世田谷美術館へ
世田谷美術館での「アイノとアルヴァ 二人のアアルト」展は以前竹中工務店ギャラリーA4(エークワッド)と、竹中大工道具館で行われた第二弾に続く本展としての展覧会です
元世田谷区民だったので高校生の頃から訪れている親しみのある美術館ではあるのですが、広大な世田谷区の中で(私にとっては)かなり奥にあるので、最近はめっきり足が遠のいている世田谷美術館です。
今回ブログを書くに当たっていつ行ったのが最後だろうと調べたら、なんと!2016年夏のアルバレス・ブラボ写真展「メキシコ、静かなる光と時」以来だったので、実に5年ぶりの訪問だったわけです。自分でもびっくりしました。その時の写真▼
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アアルト展
アアルト展というと2018年9月から神奈川県立近代美術館で開催され、その後名古屋市美術館、東京ステーションギャラリー、青森県立美術館と巡回した「アルヴァ・アアルト――もうひとつの自然」展が記憶に新しいところです。
神奈川県立近代美術館の展覧会風景▼
しかし、今回のアアルト展はこの巡回展ではなく、竹中工務店にあるギャラリーA4(エークワッド)で2019年に開催された「アイノとアルヴァ 二人のアアルト 建築・デザイン・生活革命」と、昨年竹中大工道具館で行われた第二弾「アイノとアルヴァ 二人のアアルト 建築・デザイン・生活革命木材曲げ加工の技術革新と家具デザイン」が先行展示でした。
ギャラリーA4の展覧会図録。これは世田谷美術館でも販売していました。▼
もちろん、神奈川県立近代美術館でのアアルト展もギャラリーA4の二人のアアルト展も鑑賞しましたが、残念なのはコロナ禍での開催だった竹中大工道具館の展覧会には行けなかったことです。
しかし、今回の世田谷美術館の展覧会は、竹中大工道具館で開催された展覧会も網羅されていることがわかりました。よかった〜。
ギャラリーA4で展示されていたアアルト自邸に飾ってあった曲木のオブジェ。二人の名前入り。▼
予約制
世田谷美術館の展覧会は事前予約制です。当日券も用意はされているようですが、週末に行く場合は予約をして行った方が安心です。
予約は1時間刻みになっているので、ジャストの時間が混み合います。なぜなら検温や消毒も美術館入り口で係の方監視のもとに行うからです。私は週末の開館時間10時〜の予約をしていて10:05頃到着で5分ほど並びました。
撮影について
冒頭にこのような家具のシチュエーション展示が2カ所あります。そこは撮影可能ですが、展示室は全部で7つの章に分かれており、そのうち1ー4章は撮影禁止です。
展示室入り口のartek、iittala全面協力と思われるシチュエーション展示1▼
展示室入り口のシチューエーション展示2▼
展示会場平面図▼
5章から撮影可能です。▼
ギャラリーA4のAR
撮影禁止の1−4章にある展示は前半がギャラリーA4での展示、後半の曲木についてが竹中大工道具館と同じ内容です。
これは撮影可能だったギャラリーA4の様子です。手前のヘルシンキ工業デザイン博「最小限住宅展」の展示は全く同じ物が世田谷美術館で観られます。奥のアアルト自邸のARについては世田谷美術館には出ていません。これがすごくよくできていて面白かった。もしかしたら端末を借りて体験するので、コロナの影響で出品されてないのかもしれません。そうだとしたら大変残念です。▼
ギャラリーA4内に実寸で作られたアアルト自邸リビングとダイニングの一部に端末をかざして歩き、ARで自邸の空間を仮想体験をすることができるという優れもの。これすごい面白かったです。もう1回やりたい。▼
世田谷美術館のAR
ギャラリーA4に比べるとなかなか・・・・です。アアルト実寸自邸などあるはずもなく、壁と展示台に図面とかスケッチがあり、そこのQRコードからまずはデータをDLしなければなりません。そうです。自分のスマートフォンにです。これが時間がかかるので、嫌になってしまい立ち去る人多数。
ようやくDLが終わってパネルや展示台に端末をかざすとこんな感じのARが見られます。▼
これがスクリーンショットです。▼解説はyoutubeマークから解説映像を見るという仕組み。なかなかまどろこっしい。結構、ここに居座っていじっていましたが、ほとんどの人がスルーでした。
7章は1939年ニューヨーク万国博覧会のフィンランド館の模型とそのデザインを踏襲したブースデザインでアアルトの家具や照明を鑑賞します。
エピローグでは、各々が描いた絵画や二人の写真、そしてテキスタイルデザインのためのスケッチなどが展示されています。
アアルトというとアルヴァが注目されがちですが、今回はタイトルにあるようにアイノとアルヴァの二人にスポットを当てた展覧会です。おそらく、我々が思っている以上にアイノの仕事は多く、アイノなくしてアアルトは語れないと思います。
今は二人共亡くなってしまいましたが、現代美術家のクリストは最初作家名「クリスト」でプロジェクトをやっていましたが、妻ジャンヌの協力なくして作品は成立しないので、ある時からクリスト&ジャンヌ・クロードという連名に変わりました。
アアルトもこれからはアイノ&アルヴァ・アアルトでいいんじゃないですかね。
アイノとアルヴァ 二人のアアルト
フィンランド―建築・デザインの神話
2021年3月20日(土・祝)~6月20日(日) 10:00~18:00 月休
事前予約制、一部撮影可能