コンテンツへスキップ

ガラスのドームが美しい 谷口吉生設計 葛西臨海水族園は解体をまぬがれた名建築


フォローする
シェア:
記事の評価

東京都と千葉県の境にある東京都立葛西臨海公園内にある公立の水族館、葛西臨海水族園は、あの超有名建築家の谷口吉郎のご子息で、今や父親の知名度を抜いたと言ってもいい建築家谷口吉生が手がけた建築です。

その特徴は、JR京葉線の葛西臨海公園駅のホームからもその見目麗しい姿をを拝むことができる、ガラスのドームです。

谷口吉郎設計 葛西臨海水族園 写真:建築とアートを巡る

訪れる度にモダンなその姿にうっとりするのですが、この建築なんと竣工は1989年なんです。今年2024年で開館35周年を迎えました。

時間が経った今でも全く古さを感じさせない葛西臨海水族園の建築の魅力に迫って見たいと思います。

谷口吉郎設計 葛西臨海水族園 写真:建築とアートを巡る
PR

ガラスのドームの登場は平成元年

前述した通り、葛西臨海水族園は、1989年の10月10日に開館しました。1989年と言えば昭和が1月7日で終わり新しい時代「平成」が幕を開けた年です。今から35年前のことです。

結構な年月が経っているにも関わらず、全く古さを感じさせないどころか、いつ見ても爽快で新鮮味さえ感じるガラスのドームです。

谷口吉郎設計 葛西臨海水族園 写真:建築とアートを巡る

なんと言ってもその導入の美しさです。入館料を支払ってゲートを潜るとその目線の先には、ガラスのドームしか見えないのです。

空とガラスのドームだけの景色が続きます。一瞬、水族館どこーー?となるのですが、もちろんちゃんと大小様々な水槽が並び、たくさんの種類の魚たちを目にすることができる立派な水族館ですからご安心を。

葛西臨海水族園は解体されるの!?

そんな、斬新で潔いアプローチの葛西臨海水族園ですが、開館30周年を期に水族園の建て替えの話が持ち上がりました。建て替えということは、この空に浮かぶ美しいドームの姿をもう見られなくなるの!?と心配していた方々も多いでしょう。私もそのうちの一人です。

安心してください。一時は解体の話も出ましたが、現在は東京都が正式に保存・再利用することを発表しています。

谷口吉郎設計 葛西臨海水族園 写真:建築とアートを巡る

よかったーーーーー!!!美しいガラスのドームをいつでも見られることができて!

葛西臨海水族園のリニューアルについて、ものすごく超簡単に要約すると、新しい水族園を隣の敷地に建てて、現在のガラスドームを含む建築は、解体せずに保存されることになりました。この建築を今後どのように利用していくかは、新しい施設が建設され、魚や生物たちが移設されてから、きちんと建物の実態調査して利用方法を検討するのだそうです。

これら一連の取組を「ガラスドーム・プロジェクト」と名付けているそうで、都度都度報告されるみたいなので、東京都のHPをチェックですね。詳細はこちらの東京都のHPの最下部に書かれています。

隣の敷地に建設される予定の新水族園の開業は2028年ということなので、ガラスのドームの新たな活用開始ももう少し先になりそうです。

水族園は海の中!?

再び葛西水族園の建築の話に戻ります。チケットを購入してゲートを潜ると先に階段があります。ここから見えるのは雄大な大空とガラスのドームだけです。

谷口吉郎設計 葛西臨海水族園 写真:建築とアートを巡る

階段を登ってもやっぱりガラスのドームしか見えません。ガラスのドームの周囲には水盤があり、背後には本物の海があります。まるで海に浮かぶガラスのドームのように見えるのです。ここへ来ただけで、もう満足!という気持ちにさせてくれるシチュエーションであり、水族園までの高揚感をマックスまで高めてくれるプレゼンテーションです。

ガラスのドーム内には特に何か機能があるわけではありません。いわばエントランスホールの役割です。ドーム内には地下へ続くエスカレーターがあり、来訪者は、まるで海の中へ入っていくようにして水族園へ入ります。

谷口吉郎設計 葛西臨海水族園 写真:建築とアートを巡る

エスカレーターを降りるとそこはもう海の中のように、大小の水槽に様々な生物が泳いでいます。水族園で見られる魚や生物については、公式HPを参照ください。

PR

ガラスドームの背後はこうなってる!

ガラスのドームを入り口とはレベル違い、角度違いで見られる場所があります。一応、エントランスのガラスのドームのレベルは3階と設定されています。別角度から見られるのは2箇所あって、1階のレストランテラスとペンギンの生態のコーナーです。

レストランテラス側から 谷口吉郎設計 葛西臨海水族園 写真:建築とアートを巡る

ただしペンギンの生態のコーナーは現在工事中(2024年10月末までの予定)で見学することはできませんが、ガラスのドームを下から見上げることは可能です。

ペンギンの生態側から 谷口吉郎設計 葛西臨海水族園 写真:建築とアートを巡る

建築の神様からの贈り物

晴天の日はガラスドームに陽光が入り、その格子が美しい影を落とします。この様子もとても美しく、晴天の日にしか見られない建築の神様からの贈り物です。

ガラスドーム内部 谷口吉郎設計 葛西臨海水族園 写真:建築とアートを巡る

しかし、私は見つけてしまったのです。狙って行くのは難しいかもしれませんが、リフレクションによってガラスのドームが2つになることがあるのです。まさに!これこそがここ葛西臨海水族園の建築の神様からの贈り物ではありませんか!

水盤に十分な水があるときはこんなにはっきりとしたリフレクションが見られることはないでしょう。たまたま水が抜かれていて、水溜りのような状態だったからこそ見られた光景です。谷口吉生もこのリフレクションは想定外かと思います。

この日は曇天で行くのを躊躇われましたが、行ってみてよかった!

水盤の水がいつ抜かれているのかは不明です。ですから狙って行くのは不可能かもしれません。

なぜなら私自身もこんな状態初めてだったからです。

水がはってあるとき 谷口吉郎設計 葛西臨海水族園 写真:建築とアートを巡る

もしもこの状況に出くわしたとしたら、水が張ってなくてもガッカリしないでください。こんなに綺麗なリフレクションが見られますから。

建築の神様からの贈り物 vol.25

また、このブログの写真でもわかる通り、空の色、すなわち季節、天気、時間によってガラスのドームの色も変化します。いつ行っても違う表情のドームが見られるのもこの建築の美しく楽しいところです。

基本情報

葛西臨海水族園


9:30~17:00

水休館(祝日の場合翌平日)

東京都江戸川区臨海町6丁目2−3 MAP

PR

シェア:
同じカテゴリーの記事 PR
PR
PR

コメントを残す