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「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」サンローランの仕事を紐解く大回顧展を国立新美術館で


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千代田線乃木坂駅直結の国立新美術館で開催されている「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」を見てきました。

「モードの帝王」没後日本で初の大回顧展開催!として大変話題になっているイヴ・サンローラン展もそろそろ会期終盤を迎えます。

師走で忙しくなる前にファッションの世界を堪能してみるのはいかがでしょうか。

「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」国立新美術館, 2023年
「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」国立新美術館, 2023年
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イヴ・サンローランとは

東京都現代美術館でとんでもなく話題になったクリスチャン・ディオール展でも印象的だったイヴ・サンローランの生涯をその仕事を通して紐解く展覧会です。

イヴ・サンローランは、クリスチャン・ディオールの急死を受け、1958年にディオールのデザイナーとして注目を浴びました。イヴ・サンローラン21歳の時です。

1962年には自身のブランド「イヴ・サンローラン」を立ち上げ、2002年の引退まで約半世紀にわたって世界のファッションシーンを牽引しました。

現在では定番となっていますが、当初は男性の装いだったサファリ・ルック、パンツスーツ、ピーコート、トレンチコートなど、数々のメンズアイテムを通じて女性たちのファッションに革新をもたらしました。

21歳の鮮烈なデビューから、大成功をおさめた初のコレクション、美術作品や舞台芸術への影響、そして独自のスタイル確立までのイヴ・サンローランの40年間に渡る歴史を、262点のアイテムを12章に分けて鑑賞できる展覧会です。

展示品には、110体のルックをはじめとして、アクセサリーやドローイング、写真などイヴ・サンローランが手がけた様々な仕事を俯瞰で鑑賞することができます。

この展覧会はイヴ・サンローラン美術館パリの全面協力よって実現した大回顧展です。

「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」国立新美術館, 2023年
「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」国立新美術館, 2023年

0章から11章まで

展覧会は11章まであるのですが、0章から始まるので全部で12章の構成です。

0章はイヴ・サンローランの幼少期の写真やペーパードール、自作の漫画やクリスチャン・ディオール在籍時に手がけたシャツドレスなどを見ることができます。要するに自身の名を掲げたオートクチュールメゾンイヴ・サンローランを立ち上げてからが1章で、クリスチャン・ディオール時代とそれ以前が0章にまとめられています。

特に印象に残ったのは、2章の「イヴ・サンローランのスタイル アイコニックな作品」です。

現在では、ユニセックスが当たり前のトレンチコート、ピーコート、ジャンプスーツやタキシードですが、元々はメンズの定番だったこれらスタイルを女性のファッションに取り入れたのはイヴ・サンローランです。そのことを裏付けるような展示になっています。

「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」国立新美術館, 2023年
「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」国立新美術館, 2023年

アーティストへのオマージュ

ここでは9章を取り上げたいと思います。別荘を持っていたモロッコのマラケシュをのぞき、あまり積極的に旅に出ることはなかったイヴ・サンローランは、読書で世界を旅したという言葉がありました。

もしかするとアーティストとの出会いも同様だったのかもしれません。

「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」国立新美術館, 2023年
カクテルドレスーピート・モンドリアンへのオマージュ「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」国立新美術館, 2023年

まだ、ピート・モンドリアンが今ほど知られていなかった頃に画集で目にしたモンドリアンの絵画をドレスに見立てたモンドリアンルックを発表したのは1965年です。

ちなみに世田谷美術館で2023年11/18から個展が始まる倉俣史朗が「モンドリアンへのオマージュ(モンドリアン賛)」という家具を発表するのはこの10年後の1975年です。

「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」国立新美術館, 2023年
《アイリス》ーフィンセント・ファン・ゴッホへのオマージュ「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」国立新美術館, 2023年

モンドリアンをはじめとして、ゴッホ、ピカソやブラック、マティスにボナールなどのアート作品のオマージュが並びます。

ブラックの作品によく登場する鳥やギターなどのモチーフや、ゴッホの独特の筆使いなどが豪華なビーズやリボンで表現されており、今となってはオマージュというよりアートそのものです。

「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」国立新美術館, 2023年
イブニング・アンサンブルのジャケットーピエール・ボナールへのオマージュ「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」国立新美術館, 2023年

これら豪華なドレスを着用する機会は残念ながらなさそうですが、高身長の私はトレンチやピーコートなどのサンローランが女性のファッションに取り入れてくれたメンズアイテムが大好きなので、いつかサンローランのアイテムを身につけてみたいです。

音声ガイドを聞きながら

普段美術展ではほとんど聞くことはありませんが、今回閉館後に行われた内覧会では無料で音声ガイドが借りられたためガイドを聞きながら鑑賞してみました。

10年ほど前にジャリル・レスペール監督の映画「イヴ・サンローラン」をみていたので知った気になっていましたが、よくよく考えるとあれはイヴ・サンローラン自身にスポットを当てた映画で、主にサンローランとベルジュとの関係が描かれたヒューマンドラマでした。

「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」国立新美術館, 2023年
上:ジョルジュ・ブラックへのオマージュ、下:パブロ・ピカソへのオマージュ「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」国立新美術館, 2023年

今回の展覧会はイヴ・サンローラン美術館パリの所蔵品による、イヴ・サンローランの仕事そのものをカテゴリーに分けて見られる大回顧展です。

知った気になっていたけれど、音声ガイドを聞きながら丁寧に見ていくとへぇーとかなるほど!と思うことが多々あり、ガイドを聞きながら鑑賞してとても良かったです。

「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」国立新美術館, 2023年
「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」国立新美術館, 2023年

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写真撮影について

イヴ・サンローラン展は撮影禁止です。

しかし、9章の「アーティストへのオマージュ」の展示室のみ撮影可能です。

今、国立新美術館で見られる展覧会

大巻伸嗣「真空のゆらぎ」

渡辺篤「アイムヒアプロジェクト」

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基本情報

イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル


2023年9月20日(水) ~12月11日(月)

10:00~18:00 金土20:00まで 火休館

チケット料金

当日:一般 2,300円、大学生 1,500円、高校生 900円

前売り:一般 2,100円、大学生 1,300円、高校生 700円

前売りチケットはこちら

国立新美術館 企画展示室1E

港区六本木7-22-2 MAP

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