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今話題の練馬区立牧野記念庭園 内藤廣設計の記念館へ行ってきた!


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練馬区立牧野記念庭園はNHKの連続テレビ小説「らんまん」のモデルである植物学者、牧野富太郎博士が暮らした自邸跡地を牧野富太郎逝去の翌年より一般公開している記念庭園で、現在も約300種類の草木が生育している庭園です。

庭園と言ってもいわゆる手入れされた観賞用の庭園ではなく、牧野富太郎博士らしい伸び伸びと育つ数多くの草花が見られるガチな庭園です。

その牧野記念庭園にある記念館は、建築家内藤廣が設計した建物です。

NHKのドラマを見て訪問するもあり、植物目当てで訪問するもよし、そして、建築目当ての訪問もありです。

植物博士牧野富太郎自邸跡にある練馬区立牧野記念庭園
植物博士牧野富太郎自邸跡にある練馬区立牧野記念庭園
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牧野記念庭園はどこにある?

日本の植物分類学の父とされる牧野富太郎博士が、練馬の大泉に居を構えたのは1926年(大正15年)です。それから1957年(昭和32年)94歳で逝去するまで30年に渡りこの地で暮らしました。現在も残る自邸の庭を「我が植物園」と名づけて大切にしていたんだそうです。

牧野記念庭園は、西武池袋線の大泉学園駅の南口から徒歩で約5分という便利な立地にあります。今でも長閑な住宅街なので、牧野富太郎が暮らしていた頃の大泉学園駅周辺は、牧歌的な場所だったのではないでしょうか。

というのも牧野博士が大泉学園に住み始める2年ほど前の1924年に西武池袋線の大泉学園駅は開業したのです。

開業時は武蔵野鉄道の東大泉駅でした。現在の大泉学園という名称になるのは1933年で、1945年には武蔵野鉄道の合併・改称に伴い、西武農業鉄道となります。

植物博士牧野富太郎自邸跡にある練馬区立牧野記念庭園
庭園入り口

牧野記念庭園には何があるの?

牧野博士が暮らした元自邸は残っていませんが庭園は今も保存されています。現在の牧野記念庭園にある建物は2010年リニューアルオープン時に建てられたものです。

これらの建築は、牧野博士の郷里である高知県にある高知県立牧野植物園の設計を手がけた内藤廣によるものです。もともと高知県立牧野植物園の建築を1999年に内藤廣が手がけていますから、おそらくその流れで練馬の方も設計されたのだと思います。

