兵庫県の瀬戸内海に浮かぶ安藤忠雄設計のTOTOシーウィンド淡路は、建設時はTOTOのセミナーハウスとして建てられた建築だ。しかし、現在はTOTOの関係者ではない一般も利用できる宿泊施設となっている。
というわけで淡路島建築巡りの旅の宿泊先は迷わずTOTOシーウィンドに決めた。
なんと言っても安藤忠雄建築だということが一番の理由だが、海を見渡すことができるコンクリートの巨大なバルコニーやフロントスペースにある巨大バルコニーまでの大階段をこの目で見たかったし、体感したかったからだ。
何より安藤忠雄の手掛けた大階段とライブラリーが合体していて、さらにその大階段の先には雄大な海が見えるなんてそうそうあるシチュエーションではない。
ここは宿泊施設なので、宿泊しない人が見学できるのかどうかや、どこまで入ることができるのかなどについての詳細はわからない。
わざわざ淡路島まで東京から訪ねたなら、やっぱり泊まらないと意味がないだろう。
というわけで、昼も夜もこの空間に身を置くことができた。どこへ行っても同様だが、やっぱり海を眺めるなら早朝だ。宿泊したのなら早起きして朝焼けで紅色に染まる海と空から、だんだんと青い空と青い海に変化していく様をゆっくりと眺めたいものだ。
TOTOシーウィンド淡路のコンクリートのバルコニーからの眺めは最高だ。
また、淡路島には安藤忠雄建築が他にも複数あるのが魅力だ。
まず、同様のホテルとしては巨大な安藤忠雄建築の淡路夢舞台の中にあるグランドニッコー淡路。こちらは宿泊してないので、ロビー空間などの共有部にしか入っていない。もし淡路島に連泊するならTOTOシーウィンド淡路とグランドニッコー淡路と連泊して安藤建築を比較してみるのも面白いだろう。
さらに、水盤の下に本堂があるという非現実的な本福地水御堂も是非訪れておくべき安藤忠雄建築だ。
こんなことを書いていたらまた淡路島建築めぐりの旅がしたくなってきた。
やっぱり島巡りというのは旅先として最高のシチュエーションだし、島巡りで目を見張るような感動的な建築とたくさん出会えるなんて夢のような時間だ。
近所にある建築に何度も何度も訪れて春夏秋冬、朝昼晩と訪れるのも建築巡りの醍醐味だが、旅の醍醐味として訪れた時が出会いの時という一期一会な建築もまた格別だ。