恵比寿のアートスポットNADiff a/p/a/r/t (ナディッフ・アパート)は、NADiff /ナディッフ直営のアートショップやNADiff Gallery/ナディッフギャラリーがあるだけでなく、上階には現代美術のギャラリーMEMやPeaple、スクールデリック芸術社会学研究所などが入っており、建物一棟丸ごとアートスポットです。
![恵比寿のアートスポットNADiff a/p/a/r/t](https://i0.wp.com/www.artarchi-japan.jp/wp-content/uploads/2022/10/IMG_0211.jpg?resize=650%2C867&ssl=1)
1階のナディッフ恵比寿本店はアート関連書籍の品揃えとしては日本一かもしれない専門書店、地下のギャラリーはエッジの尖った現代美術アーティストたちの発表の場として固定ファンも多いです。
しかし恵比寿に移転して15年が経ち、アート潮流や時代に合わせた変化、そしてインディペンデントからCCCカルチャーコンビニクラブ傘下へという経済的な事情もあったのでしょう、2023年9月に初めてのリニューアルが行われました。
PRNADiff a/p/a/r/t
「NADiff a/p/a/r/t」は、1996年に創業され、翌1997年には表参道に「NADiff/ナディッフ」としてショップがオープンしました。
その約10年後の2008年に今の恵比寿に移転し、その際に店舗名を「ナディッフ アパート・NADiff a/p/a/r/t」に改名しています。
![恵比寿のアートスポットNADiff a/p/a/r/t](https://i0.wp.com/www.artarchi-japan.jp/wp-content/uploads/2022/10/IMG_8657.jpg?resize=650%2C867&ssl=1)
▲入り口に立つ赤いポール。
なんでも鳥居をイメージしたのだそうです。恵比寿だけに恵比寿様で商売繁盛という気持ちが込められているのかもしれません。
設計デザイン
2008年に移転オープンした恵比寿のNADiff a/p/a/r/tの内装は長坂常率いるスキーマ建築計画によるものです。
そういう目で見てみるとスキーマらしさ、長坂常らしさがあちこちに見て取れます。
![恵比寿のアートスポットNADiff a/p/a/r/t](https://i0.wp.com/www.artarchi-japan.jp/wp-content/uploads/2022/10/IMG_0194.jpg?resize=650%2C867&ssl=1)
▲リニューアル前の店内です。常に展示やイベントを開催され頻繁にレイアウトなどが変更されていたので、ショップオープン時の姿を窺い知ることはできません。
▲リニューアル後は書籍の売り場が思い切り減らされ、かつてのアート専門書店としての威容は感じられません。
その代わり、壁面がギャラリースペースとして拡張されています。
▲以前は書籍棚がずらっと並んでい壁がギャラリーの作品展示用壁に生まれ変わっています。
でも逆に2008年のオープン当時の姿に戻っているのかもしれません。
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▲地下のギャラリーへは店内のこの螺旋階段を降りて鑑賞します。
全面ガラスのこの空間は天井が高く、とても開放的です。
ファサードが全面ガラスなので、外からよく見えるここのスペースも今後はギャラリースペースとして利用されることになります。
展示内容は地下のギャラリーとの連動企画だったり、個別の内容だったりその時によって様々です。
▲また、この大きなガラス面に絵が描かれていることもあります。
これまでに大山エンリコイサムや淺井裕介の作品がこの大きなガラス面で観られました。
![恵比寿のアートスポットNADiff a/p/a/r/t](https://i0.wp.com/www.artarchi-japan.jp/wp-content/uploads/2022/10/IMG_0218.jpg?resize=650%2C867&ssl=1)
上階へは、階段でも行けますが、エレベーターもあります。
階段の天井部分に吊るされているのは長坂常デザインの照明KURAGEです。
KURAGEは2階にも3階にも設置されています。
書店ラインナップ
以前はとにかくアートブックとアートグッズとアート作品が、店内に溢れんばかりにたくさんたくさん置いてありました。
![恵比寿のアートスポットNADiff a/p/a/r/t](https://i0.wp.com/www.artarchi-japan.jp/wp-content/uploads/2022/10/IMG_0209.jpg?resize=650%2C488&ssl=1)
▲これはリニューアル前の書店エリア。
書籍も作品集、写真集は洋書も含め多くありましたし、まずアート関連なら何でもかんでも揃っているような書店で本好き、アート好きどちらも満足させるラインナップでした。
残念ながらリニューアル後の書店エリアは大幅縮小されています。出版不況はアート専門書にも押し寄せているのでしょうか。
今ナディッフを運営しているCCCカルチャーコンビニクラブとしては、専門書は代官山のT-SITEに揃えてあるからそちらでどうぞということなのでしょうね。あそこではお目当ての書籍を探すのも大変でしょうけど。
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NADiff Gallery
リニューアルで拡張されたのがNADiffギャラリーです。
以前は地下の展示スペースだけでしたが、前述のようにリニューアル後は1階の書店スペースの一部がギャラリースペースとなりました。
▲これは地下の展示スペース。
