ルーヴル美術館展 愛を描く
乃木坂・六本木の国立新美術館で「ルーヴル美術館展 愛を描く」が2023年3月1日から開催中です。
この展覧会ではルーヴル美術館のコレクションから人間の根源的な感情である「愛」をテーマに精選した作品73点が展示されています。ルーヴル美術館の知名度、興味深いそのテーマに加え春休みということもあり、平日でも入室待ちの長い行列ができている人気の展覧会です。
ルーヴル美術館展の会期は2023年6月12日までですが、暖かくなった3月の休みを利用して訪問しようと考えている方も多いと思います。
せっかく六本木、乃木坂の国立新美術館を訪問したならルーヴル美術館展だけでなく、新美術館そのものやすぐ近所の名所も一緒に楽しんでしまいましょう。愛をテーマにした絵画を鑑賞した後に、別の愛を感じてみるのはどうでしょう。
PR展示内容
古代ギリシャ・ローマとキリスト教という西洋文明のルーツの愛をみる「プロローグ」、主にギリシャ・ローマ神話の愛を描く「第1章 愛の神のもとに」、キリスト教的な愛を描く「第2章 キリスト教の神のもとに」、現実世界の世俗的な愛を描く「第3章 人間のもとに」、19世紀フランスの恋愛とロマン主義の悲劇を描いた「第4章 19世紀フランスの牧歌的恋愛とロマン主義の悲劇」。この5セクションから構成されています。
どのセクションにもルーヴル美術館収蔵の傑作絵画が展示され目を楽しませてくれると思います。
なお写真撮影も動画撮影も原則禁止。第4章だけ撮影可能です。
鑑賞時間は展示点数が73点とコンパクトなので早い人なら1時間、じっくり鑑賞しても2時間あれば十分だと思います。
鑑賞のための注意
国立新美術館は3フロアにわたる巨大な美術館ですし、特にルーヴル美術館展は混雑も激しいので鑑賞のための注意点もいくつか挙げておきます。
▲1E展示室の入室待ちの行列です。これは平日の11時過ぎ、11時の回で入室しようとしている人たちです。
日時指定の事前予約を推奨していますし、実際事前予約しておくとスムーズかつ確実に入室できます。
新美術館は六本木側と乃木坂駅側に入口があって、乃木坂駅から来た場合はまずこの行列を目にするはずです。
▲六本木側から入るとルーヴル美術館展が行われている1Eは美術館の一番奥になります。
▲当日券売り場は六本木側入口から入ってすぐ。
見ていると当日券はまだ余裕があるみたいですね。
ただゴールデンウィークの時期や会期末は当日券も難しいかもしれません。こういう人気の展覧会は後半どんどん混雑が激しくなるので、思い立ったら早めに訪問してしまうのが良いです。
▲これは平日の11時45分ころ。
すでに12時の回の入室待ちの人たちで長い行列が出来ています。でもまだ折り返すほどではないので、ここに並んでいるお客さんたちは12時になればすぐ入れたはずです。
だいたい日時指定予約した時間の15分前くらいに到着するか、思い切り時間をずらして予約した時間帯の後半に到着するようにした方が良さそうです。もちろん入れ替え制ではないので、遅く到着したからといって鑑賞時間が短くなることはありません。
また展示室内はエアコンディショニングされていますし、人も多いので暑いです。コートなど上着は脱いでロッカーに入れておくのがお勧めです。この際なので鑑賞前にリュックなどもロッカーに入れる習慣にしちゃいましょう。暑さを気にしたり人に荷物をぶつけないよう気を使うより、身軽な方が自然体で鑑賞することができますよ。
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ミュージアム・カフェ、レストラン
ルーヴル美術館展の後は国立新美術館のミュージアムカフェで感想会などどうでしょう。
新美術館には地下1階から3階まで各階に1つづつ、計4つもカフェやレストランがあります。
サロン・ド・テ・ロンド
国立新美術館内には逆円錐形のコーンが大小2つあって、その小さい方の上部に乗るフレンチカフェ「サロン・ド・テ ロンド」。
▲フロアとしては2Fになります。
コーヒー、紅茶などドリンクが1杯800円前後。カフェなのでドリンクだけの利用もOKです。
ルーヴル美術館展開催中はコラボメニューの特別ケーキセットも用意されています。
ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ
逆円錐形のコーンの大きい方が「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」。フロアでいうと3Fになります。
2Fのロンドと同系列ですが、こちらは手頃なフレンチレストランです。
▲ロンドと違って内装も豪華です。
手頃といっても本格フレンチのひらまつ系列なので、ランチで3,000円くらいからという価格帯です。
ルーヴル美術館展開催中はコラボメニューとして特別ランチコース 6,600円と特別ディナーコース 8,800円が用意されています。
カフェ・コキーユ
1Fにはオープンカフェの「カフェ・コキーユ」。
一番手頃なカフェです。
▲館内アトリウムにもテーブルがありますが、天気が良い日はテラスがおすすめです。
館内の席もテラスの席も、気兼ねなくゆっくりお喋りができますよ。
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国立新美術館
実はこの国立新美術館の建築自体も巨大な芸術作品と言ってよいかもしれません。
▲世界的な建築家で、最近はその代表作「中銀カプセルタワービル」の解体が話題になっている黒川紀章氏の最後の美術館建築がこの国立新美術館なのです。
新美術館へ六本木側からアプローチすると、このウネウネとして曲線の巨大な建造物に圧倒されると思いますし、内側からそのガラスを見ると有機的な曲線の美しさがよく分かります。
また建物左右の端にはデザインされた階段があったりします。展覧会を離れて建築探索するのも楽しいと思います。
デンマークデザインの名作椅子
