとおり昭和の高度成長期にオープンした「ニューアカオ」(宿泊業としてはもっと前から)。
熱海市街からみれば南側の景勝地、錦ヶ浦の断崖に建っています。
昔の温泉地としての熱海のイメージって、温泉旅館に熱海城に秘宝館、そして金色夜叉の貫一お宮みたいな感じで、昭和のお父さんたちが社員旅行で泊まりにいって羽目を外す場所、訳ありカップルがこっそり旅行に来る場所という感じで、2時間ドラマにもよく登場するよね、そんなイメージだったと思います。
小津安二郎の映画「東京物語」で笠智衆演ずる老夫婦が熱海で眠れぬ夜を過ごす、あのイメージですね。
でも今はサンビーチから親水公園といったビーチエリアの開発が功を奏して地中海のリゾート地みたいになったきたうえに、かつての昭和な温泉地の残滓が ”昭和レトロ” と逆にもてはやされたりで東京からも近いエキゾチックな温泉リゾートとして再び人気です。
その熱海のシンボル的ホテルの一つだったニューアカオですが、COVID-19の中で営業を休止したまま2021年に営業を中止。ただ、ニューアカオの ”ロイヤルウィング” というエリアだけは「HOTEL ACAO」として営業を継続しました。
ATAMI ART GRANTの会場の一つとなる「HOTEL ACAO」は、実は旧ニューアカオの部分を使っています。今は HOTEL ACAOのANNEXまたニューアカオ館、従業員の方によれは ”旧館” と呼ばれている部分です。
今のHOTEl ACAO(旧ロイヤルウィング)とその旧館(旧ニューアカオ)は一見別の施設のように見えますが、断崖に建つ2つの建物が地下道で連結される形態になっています。
旧館の15FがHOTEL ACAOの1Fと繋がっているので、会場を回る際には自分が今いるフロアと行きたいフロアの関係を常に把握しておく必要があります。
ではATAMI ART GRANT 2022、HOTEL ACAO会場の出展作品の一部を見てみます。
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富安由真
個人的に目玉だろうと思ったのが、もう若手でも中堅でもない実力派、富安由真の作品。
現実と非現実の間を行き来するような没入型インスタレーションに本領を発揮するアーティストです。
▲17Fのフロアは富安由真作品。
特に写真は掲載しませんが、エレベーターを降りた瞬間から目の前に富安由真の世界が広がっています。
ホテルとしては閉鎖されひっそりした空間の、廊下の端に置かれそこだけ照明が当てられた椅子。
何か事件があってそれが私たちを招いているかのよう。
▲奥にはきれいにベッドメイキングされた客室。
テレビがつき、照明が灯り、ポットもありますが人の気配がありません。
しばらく滞在するとあることが起こります。
突き当りの椅子が喚起するイメージ、この客室。スタンリー・キューブリックの「シャイニング」に出てきそうな雰囲気です。
▲これは17Fのもう一方の端、かつてはロイヤルルームとして使われていた客室です。
写真はその客室のリヴィング。そしてTVの中に映っているのはこの客室内の和室の部屋です。
この客室にはもう一つ寝室があってそこもまた作品です。さっきの椅子が外に置いてあった客室とは対になっています。その証拠は寝室のTV画面を良く見れば分かります。
和室では富安由真のVR作品が鑑賞できるようになっています。
VRで何が体験できるかというと、旧館1Fのもう一つの富安由真作品です。ただし1Fの富安由真は写真撮影禁止です。
つまり、富安由真のインスタレーションを体験するには、まずエレベーターで1Fまで下りて撮影禁止の作品を鑑賞し、それからまた17Fのフロアに戻ってVR体験をする必要があります。
ものすごく入り組んだフィクショナルな世界。富安由真の世界をたっぷり堪能しましょう。
小金沢健人 ファンシーパニックラーキーウォーズ
小金沢健人(こがねざわ たけひと)もインスタレーションが得意なアーティスト。
▲劇的で不思議な照明の当たり方をしている旧館の階段。
旧館は建築、特に昭和レトロな建築としての魅力も満載で、アート巡りをしているはずがうっかりしていると建築的に面白いところを探してしまい、まさに建築とアートを巡る人になってしまう危険がいっぱいです。
