名和晃平の個展「Focus」は、2022年12月で閉廊が決まっている銀座三愛ビルのRICOH ART GALLERY/リコーアートギャラリー最後の展覧会です。
名和晃平は彫刻の「表皮」に着目し、セル(細胞、粒)という概念を元に作品制作を行うアーティストです。
今回の展覧会は名和晃平がリコーアートギャラリーの運営母体である事務機器や光学機器メーカーリコーの立体印刷技術「StareReap」を使って制作した新作12点が発表されます。
RICOH ART GALLERY/リコーアートギャラリー
2021年4月オープン予定が、コロナ禍で延期され2021年6月に開廊したリーコーアートギャラリーも今回の名和晃平の個展「Focus」を最後にクローズします。ギャラリーが入る三愛ビルはグループ会社のビルなのでこんなに早くクローズしてしまうとは驚きました。
リコー株式会社が持つ2.5D印刷技術「StareReap」とアーティストの協働を紹介する、まさにアートとテクノロジーの融合を実現する画期的な場所でした。
当初より期間限定だったということですが、現代美術を積極的に紹介するスペースがなくなるのは残念です。
名和晃平展
今回の展覧会は新作12点で構成され、会場は8階のみです。全て作品はリコーの印刷技術StareReapを用いています。
モノクロームの作品群は2点で対をなす作品が5組あります。
▲対をなす作品は全て同じサイズで61.8 x 110 x 2cmあるいは110 x 61.8 x 2cmです。
▲5組のタイトルは全て「Ray」
▲奥にある2点だけちょっと他とは異なります。
▲他の作品より少し大きい「Field」まるで地表のような、鉱物を顕微鏡で見たような不思議なマチエールです。
▲「Lens」見てるだけで表面が揺らめくような錯覚を覚える作品です。
今回の展覧会、リコーアートギャラリーが最後は名和晃平展の開催を切望したというだけあって力が入っていました。
作品点数は決して多くはありませんが、リコーの印刷技術StareReapと名和晃平の作品世界が見事に融合した展覧会です。
最後のギャラリー空間で名和晃平の世界を堪能しましょう。
9階から見下ろす銀座の風景が見られなかったのがちょっと残念です。
基本情報
名和 晃平 個展「 Focus 」
2022年12月13日(火) – 12月24日(土) 12:00 – 19:00 日月祝休 中央区銀座5丁目7−2三愛ドリームセンター 8階・9階 MAP |
一緒に見よう名和晃平の金と銀
銀座蔦屋書店と丸の内仲通りでも名和晃平の作品を鑑賞することができます。
偶然にも金色と銀色に輝く作品です。
まずは銀色の作品からご紹介。
▲三菱地所が主催する丸の内ストリートギャラリーに設置された名和晃平のアルミニウムでできた作品「Trans-Double Yana(Mirror)」2012年
丸の内ストリートギャラリーでは、丸の内の仲通りや三菱一号館美術館を中心に名和晃平を含めた国内外のアーティスト16人による16点のアートが見られます。
数年おきに作品の入れ替えも行われ、丸の内を散策しながらアートを身近に感じることができます。
丸の内ストリートギャラリー
千代田区丸の内2丁目 名和晃平作品は丸ビル前 |
▲GINZA SIX 6階の銀座蔦屋書店内に展示されているのは金色に輝く作品「Throne (g/p boy) 」2017年です。
最新の3Dモデリングシステムと漆と金箔でできていて、現代の技術と伝統工芸技術が融合した作品です。
リコーアートギャラリーからGINZA SIXは徒歩3分程でとても近いので一緒にみたい作品です。
銀座蔦屋書店
10:30~21:00 (不定休) 中央区銀座6丁目10-1 GINZA SIX 6F MAP |