植物博士牧野富太郎自邸跡にある練馬区立牧野記念庭園
庭園マップ

▲牧野記念庭園には3つの建物があります。

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講習室

庭園入り口にある講習室は、牧野博士に関する映像の上映が行われています。

植物博士牧野富太郎自邸跡にある練馬区立牧野記念庭園
内藤廣設計 講習室と事務所棟

▲右側が事務所、左側が講習室です。

植物博士牧野富太郎自邸跡にある練馬区立牧野記念庭園
内藤廣設計 講習室と事務所棟

▲庭園の自然と馴染むような優しい曲線と温かみのある木の組み合わせが牧野博士らしい佇まい

植物博士牧野富太郎自邸跡にある練馬区立牧野記念庭園
屋根の曲線が優しい

▲講習室では牧野博士の映像を鑑賞できます。現在は、建ってから時間が経過していますが、新築の時からこの庭に馴染んでいたような気がします。

自然豊かな牧野博士の庭園に、ずっと前からあったかのような全く違和感のない建築です。

記念館

講習室のさらに奥に建つのが、常設展示室と企画展示室から構成された記念館です。

植物博士牧野富太郎自邸跡にある練馬区立牧野記念庭園
展示棟入り口

▲講習室をひとまわり大きくしたような規模の建築で、こちらも柔らかい曲線が特徴です。

植物博士牧野富太郎自邸跡にある練馬区立牧野記念庭園
展示棟はこちら側からも入れる

▲屋根だけでなく一面ガラスの側面もゆるくカーブを描いています。

多くの訪問者はそんなこと気にもかけていませんでしたが、なかなか心憎いデザインです。

植物博士牧野富太郎自邸跡にある練馬区立牧野記念庭園
緩やかなカーブを描く

▲手前に常設展示室、奥に企画展示室があります。一面ガラス張りで開放的な記念館です。

企画展:「牧野富太郎 草木とともに」2023年4月22日(土)-2023年10月9日(月) 開催中

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書屋展示室

記念館に隣接している鞘堂に守られた内部に、博士の書斎と書庫の一部が保存されている書屋展示室があります。

牧野博士は晩年、庭で植物の観察を行い、この書斎で著書の執筆や植物の描画などに勤しんだそうです。

植物博士牧野富太郎自邸跡にある練馬区立牧野記念庭園
書屋展示室入り口

▲草木が宿る書斎「繇條書屋(ようじょうしょおく)」

植物博士牧野富太郎自邸跡にある練馬区立牧野記念庭園
牧野博士の書斎(再現)

▲実際の書庫には4万5千冊にも及ぶ牧野博士の書籍が、所狭しと積み上げられていました。

ここで見られるのは、その書斎の様子を再現したものです。

内藤廣ポイント

記念館とトイレ、書屋展示室を結ぶ通路が内藤廣デザインらしくてとてもよかったです。

植物博士牧野富太郎自邸跡にある練馬区立牧野記念庭園
内藤廣設計

▲手前記念館より奥に向かい左側にトイレ、右側が書屋展示室です。

屋根になっている木のルーバーは直接雨には当たらないように上部にアクリルが被せてありました。

植物博士牧野富太郎自邸跡にある練馬区立牧野記念庭園
トイレと書屋展示室を結ぶ空間

▲涼しげな演出のデザインですが、ルーバーだけではないので、雨は入ってきません。

植物博士牧野富太郎自邸跡にある練馬区立牧野記念庭園
右が書屋展示室、左にトイレ

▲杉板型枠コンクリートと天井の木のルーバーの組み合わせがとってもスタイリッシュです。

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牧野記念庭園ってどんな庭園?

牧野博士が大事にしていた庭園は今でも300種の植物があり、植物好きにはたまらない場所です。

植物博士牧野富太郎自邸跡にある練馬区立牧野記念庭園
庭園

▲訪問したのは6月だったので、紫陽花がきれいな花を咲かせていました。

春には桜が、秋には紅葉が美しいようで、四季折々の表情の変化を楽しめます。

植物博士牧野富太郎自邸跡にある練馬区立牧野記念庭園
庭園

▲現在は一般開放されているので、ところどころにベンチがあって、庭園を眺めながら当時の牧野博士の暮らしに思いを馳せることができます。

銅像

庭の隅に牧野博士の銅像がありました。

植物博士牧野富太郎自邸跡にある練馬区立牧野記念庭園
牧野富太郎博士の銅像

▲ドラマ「らんまん」でファンになった人も、前から好きだった方もここで記念撮影ですね。

植物博士牧野富太郎自邸跡にある練馬区立牧野記念庭園
庭園のスエコザサ

▲記念碑の周りには亡き妻の名前をつけたスエコザサ。

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牧野記念庭園への行き方

西武池袋線の大泉学園南口から徒歩で約5分ほどなので、とても便利な場所にあります。また、ドラマ放映を機に訪問者が激増したせいか、駅を降りてから案内板がたくさんあるので、迷わずに到着できるはずです。

庭園は入場無料。予約も不要で誰でも利用できます。

真夏になると蚊がたくさんいそうなので、初夏か晩秋がいいかもしれないですね。

練馬の内藤廣建築▼

その他内藤廣建築の記事▼

基本情報

練馬区立牧野記念庭園


9:00-17:00 火休 入場無料

練馬区東大泉6丁目34−4 MAP

アクセス:西武池袋線大泉学園駅南口より徒歩5分(400m)

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