愛知県にある谷口吉生設計の端正で美しい美術館建築豊田市美術館を久しぶりに訪ねたので、岐阜県まで足を伸ばして二つの建築を巡りました。
ひとつは、独創的な建築で知られる建築史家でもある藤森照信が手がけた「多治見市モザイクタイルミュージアム」です。
まずはここからレポートします。

多治見市モザイクタイルミュージアムとは
モザイクタイルミュージアムがある多治見市は、施釉磁器モザイクタイル発祥の地にして、全国一の生産量を誇ります。
そんな多治見市が、笠原町につくったモザイクタイルの博物館が多治見市モザイクタイルミュージアムです。
開館は2016年、藤森照信の設計による建築です。

多治見市モザイクタイルミュージアムの建築
実際に訪れるまで、写真は見たことがあったけれど、一体どんな場所にどのくらいの規模で建っているのか全くわかってませんでした。
訪れてみるとそこは普通の街中でした。イメージとしては秋野不矩美術館やラコリーナ近江八幡のような山中ではなかったのが驚きです。

車で向かったら、ちょうど裏側が先に見えてきました。裏側からでも普通じゃない建築であることはわかります。
そして、駐車場に車を停めて、小走りで博物館へ。
思っていたよりも小ぶり(どんだけデカい設定?)でしたが、いかにも藤森照信建築でかわいい。多治見市モザイクタイルミュージアムの公式HPにも書かれていますが、「見たことがないのに、なつかしい」この言葉につきます。
正面から見るとぺったりと平面的で、小さな博物館なんだわと思い込んでしまいました。
それは、正面からだと各階に窓があるわけではないので、何層の建物なのかがわかりにくいのです。
で、最初に小ぶりと表現しましたが、これが大間違いでした。中に入るとなんと4階建!れっきとした博物館だったのです。
山の稜線のようなシルエットに草がチョロチョロ生えているのが、漫画の世界のようでかわいい。

もう、外観をこの目で見ただけで8割方満足しました。
この可愛らしさにノックアウトです。かわいいから、小ぶりに感じてしまうんですよね。そこは損しているのかな!?
訪れたのが、冬だったので、周囲の芝と建物が一体化していました。
もし、再訪するならば次回は芝生が緑の季節のこの建築を見てみたいです。
多治見市モザイクタイルミュージアムで見られるものは?
御伽話に出てくるような木製の扉を開けて中に入ります。
内部の有料エリアの順路は、まず階段で最上階まで上がり、上から下へ鑑賞しながら降りてくると言うコースが推奨されていました。もちろん、その通りにまずは階段で最上階まで。

最上階まで登る階段も藤森ワールドです。

最上階である4階は、藤森照信がセレクトしたモザイクタイルの世界です。
天井には大きな穴が開いていて、空が見えます。そこから蜘蛛の巣のようにモザイクによる網が貼られています。

よく見るとモザイクやその破片によって構成されています。

▲他にもなんだかなつかしいタイルのお風呂。親戚の家で入ったことがあるなぁ。
3階から下はモザイクの博物館らしい内容で、タイルの製造工程やその歴史を参考資料や実際のモザイク、映像などで知ることができる展示となっています。
多治見市モザイクタイルミュージアムはどこにある?
多治見市の笠原町にあるモザイクタイルミュージアムは、隣には多治見市消防本部、前には多治見市笠原中央公民館、その横には多治見市図書館笠原分館と多治見市笠原体育館があります。
要するに笠原町の公立施設が集まっている場所に博物館も建っています。
私たちは車でアクセスしましたが、公立施設が集まっているので共同の大きな駐車場があります。
また、多治見駅からはバスが出ているようです。駅からバスで20分くらいで到着するようです。

▼藤森照信建築
基本情報
多治見市モザイクタイルミュージアム
開館:2016年 開館時間:9:00 – 17:00 休館日:月曜日、年末年始 観覧料:310円 住所:岐阜県多治見市2082-5 MAP アクセス:JR東海 多治見駅からバスで約17分、自動車の場合は中央道多治見ICから約25分、東海環状自動車道 土岐南多治見ICから約15分。 |