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ハニワと土偶と近代展と一緒に鑑賞したい 東京国立近代美術館のMOMATコレクション展とフェミニズム展


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東京メトロ東西線竹橋駅から徒歩3分、皇居のお堀が目の前、北の丸公園とも隣接していて、大都会にありながら、緑豊かな場所にある東京国立近代美術館の所蔵作品展「MOMATコレクション」は見応えのある作品がいっぱいです!

原田直次郎の《騎龍観音》、和田三造の《南風》といった日本の近代絵画の代表作で重要文化財にも指定されている作品を手軽に鑑賞することができます。

また「ハニワと土偶の近代」展にも作品が展示されている芥川(間所)沙織の小特集なども行われています。

所蔵作品展 MOMATコレクション, 2024, 東京国立近代美術館, Photo by 建築とアートを巡る

しかも、金曜日と土曜日は夜間開館が実施され通常17時で閉館する美術館が20時まで開いています。

さらに!17時以降は入場料金も割引なんです。

階下の展示室で開催している「ハニワと土偶の近代」展のチケットでも鑑賞できるのですから、これを見逃す手はないですね。

東京国立近代美術館 所蔵作品展MOMATコレクション
「ウォール・ドローイング#769 黒い壁を覆う幅 36インチ(90cm)のグリッド。角や辺から発する円弧、直線、非直線から二種類を体系的に使った組み合わせ全部。」ソル・ルウィット, 東京国立近代美術館, Photo by 建築とアートを巡る
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所蔵作品展 MOMAT コレクション

東京国立近代美術館(National Museum of Modern Art, Tokyo)が開館したのは今から71年前の1952年です。

ちなみに現在の建物は谷口吉郎設計によるもので、その費用はブリヂストン(アーティゾン美術館)の石橋正二郎が出しています。すごい!

これまで71年間の活動を通じて収集してきた13,000点を超える膨大な所蔵作品の中から、会期ごとに異なるテーマを掲げ、そのテーマに則した約200点を展示するのがコレクション展です。