この階段の上のフロアでガタコトと音がしているので上がってみると、小金沢健人作品でした。
▲作品名は「fancy panic lucky wars 13 circus go four ufo target pro capriccio(ファンシーパニックラーキーウォーズ)」。
旧ニューアカオ時代のゲームコーナーでのインスタレーションです。
昭和の頃の観光ホテルには、こうしたアーケードゲームのコーナーがあったのです。とはいえクレーンゲームがあるのでたぶん去年までは実際に現役で稼働していたのだと思います。
▲見捨てられたゲーム機たちが突然昔を思い出したかのように光り、騒ぎ出すというインスタレーションですね。
いつかこの旧館が一時的であっても復活する日が来る日を願うかのように。
ミラーボールも昭和のディスコですね。
ここはゲームコーナーなのでミラーボールがあったはずはなくて、たぶん旧ニューアカオのどこかには、かつてディスコとして使わていた部屋があるのだと思います。
小金沢健人 ニュー ア/New A
小金沢健人はもう一つ、巨大な作品を展示しています。
たぶん熱海の街からも見える巨大な作品です。
▲それがこの「ニュー ア/New A」という作品。
旧ニューアカオの巨大なネオンサインをジャックした作品です。
▲旧ニューアカオの屋上には巨大な 「ニューアカオ」というネオンサインがあって、昼も夜も熱海の街から見えるのですが、それを自身の作品にしてしまったものです。
6文字あるネオンが消えたり点いたり。でも絶対に ”ニューアカオ” 全部が点くことはないというところがポイントですね。
この写真の時はアとカしか点灯していません。
▲この時はアとオ。
▲全部消える瞬間も。
あのニューアカオ全盛の頃のパーフェクトな時間は決して戻らないという意味かなと思うんですけどね。
松田将英
小金沢健人の巨大な ニューアカオのネオンの下のフロアにおかしな笑顔が見えたと思います。
それが松田将英(まつだ まさひで)の「The Big Flat Now」。
▲つい先日の「六本木アートナイト」で東京ミッドタウンで天井からぶら下げられていたのものとたぶん同じです。
ただ天井の高さが足りないのでちょっと横に潰れた感じになっています。
また六本木アートナイトの時はARでメッセージが表示されるようになっていましたが、この会場ではARはありませんでした。
▲その代わり、これはアーティストも意図していなかったと思うのですが、会場のシャンデリアが作り出すガラスの影がバルーンにまだら模様を描いていて、まるで草間彌生のかぼちゃみたい。
こうして見るとあのThe Big Flat Nowの見た目の印象がまた変わります。
鈴木昭男
大御所とか安易な言葉は絶対に使いたくないアーティスト、鈴木昭男の作品もありました。
▲場所はここです。The Big Flat Nowのある部屋のバルコニー。
作品名は「点音 “o to da te” in ニューアカオ」。
海沿いの断崖。どんな音が聴こえるのでしょうか。
飯川雄大
同じフロアには隈研吾によるCOEDA HOUSEの模型や金氏徹平のユニットCMTKの作品なども展示されているのですが、まず飯川雄大(いいくら たけひろ)の作品を。
▲作品というのは観客参加型のインスタレーション「デコレータークラブ 新しい観客」です。
鑑賞者がこの《ベリーヘビーバッグ》(めっちゃ重いバッグ)を展示会場から別の展示会場へ移動する行為自体が作品です。
今回はATAMI ART GRANT 2022と、いま飯川雄大の「デコレータークラブ」展を開催している箱根の「彫刻の森美術館」との間を移動させるのがミッションです。
熱海や箱根でこのベリーヘビーバッグを運んでいる人を見かけたら、その人自体も作品ですからしっかり鑑賞してみましょう。
MANTLE
旧館2Fのメインダイニング錦へ続く通路には映像アートユニット「MANTLE」の映像作品が流れています。
▲伊豆半島はマントルの影響で日本列島に食い込み続けていますが、その根っこにあたる部分が熱海。
この地下ではマントルの壮大な動きがあるのです。
といった映像です。
▲それにしても劇的な空間!
単なる通路なんですけどね。
このスクリーンの左側をまっすぐ進めばメインダイニング錦、右側を進んで階段を登れば屋上庭園です。
右と左、まずはどちらを選びますか?