国立新美術館のもう一つのみどころがデンマーク製の名作椅子の数々。
▲国立新美術館内に設置されている名作椅子は、その数と種類が豊富な上に、その名作椅子に実際に座ることができるのですから嬉しい限りです。
例えばここポール・ボキューズの前にも、いわゆる名作と言われるイスが何気なく置かれています。ポール・ボキューズ店内ではセブンチェアとスワンチェアが使われています。
こうした家具というより工芸品である椅子を館内で見つけてその座り心地を確かめてみてください。
国立新美術館の椅子についてはこちらの記事が詳しいです。
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ねずみっけ
ルーヴル美術館展は2023年6月12日までですが、ほぼ同時期の5月29日まで、現代アートの「ねずみっけ」が国立新美術館内で展開されています。
▲女性アーティストの「築地のはら」のアニメーションや映像、プロジェクションマッピングを組み合わせた「ねずみっけ」という作品です。
アトリウム中をカワイイねずみのアニメーションが駆けずり回る様子は見ていて微笑ましいです。残念ながらこの作品に気づく人は少ないのですが、ミュージアムコーンに投影されたりしているのでぜひ見てみてください。
スマホを使ったAR作品も含まれているので、スマホでしか見られない映像もぜひどうぞ。
▲乃木坂駅から国立新美術館に直結する通路にも「ねずみっけ」のアニメーションがプロジェクションマッピングされているので、乃木坂駅からアプローチする方はお見逃しなく。
「ねずみっけ」が見られる場所やARの操作方法はこちらの記事に詳しいです。
ねずみがどんな動きをするのかは動画を参照ください。▼
桜の季節の国立新美術館
これもあまり知られていませんが、国立新美術館と隣接する「政策研究大学院大学」は桜の名所です。
▲毎年3月20日前後から4月第1週にかけては政策研究大学院大学の構内の桜が満開になります。
これは国立新美術館の前庭からも見ることができます。
ルーヴル美術館展を鑑賞に行くなら、その桜の時期に合わせると良いかもしれないですね。
▲例年だと政策研究大学院大学の構内に入って(大学なので自由に入れます)、自然の桜と現代建築とアートを見ることが出来るのですが、残念ながら2023年は政策研究大学院大学の施設工事が行われる関係で構内に入構できません。
新美術館側から政策研究大学院大学側の桜を眺める鑑賞になります。
続いて新美術館の外側からその建築を見てみましょう。
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青山公園 南地区
2023年2月にオープンしたてホヤホヤの「青山公園 南地区」。
▲ここからは建築家、黒川紀章最晩年の傑作「国立新美術館」のほぼ全景を見ることができます。つい最近開園した場所なので、ここのアングルから新美術館を見た人も少ないですし、写真も少ないはずです。
この公園は新美術館のテラスからも見えますが、公園のここまで入るには新美術館の西門を出て環状3号線を渡って青山公園に入る必要があります。
でも芝生や人工芝の丘、それにベンチなどもあって建物を見たりベンチで休んだり、ノンビリ時間を過ごせます。
この公園が出来るまでの複雑な経緯やアクセス方法の詳細はこちらの記事が詳しいです。
銀座ウエスト青山ガーデン
続いて国立新美術館近くのお勧めスポットです。
六本木や東京ミッドタウン方面へ出れば普通に繁華街で何でもあるのですが、青山霊園側に出てみるのはどうでしょう。
▲銀座ウエストの店舗の一つ「青山ガーデン」。
ここは新美術館の西門から出て徒歩3分です。
常に混雑しているのが難点ですが、時間に余裕があるならここでお茶やコーヒーとケーキ、パンケーキなどでお腹を満たすのも良いかも。
テラス席は快適ですし、新美術館のレストランの半分以下の料金でお腹いっぱいになれます。
青山ガーデンのすぐ先には青デニで知られる「デニーズ南青山店」がありますが3月23日で閉店。さらにその先には「Share Green」がありカフェ代わりに使えます。
青山霊園
国立新美術館の西門から出た先には青山霊園(青山墓地とも)があります。
▲ここも桜の季節には絵に書いたような桜のトンネルができて目を楽しませてくれます。
墓地なのでどんちゃん騒ぎはできませんが、その代わり交通量も少ないですしゆっくり散策しながら桜を愛でる、本来のお花見が出来る場所で強くおすすめるポイントです。
国立新美術館からも徒歩3分です。
ここまで紹介してきたように、ルーヴル美術館展を鑑賞するなら季節のお勧めは3月中旬から4月上旬の桜の季節。
展覧会を鑑賞したらカフェやレストランでひと休みしながら感想を語り合ったり噛みしめたり。さらに黒川紀章の傑作建築を内部から鑑賞しながら北欧の名作を探して座ってみたり。
館外に出て政策研究大学院大学に桜を見てから青山霊園に移ってさらに桜を見るも良し、青山公園から国立新美術館の全景を見るもよし。そして最後は青山ガーデンでお腹いっぱいになるまでおやつタイム。1日でこんな充実した時間を過ごせてしまいます。
基本情報
2023年3月1日(水)~2023年6月12日(月) 毎週火曜日休館
(3月21日、5月2日は開館) 10:00~18:00 金・土曜日は20:00まで
入場料:一般 2,100円、大学生 1,400円、高校生 1,000円、中学生以下無料
予約は日時指定の事前予約推奨。当日券枠もあり。
国立新美術館 企画展示室1E
港区六本木7-22-2 MAP
アクセス:東京メトロ千代田線乃木坂駅改札6出口(美術館直結)、東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩約5分、都営地下鉄大江戸線六本木駅7出口から徒歩約4分
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