リニューアル後の杮落としは加賀美健の「ミニマリズム」展での様子です。作品がミニマムなのでホワイトキューブにしか見えませんがこの写真には作品が3点写っていいます。
▲そして1階の展示スペース。
▲この ”WALL PAINTING” と描かれた壁も展示スペースです。
これは加賀美健の作品なので通常は白い展示壁になっています。
![恵比寿のアートスポットNADiff a/p/a/r/t](https://i0.wp.com/www.artarchi-japan.jp/wp-content/uploads/2022/10/IMG_0196.jpg?resize=650%2C488&ssl=1)
▲NADiff Galleryでは常時企画展を開催しています。
普通のギャラリーよりも展示替えのサイクルが早い気がします。
恵比寿で新進気鋭の現代美術の作家の作品が鑑賞できる貴重なスペースの一つです。
私は、ここでChim↑Pom/チンポムや宮永愛子をはじめ、有名無名問わず、立体、平面、映像、インスタレーションなどさまざまな展覧会を鑑賞しています。
かなり狭小スペースではありますが、毎回展覧会をチェックしてなるべく見に行っています。
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NADiff Window Gallery
地下のギャラリーだけでなく、隙間があればそこはギャラリーというのがNADiffです。
ここは店の入り口の共用部ですが、ウィンドーギャラリーとして、いつも展覧会を開催しています。
![恵比寿のアートスポットNADiff a/p/a/r/t](https://i0.wp.com/www.artarchi-japan.jp/wp-content/uploads/2022/10/IMG_0210.jpg?resize=650%2C488&ssl=1)
店内ギャラリー
このスペースをなんというのかわかりませんが、レジ横の壁の棚でも常時様々な展示&販売を行なっています。
このスペースは平面、立体を問わず小品が多く、お値段もお手頃なのが魅力です。
というわけで、アートブック、アートグッズの販売だけでなく、常に店内のありとあらゆる場所で展覧会が開催されています。
平積みの書籍の上に作品があったこともあります。
1回行くだけで、複数のアーティストの個展を一度に鑑賞できちゃうお得なスポットです。
NADiff への行き方
NADiffは恵比寿駅から歩いて7分ほどです。
東口を出て恵比寿東公園通称タコ公園から続く道を広尾方面へ歩きます。
その時の右折するポイントが分かりにくいので写真付きで解説します。
NADiffの先は行き止まりなので、ここからしか行けません。
![恵比寿のアートスポットNADiff a/p/a/r/t](https://i0.wp.com/www.artarchi-japan.jp/wp-content/uploads/2022/10/IMG_0191.jpg?resize=650%2C867&ssl=1)
▲後方に恵比寿東公園(タコ公園)、左側はマンションなどが並びますが、その裏側には渋谷川が流れています。
電信柱にNADiffの看板がありますので、まずはこれが目印。
写真に写っている緑色のクリニックの看板の手前の道を右折します。
![恵比寿のアートスポットNADiff a/p/a/r/t](https://i0.wp.com/www.artarchi-japan.jp/wp-content/uploads/2022/10/IMG_0190.jpg?resize=650%2C867&ssl=1)
▲右折しても、まだ店舗は見えません。不安になっても進みましょう。
写真に写っている車の先を左折します。そうすると右側にあるのがNADiff です。
![恵比寿のアートスポットNADiff a/p/a/r/t](https://i0.wp.com/www.artarchi-japan.jp/wp-content/uploads/2022/10/IMG_5643.jpg?resize=650%2C867&ssl=1)
さぁ、着きました!上階のギャラリーも地下のギャラリーも入口は1カ所です。
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その前身と現在
NADiffの前身は西武のアールヴィヴァンで、西武百貨店の文化事業撤退を機に西武でアールヴィヴァンを創設した芦野公昭氏が(株)ニューアートディフュージョンを設立しました。
ちなみにNADiffはNew art diffusionの略です。
恵比寿のショップは本店の位置付けで、支店として東京都写真美術館にNADiff BAITEN、東京都現代美術館にNADiff contemporary 、水戸芸術館にContrepointがあります。渋谷のBunkamuraにもNADiff modernがありましたが、それは2023年4月で閉店しています。
2021年に残念ながら創業者の芦野公昭氏が逝去しました。そして時を同じくして(株)ニューアートディフュージョンは、あのTSUTAYAの会社CCC/カルチュア・コンビニエンス・クラブの傘下に入ります。
ですから、現在NADiffの運営会社はCCCです。
ということは同じく傘下に入った美術手帖とNADiffは今やグループ会社なんですね。
時代というか、なんというか、いやはやなんとも言えませんね。
運営会社が変わりリニューアルも行われましたが、以前から通っている者としては今後の展開にさらに期待が高まります。そして相変わらず本好き、アート好きにはたまらないスポットです。
基本情報
NADiff a/p/a/r/t
渋谷区恵比寿1丁目18−4 MAP アクセス:恵比寿駅東口出口から徒歩約7分 |
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