京都八瀬にある瑠璃光院は、その窓から見える借景とリフレクションの美しさで有名な場所です。京都の中心部からは少し離れていますが、毎年期間限定で一般公開される特別拝観の期間には、全国から数多くの観光客が訪れることでも有名です。特に秋の紅葉の時期は筆舌に尽くし難い美しさです。
そんな美しい瑠璃光院ですが、このブログでは誰も教えてくれない瑠璃光院の現実について書いていきたいと思います。
PR瑠璃光院へのアクセス
京都駅から烏丸線に乗り終点の国際会館駅で下車、1番出口の階段の目の前、宝ヶ池通り沿いにあるバス停から京都バス19系統の大原行きに乗車し約6分ほどのバス停八瀬駅で降りて徒歩約10分弱です。
八瀬バス停からは、来た道を少し戻り、一つ目の信号のあるT字路を左折します。左折してからは案内もありますが、高野川沿いのとても気持ちいい道なので、案外すぐに瑠璃光院に到着します。
この時、帰りのバスの時刻をチェックしておいた方がいいです。京都と言ってもここはかなり郊外ですから、市内のように次から次へとバスがくるわけではありません。
高野川の清流が気持ちいい▼
拝観する前に
こちらは春の拝観期間の6月の平日の午前中の様子です。この日は平日なので並んでいる人は少なめですが、行列を整理するロープを見るに、週末はディズニー並みの行列を覚悟して行ったほうが良いようです。
まずは、拝観前にここに並んで検温消毒を済ませて、いざ瑠璃光院へ!となります。
拝観料は階段登った門の中に受付がありますのでそこで支払います。▼
山門
山門周りの樹々は紅葉なので、秋になったらすごいことになりそうです。
ゆっくり、落ち着いて眺められるのならいいけれど、入る前から行列用の凄まじいロープを見ちゃうと、秋に来るのは断念せざるを得ません。
PR参道
拝観料を納めて瑠璃光院へ向かう参道の階段周りが既に美しいです。▼
新緑の美しさが目に眩しい。▼
参道の階段をぐんぐん登ります。門から思いのほか距離がありました。▼
池にかかる橋を渡ると書院の入り口が見えてきました。▼
池では色とりどりの鯉がお迎えしてくれます。小さな滝から流れる清流の音と新緑の効果で心身とも浄化されるような気がします。▼
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旅館だった寺院
この場所は元々政治家の田中源太郎(1853年 – 1922年)が所有しており、田中が当地に構えた庵に「喜鶴亭」と命名をしたのが始まりです。この喜鶴亭の名は現在も茶庵に引き継がれています。
田中源太郎の死後、この土地は京都電燈重役の個人別荘でした。現在の建物と庭園は、大正末期から昭和にかけて造られたものです。
数寄屋造りの建物は京数寄屋造りの名人と称される中村外二が手掛け、自然を借景とした瑠璃の庭は佐野藤右衛門一統によるものとされています。
ここまでのことは案内にも書かれています。▼
京都電燈は、現在の叡山電鉄叡山本線や叡山ケーブルを開設し、これら鉄道・軌道事業は1942年設立の京福電気鉄道に引き継がれました。その際に別荘も京福電気鉄道の手に渡り、高級料理旅館「喜鶴亭」として営業されます。
料理旅館が廃業することとなって、光明寺が買収し、寺宝を移して本堂を設置し、2005年に寺院として再生しました。
本坊は岐阜市にある浄土真宗無量寿山光明寺で、ここの支院はまだ17年しか経っていないとても新しい寺院です。
また、竹山聖設計でその個性的な姿が話題の新宿瑠璃光院も支院の一つです。
詳細は当ブログの「なんだこれは!竹山聖設計 新宿瑠璃光院 白蓮華堂に行ってみた。」を参照ください。
書院へ
中に入るとビニール袋を渡され自分の靴はその袋にいれて中へ入るように促されます。
案内の通りまずは2階へ。例の机の天板のリフレクションが美しいスポットの混雑がすごいので反対側の窓から緑を眺めます。▼
瑠璃光院の現実
▲上の写真の反対側がどうなっているかというと▼
机の天板前の写真撮影ベスポジ待ちの人々で溢れています。平日でこれですから、週末はどうなっちゃうのでしょうか。特に紅葉の季節は半端なさそうですね。
それではまずは瑠璃光院の美しい写真の数々を見ていただきます。SNSやいろんなところで目にするこのおなじみの美しい風景。
まずは障子と水平のポジションから。▼
位置を変えて対角線上のポジションから。▼
天板だけでなく廊下もツヤツヤに磨かれているのでここでもリフレクションが。▼
静かで美しい、まさに静謐という言葉が浮かびますが‥‥。
それでは次はこの写真を撮影しているのはどんな感じか見てください。
誰も明かさない瑠璃光院の現実です。▼
この部屋にいるスタッフの方が「カメラを机に置いて天板の映り込みと一緒に風景をお撮りくださーい」って大声で説明していて笑ってしまいました。まぁ確かにその通りなんだけど。
階下へ降りる階段の踊り場は誰もいませんでした。天井がボッテガ・ヴェネタ編みで綺麗です。▼
PR瑠璃の庭
1階からは瑠璃の庭がとても美しいです。
2階の机の部屋よりも、ここの方が落ち着く空間でした。ただ単に人の密度の問題かもしれませんが。▼
瑠璃の庭を眺めながらお茶をいただくこともできます(有料)
廊下のリフレシクションが美しい。書院から眺めるだけで庭に出ることはできません。▼
瑠璃の庭の現実
美しいものには棘がある。とはちょっと違いますが、思っていた雰囲気と真逆だったので、すごく面白くなってしまって、混雑しているところを結構わざわざ写真に納めてしまいました。▼
この部屋は皆さん滞留時間が短いのでゆっくり眺めることができました。▼
灯籠の苔!▼
2階へは最初に行くので少々混み合いますが、その後はバラけてくるので、最初に受けた混雑の印象は段々解消されてきます。
瑠璃光院ではお茶をいただいたり、写経をすることもできます。私はどちらもやっていないため、1時間弱の見学で終了しました。
混雑がすごいとは聞いていましたが、想像以上に、よく見る写真のイメージと瑠璃光院の現実にギャップがあってそれがとても面白かったです。
というか、そういう楽しみ方をするしかないような気もしないでもないです。午前中じゃなくて、逆に閉まるギリギリに行ったりすると空いてるのかな?
瑠璃光院から徒歩3分ほどの叡山電鉄叡山本線の八瀬比叡山口駅。
帰りは、これに乗ってみたかったけれど、時間的にも行き先的にも違いすぎたので断念しました。▼
秋、真っ赤に染まった楓の借景とリフレクションもみてみたいけれど、ちょっと怖気付いてしまいます。紅葉の時期は、それなりの覚悟を持っていくしかないですね。
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基本情報
10時~17時(受付終了16時30分)拝観料2000円 拝観期間中無休
京都府京都市左京区上高野東山55 MAP
アクセス:叡山電鉄八瀬比叡山口駅下車 徒歩5分、比叡山ケーブル八瀬駅下車 徒歩5分、京都バス八瀬駅前下車 徒歩7分