Lamya Gargash@メインダイニング錦
左へ進めば、かつてのメインダイニング錦。
▲訪問したのはすでに夜なっていたので、暗い中での鑑賞です。
とにかく広く巨大なダイニング。昭和の観光ホテルではこうした施設の巨大さを誇って、それがまた客寄せになっていたのですね。
▲このダイニング錦に展示されている作品は、中東はUAE(アラブ首長国連邦)出身の女性アーティストLamya Gargash(ラミア・ガーガッシュ)のインスタレーション作品です。
椅子と写真、それとたぶん照明まで含めての作品だと思います。
暗いメインダイニング錦の中央部に劇的な空間を創出していました。
▲それにしても巨大な空間。
ここは昼間の明るときにも訪問したいですね。
大きなガラス窓の向こうには相模湾が見えて、ダイニングもラミア・ガーガッシュの作品もまた別の表情で鑑賞できると思います。
藤田クレア
MANTLEの映像作品の右側を進んで階段を上ると踊り場にまずあるのが福田クレアの作品。
▲「Whispers – ver. Tami -」。
鉱石ラジオですね。
▲これは「Weight of Power – prototype 01 -」。
棒がクルクル周って石が落ちたら音が鳴る。そんな作品です。
Lucas Dupuy@屋上庭園
屋上庭園にはイギリスの現代アーティストLucas Dupuy(ルーカス・デュピュイ)の「another time」
▲訪問したの夜だったので、立体作品は分かるものの、そこに施されているだろうペインティングがよく見えませんでした。
また、もしかすると屋上庭園のランドスケープ自体も手を入れているかもしれません。
屋上庭園とルーカス・デュピュイの作品を鑑賞するなら、絶対明るいうちに訪問してくださいね。
藤倉麻子
メインダイニングのある2階フロアには多くのアーティストがスペースを取って作品を展示しています。
その一人が藤倉麻子。映像作品で知られますが今回はインスタレーション。
▲作品名は「温室製作者の足跡を辿る温室夢想者の部屋」。
温室をテーマにメタな存在の存在性を証明するようなインスタレーションということですね。
森山泰地
旧ニューアカオ時代には カパルアプールというプールだった場所には、パフォーマンスなどでも知らる森山泰地(もりやま たいち)の「濡れることについて/About Get Wet」というインスタレーション。
▲スポットライトが当たっている部分から時々スプリンクラーで水が吹き出ます。
またプールの窓の外には目の前に相模湾が広がっているので、いつかその景色も観てみたいものです。
Hashel Al Lamki
HOTEL ACAOの1Fから連絡通路で旧館にやってくると、そこは旧館15F。
崖の上がHOTEL ACAOで下が旧館なので、両者を繋げると地上階と最上階同士が繋がりますからね。
旧館15Fにも見どころいっぱいです。
▲旧館の「サロン・ド・錦鱗」で展示されているのはUAE(アラブ首長国連邦)の画家Hashel Al Lamki(ハシル ・アル・ラムキ)の作品です。
作品もだけど、それ以上に凄いのがサロン・ド・錦鱗の空間。
床、シャンデリア、天井そして熱海港の向こうに見える熱海の100万ドルの夜景。
本来はバンケットホールにでも利用されていたのでしょうが、なぜかその空間とハシル・アル・ラキムの作品がベストマッチ。
▲アラブ系作家なのにモチーフはなぜかヴィーナス。
西洋文明を受け入れざるを得ないアラブの悲哀というアラビアのロレンスみたいなジレンマなんでしょうか。
Lucas Dupuy
屋上庭園にもルーカス・デュピュイの作品がありましたが、15Fにも。
▲畳の広間の壁に立て掛けられた作品と窓に貼られた作品で、タイトルは「Seashore instrumental」。
同じような表現のペインティングが屋上庭園の立体作品に施されているはずです。
森貴之
東京だと六本木アートナイト2018の天祖神社でのインスタレーションが記憶に残る森貴之の作品も15Fです。
▲まるで映画「トロン」の世界に迷い込んだかのような不思議な視覚的効果。
単に蛍光テープを貼ってあるだけだと思うのですが、まるで初期のコンピュータ3Gの世界みたいです。
▲極度に単純化された線や造形が、逆に今の時代では新鮮に感じるのが不思議です。
CMTK (金氏徹平&森千裕)
金氏徹平と森千裕のユニット、CMTKは数多くの作品を出展しています。
▲様々写真のコラージュからなる作品はたぶん森千裕のもの。この近くには金氏徹平の作品も置かれていて、たぶん2つで1つの作品なのだと思います。
見る角度によって内容が違って見えるので、見る角度を変えながら鑑賞してみてください。
田中勘太郎
旧館1階の大浴場跡を使った田中勘太郎のインスタレーション。
▲作品名は「rip ⇔ tide」
撮影禁止な富安由真のエリアとはちょうど反対側になります。
台車と写真が置いてあります。向こうの扉も閉まっているしここで終わりかと思わず、さらに進んで奥の扉を開けてください。
▲浴場の脱衣所に展開される怪しいインスタレーション。ただ光っているだけでないので、しばらく滞在してみてくださいね。
赤い光といえば最近、国立新美術館で玉山拓郎のインスタレーションを観ましたが、あの作品よりはいい意味で下世話な感じです。
▲海が見える展望風呂の部分にもインスタレーションが行われています。