掲載写真は全て2024.年9月3日(火)から12月22日(日)の「所蔵作品展 MOMATコレクション」の展示作品です。

都市の裂け目, ゴードン・マッタ=クラーク, 1976, 東京国立近代美術館, Photo by 建築とアートを巡る

▲チリのアーティスト、ゴードン・マッタ=クラークの「都市の裂け目」。

1975年制作のヴィデオ作品です。チリでマッタという名字で分かるように、シュルレアリスムの作家ゴードン・マッタの息子です。

向き合うように宮脇愛子の「作品」が展示されているところかも所蔵作品展というレベルを超えた質の高さが分かります。さすが東京国立近代美術館。

所蔵作品展 MOMATコレクション, 2024, 東京国立近代美術館, Photo by 建築とアートを巡る

▲日本の女性前衛芸術家の先駆者、芥川(間所)沙織は「生誕100年 芥川(間所)紗織」として小特集が組まれています。

ハニワと土偶の近代展で展示されているろうけつ染の「古事記より」とは違う、油彩表現の作品です。

河原温、奈良原一高といった同時代の作家の作品も展示され充実しています。

全12室ある展示室では「シュルレアリスム100年」や「モデルたちの生誕・没後数十年」といった小特集もあります。

全部見て回ると軽く1時間を超えると思います。もし疲れたら東京国立近代美術館のシンボル的な「眺めのよい部屋」でひと休みするのも良いでしょう。

眼の前には皇居、遠くに東京タワーや虎ノ門ヒルズに麻布台ヒルズも展望できる、まさに眺めのよい部屋です。

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フェミニズムと映像表現

2階のギャラリー4では「フェミニズムと映像表現」という小展覧会が開催されています。

フェミニズムと映像表現, 2024, 東京国立近代美術館, Photo by 建築とアートを巡る

1960年代から70年代にかけてヴィデオカメラなど新しいテクノロジーとそれを使った新しいメディア表現が登場します。

この展覧会ではフェミニズムの時代に新しいメディアを駆使して様々な問題に取り組んだり、新しい表現形態を模索した女性アーティストたちの作品が展示されています

フェミニズムと映像表現, 2024, 東京国立近代美術館, Photo by 建築とアートを巡る

▲中央の作品はダラ・バーンバウムの「テクノロジー/トランスフォーメーション:ワンダーウーマン」。

映画にも「ワンダーウーマン」シリーズがありますが、これは70年代にリンダ・カーター主演で制作されたTV版「ワンダーウーマン」を素材にした作品です。

フェミニズムと映像表現, 2024, 東京国立近代美術館, Photo by 建築とアートを巡る

▲展示室内に設置されたモニターに映像が上映されていて、短いものは5分、長いものは75分です。

本展で作品が見られるのは、ダラ・バーンバウム、マーサ・ロスラー、出光真子、遠藤麻衣×百瀬文、キムスージャ、ジョーン・ジョナス、リンダ・ベングリス、塩田千春の8組。

フェミニズムと映像表現, 2024, 東京国立近代美術館, Photo by 建築とアートを巡る

▲全部見ると2時間半かかります。

そんなに時間がないという人に便利なのが会場隅に掲示されているこのチャート。

関心のある作品を見つけるためのチャートです。気になるワードを選んでいくと興味に一致する作品が見つけれます。これは斬新な試みです。

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常設作品

所蔵作品展以外に、常設されている作品もあります。主に彫刻作品です。

東京国立近代美術館
左:「Chiaroscuro」多田美波 右:「門」イサム・ノグチ

屋外には、最近青色に塗り替えられた巨大な立体イサム・ノグチの「門」など彫刻作品が設置されています。

東京国立近代美術館 
「七つの祈り」木村賢太郎

▲竹橋駅側に休憩スペースそばに設置されている彫刻作品

東京国立近代美術館 
「あるイメージの構想」マリオ・マリーニ

▲木村賢太郎作品と並んで自転車置き場の方に設置されている屋外彫刻

東京国立近代美術館
「反映/思索」アントニー・ゴームリー

▲館内にも常設作品があります。

2階の窓際に佇む大男の作品は、アントニー・ゴームリーの作品です。

東京国立近代美術館 所蔵作品展MOMATコレクション
「ウォール・ドローイング#769 黒い壁を覆う幅 36インチ(90cm)のグリッド。角や辺から発する円弧、直線、非直線から二種類を体系的に使った組み合わせ全部。」ソル・ルウィット

▲一部屋丸ごと作品化されているのはソル・ルイウィットの作品です。観賞用に置かれている椅子は柳宗理のバタフライスツールですね。

これら作品は常設なのでいつ行っても鑑賞することができます。

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眺めのいい部屋

4階にあるなんとも魅力的な名前の部屋には、アート作品はないのですが、4階から見る皇居と東京の景色がアートです。

私が所蔵品展を2階から段々上に上がって見ていく理由はここにあります。

東京国立近代美術館 眺めのいい部屋
東京国立近代美術館 眺めのいい部屋 ハリー・ベルトイアのサイドチェアが並ぶ

最後にこの部屋で東京の景色を見ながら、ひと休みをするのがルーティンだからです。

是非、東京国立近代美術館4階からの雄大な東京の眺めをご堪能ください。

ごくたまにイビキがこだまするくらい寝入っている人を見かけることもありますが、それはご愛嬌ということで。

現在開催中の「ハニワと土偶の近代」展について▼

美術館内のあちこちにある名作椅子の数々▼

イサム・ノグチの「門」の色▼

基本情報

所蔵作品展 MOMATコレクション (2024.9.3–12.12)

フェミニズムと映像表現

会期:2024年9月3日(火)~ 12月12日(日)

開館時間:10:00–17:00(金土は20:00まで開館)

休館日:月曜日(ただし10月14日、11日4日は開館)

チケット:一般 500円、大学生 250円、高校生以下無料。
17時から割引(金土曜) :一般 300円、大学生 150円

ハニワと土偶の近代展のチケットでも鑑賞可能

会場:東京国立近代美術館

住所:千代田区北の丸公園3−1MAP

アクセス:東京メトロ東西線「竹橋駅」 1b出口より徒歩3分、東京メトロ東西線・半蔵門線・都営新宿線「九段下駅」4番出口より徒歩15分、東京メトロ半蔵門線・都営新宿線・三田線「神保町駅」A1出口より徒歩15分

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