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たまらなく美しくて儚い SHIMURAbros(シムラブロス)「見かけの虹- Specious Rainbow」東京画廊+BTAP


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2018年のポーラミュージアムアネックスでの展覧会を見てから気になっていたSHIMURA brosの個展が開催されているというので早速、銀座の老舗画廊東京画廊+BTAPに行ってきました。

SHIMURAbros(シムラブロス)というのは、そのままSHIMURA brothersのことで、姉ユカと弟ケンタロウの姉弟によるアートユニットです。

2人は2014年からオラファーエリアソンが主宰するスタジオオラファー・エリアソン(Studio Olafur Eliasson /SOE)の研究員でもあります。

SHIMURAbros(シムラブロス)「見かけの虹- Specious Rainbow」東京画廊+BTAP

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見かけの虹- Specious Rainbow

東京画廊+BTAPで行われている個展は、光学ガラスを用いた作品で、これまでの映画の一光景を切り取った<Trace Sky>シリーズを発展させた最新作です。

私がこれまで見てきた光学ガラスは、無色透明で、その中に光や反射で時折虹色のプリズムが見えるというものでしたが、SHIMURA brosの作品の光学ガラスはとても綺麗な色彩をもっています。

ガラスの透明感と、とんでもない彩度を持った鮮やかな色彩が放つ魅力は、見るものをひきこみ虜にする不思議な魔力を持っています。

また、鮮やかで強い色彩でありながら、それは現象であって留めておくことができない儚さが、たまらなくギャップ萌えな作品でもあります。

それは、SHIMURAbrosの全ての作品に通じる魅力かもしれません。

SHIMURAbros(シムラブロス)「見かけの虹- Specious Rainbow」東京画廊+BTAP

▲ギャラリーのメインスペースには、壁面に円形の作品が4点、床置きで半円形の作品が1点です。

SHIMURAbros(シムラブロス)「見かけの虹- Specious Rainbow」東京画廊+BTAP

▲床置きの台座の上の半円形の作品「見かけの虹-習作3」は、入口側から見ると赤系の色彩ですが、反対側にまわると爽やかなブルーです。

見入ってしまう美しさと共にミステリアスでもある作品群です。

SHIMURAbros(シムラブロス)「見かけの虹- Specious Rainbow」東京画廊+BTAP

▲一番大きい作品「見かけの虹-無限」は見ていると中に吸い込まれそうなくらい深い色彩を放っています。

紺、赤、緑が絶妙に混ざじりあっています。

SHIMURAbros(シムラブロス)「見かけの虹- Specious Rainbow」東京画廊+BTAP

▲小品3点は、右から紺、赤、緑の色を帯びています。タイトルはそれぞれ「見かけの虹-紺青」、「見かけの虹-緋色」、「見かけの虹-常磐緑」です。

SHIMURAbros(シムラブロス)「見かけの虹- Specious Rainbow」東京画廊+BTAP

▲半円の赤のフレームにおさめられ、美しい色彩をみせています。

あまりの美しさに作品に近づいくと、そこに自分の姿が映り込んでギョッとして一気に現実に引き戻されます。

SHIMURAbros(シムラブロス)「見かけの虹- Specious Rainbow」東京画廊+BTAP

▲奥のミーティングスペースにも1点作品が展示されていました。

室内の様子が映り込み、ホワイトキューブにはない面白さがでています。

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オラファー・エリアソン

作品を見るとやはり、2014年より2人が研究員として在籍しているスタジオオラファーエリアソンの影響は否定できません。

コロナ禍で延期の末に2020年6月にようやく開催された東京都現代美術館での展覧会「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」でも色彩豊かな同心円の作品「人間を超えたレゾネーター」がありました。

SHIMURAbros(シムラブロス)「見かけの虹- Specious Rainbow」東京画廊+BTAP

▲構造は全く異なる作品ですが、現象によって浮かび上がる鮮やかな同心円の色彩が見せる美しさというのは共通しています。こじつけかな。

東京都現代美術館のオラファー・エリアソン展の時、パンデミックで作家本人は来日することができず、スタジオのスタッフがだけが来日して設営したと聞きました。日本語ができるSHIMURA brosも来日して展示設営していたんでしょうかね。気になる。

▼スタジオオラファーエリアソンの共同キッチンの本です。お二人もこの料理を食べてるんですね。いいなぁ。

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映像作品

SHIMURA brosにとって映像作品は重要な表現手段の一つです。

今回の個展でも光学ガラスの作品だけでなく、映像作品も1点出品されています。

SHIMURA BROS CHASING THE LIGHT

▲映像作品は「CHASING THE LIGHT」2017年です。映像の長さは7分なので全部鑑賞可能です。

たまたま、私はヘッドフォンをつけて割とすぐに一番の爆音がするシーンだったので、すごくびっくりしてしまいました。

タイミングが合うようなら最初から見た方がいいかもしれません。

過去の作品

SHIMURA brosの過去に見た展覧会を2つほど。

SHIMURA bros TRACE-SKY Floating Cloud

▲2018年銀座のポーラミュージアムネックスで開催した「Seeing Is Believing 見ることは信じること」の時の展示作品「TRACE-SKY Floating Cloud」

この展覧会は、インスタレーションと映像作品で構成された個展でした。

shimura bros Half Moon, Daylight, Clouds

▲こちらも2018年ポーラミュージアムアネックスで展示された作品「Half Moon, Daylight, Clouds」

Shimura bros TRACE – ROAD – Wall Street

▲2021年に六本木ヒルズで開催されたグループ展「CADAN ROPPONGI presented by Audi」に出品された作品「TRACE – ROAD – Wall Street」(左)。

右の平面作品は今井俊介。

この時のグループ展の様子は▼

東京画廊は外光が入るスペースではないので、何時に訪問しても同じような条件で作品を鑑賞することが可能です。

確認したところ写真撮影可能ということでした。

ベルリンに拠点を持つ2人の東京での個展、見逃したらもったいないです。

まだまだ、2人の活動を追い始めてから日が浅いのですが、今後もSHIMURA brosに注目していきたいと思います。

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基本情報

SHIMURAbros 見かけの虹- Specious Rainbow

2023/1/14–2/18

12:00-18:00 日月祝休

東京画廊+BTAP

中央区銀座8丁目10−5 MAP

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