GROUP
GROUPというのは建築コレクティブの名称。
ATAMI ART GRANTの会場にもなっている「薬膳喫茶gekiyaku」の土地で見つかった温泉浴場跡をヒントに、IF(もしも)を重ねた考察を重ねてそこにあった温泉宿を再現します。
▲プロジェクトを解説するスライド。
▲そして架空の浴室をエア手入れするという映像作品「浴室の手入れ」。
▲これがその温泉浴場跡。薬膳喫茶gekiyakuに行けば実物を見ることができます。
岸裕真
こうした手の込んだ作品をもう一つ。
人工知能(AI)を用いてデータドリブンなデジタル作品や彫刻を制作する岸裕真(きし ゆうま)の「Tide / Time」。
▲夜なのでちょっと分かりづらいですが、洞門の手前に見える白い物体がその作品です。
溶ける塩化物で出来ているので、潮の満ち引きや波のしぶきで海水がかかる度に少しづつ溶け出してその姿を消していく作品なのだそうです。
AIだデジタルだというわりに儚い作品なのですね。さらにデジタルデータという1か0かの世界を具現化した作品なのに、その姿は自然界の偶然に支配されるというのも考えさせれらます。
内田涼
最後にHOTEL ACAOの1Fロビーにある「ACAOロビーミュージアム」に展示されている作品を紹介します。
ただHOTEL ACAOが所有するアート作品とATAMI ART GRANT 2022出展作品が混在してい展示されています。
またATAMI ART GRANT 2022のACAO会場受付もこのロビーミュージアム内にあります。
▲これはATAMI ART GRANT 2022出展作品。
内田涼「ベア・アンド・スネイク・オン・ザ・ロータス」という作品です。
NTsKi
音楽、写真、映像などマルチな領域で活動するアーティストNTsKi。
▲その「Orca 01」から「Orca 03」までの作品。
鈴木ヒラク
鈴木ヒラクはもう中堅も脱しつつあるアーティスト。
▲その作品が2点展示されていますが、鈴木ヒラク作品はおそらくHOTEL ACAOの常設展示作品だと思います。
▲河野未彩(かわのみどり)も2点。写真右がそうでタイトルは「COLOR to 宇宙」。
これは端から端まで移動しながら動画を撮ると面白いですよ。
他にも何点か作品が展示されています。HOTEL ACAOはギャラリー機能も持っているようで、いくつかの作品は購入可能でした。購入可能かどうかはキャプションに書いてあるので、もし気に入って手に入れたい作品があったら確認してみましょう。
ATAMI ART GRANT とHOTEL ACAOの楽しみ方
もの凄い量の作品を紹介したような気がしますが、それでもHOTEL ACAOで展示されている作品の半分以下です。
さらにATANI ART GRANT全体に対しては1/3にもなっていないと思います。
HOTEL ACAO会場の展示作品をしっかり鑑賞するなら1日がかり。ATAMI ART GRANT全体をしっかり観るなら泊りがけで熱海に行って2日は必要でしょう。
▲ニューアカオ時代は熱海城の真下で錦ヶ浦というイメージもあって、昭和のおじさんたちが好きな”高級観光ホテル” ぽくてピンとこなかったのですが、HOTEL ACAOとしてアートも観られるホテルと考えれば、ここを拠点にATAMI ART GRANTを楽しむのも良さそうです。
▲熱海の市街地のホテルに泊まるのも良いのですが、実はそれだと熱海の夜景が観られないという欠点があるんですよね。
アートと夜景でHOTEL ACAOを選ぶか、市街地に泊まって昭和レトロな熱海も合わせて探索してみるか、いろいろ悩ましいところです。
それにしても、ATAMI ART GRANTがこんなにしっかりしたアートイベントだとは正直思っていませんでした。新進若手の新作を中心に多くのアーティストと作品に触れられる機会。東京からのアクセスも良いですし、都内の美術館に気軽に行く感覚で熱海まで足を延ばすのも良いかと思います。
東海道線でも新幹線でも簡単に熱海まで行けちゃいますし、渋滞を考えなければクルマでのアクセスも便利ですし。
またATAMI ART GRANT開催中の週末にはHOTEL ACAOも含むいくつかの会場を巡る東京発のアートバスツアーも企画されています。バスツアーについては後編で紹介します。
イベント基本情報
ATAMI ART GRANT 2022 〜〜 渦 – Spiral ATAMI 〜〜
11:00 〜 18:00 (11月から3月は16:00まで) 鑑賞パスポート 大人 3,500円、学割 3,000円 (一部、無料で鑑賞できる場所もあり) アクセス:JR東海 東海道新幹線熱海駅、東海道本線/伊東線 熱海駅
ATAMI des BUS ART Tours (アテミデスバスアートツアー) 2022年11月5日(土)、11日(金)、12日(土)、19日(土) 11:00新宿駅西口工学院前集合、熱海市内でアート鑑賞後HOTEL ACAOで17時解散 料金は中学生以上 9,800円 (七尾旅人スペシャルツアーは19,800円) 食事は付きません。また東京新宿から熱海への片道です。帰路は各自手配が必要です。 予約は東海バスのホームページから |
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