建築家が手掛けた喫茶店ロンに続いて建築家が手掛けた喫茶店第二弾です。
今回は私たちの近所にある建築家が自ら設計した自邸です。その建物を利用した南青山の老舗喫茶「蔦珈琲店」です。
蔦珈琲店店主の小山さんが2023年2月22日74歳で永眠されました。2022年11月から闘病されていたそうです。ご冥福をお祈りします。尚、蔦珈琲店は暫くの間休業しておりますが、お店は存続します。(2023年2月26日追記)
2023年5月13日蔦珈琲閉店のお知らせが出ました。以下蔦珈琲店公式Twitterより引用です。
『大変永らくお待たせして申し訳ございません。蔦珈琲店の閉業が決まりましたことをここに報告いたします。三十年以上にも渡るご愛顧をありがとうございます。いつまでも、皆様の記憶のなかに、蔦珈琲店が在り続けていただけたら。』
非常に残念でなりません。このブログも微力ながらどなたかの記憶の一部になれればと思います。(2023年5月13日追記)
PR山田守
建築家山田守をご存知でしょうか。
山田守を知らなくても京都タワーを知らない人はいないと思います。
山田守は京都タワーを設計した建築家です。京都タワーの他に日本武道館も設計しています。
京都タワーや武道館を設計したのは晩年で、山田守は逓信建築のパイオニアと呼ばれており、多くの逓信関係の建築、すなわち郵便・電話関係の建物の設計を手掛けました。
と言うのも東大建築科を出て逓信省営繕課に在籍しており、そこで多くの逓信関係の建築設計に携わったからです。
この逓信省営繕課出身の建築家には他に原美術館やホテルニューグランドなど数々の名建築を設計した渡辺仁や吉田哲郎など近代建築を牽引した面々がいます。
自邸
そんな建築家が65歳で初めて建てた自邸が南青山にあります。
そんな近くにあるのなら是非見てみたいと思いますよね。しかもそこが喫茶店になってるとしたら素敵すぎます。私も最初に訪問した時は胸が高鳴りました。山田守の暮らしを垣間見ることができるなんて!と。
しかし、残念なことに喫茶店となっている部分は山田守が住居として使っている頃はピロティで居住スペースではなく半屋外だった場所です。山田守の死後、増築してテナントスペースとして貸し出し、喫茶店になったのです。
蔦に覆われた塀で元ピロティだった1Fの様子は外から全く見えません。
喫茶店の名前は見たまんま蔦珈琲店です。▼
蔦珈琲店
以前は喫煙OKだったので常連さんもご近所の愛煙家の紳士が多くモクモクでしたが、2020年3月より禁煙になりました。あの常連さんたちはどこへ行ったのでしょうね。これも喫茶店あるあるです。
元々はピロティだったと言うのがわかると喫茶店の内部もなるほどねと納得できます。店内からは外から見えないお庭がよく見えてすごく気持ちいいです。
ガラス張りで開放的な店内、季節ごと変化する蔦の様子はこちらの動画を参照ください。
メニュー
蔦珈琲店のメニューです。ケーキは店内の黒板に書いてあります。
メニューが一部改定されました。2022年2月追記▼
カレーライスセットのサラダとカレーです。
サラダはクレソン主体。カレーは程よい辛さの欧風カレーです。▼
美しいカレーです▼
これはクロックムッシュです。なぜかヤクルト付き。
そしてこちらのサラダも山盛りのクレソン。これでお腹いっぱいになるのかなぁと思いますが結構ボリュームあります。▼
こちらイチゴレアチーズケーキ。イチゴとレアチーズのマリアージュです。珈琲付きです。▼
PR2F
山田守が住んでいた頃は2Fに広くテラスが設けてありました。
現在はテラス部分を増築して居室になっていて、この増築部分は蔦サロンという名の貸しスペースとして機能しています。蔦サロンでは、展示会を催していたりするので入り口にポスターが出ているのを見かけます。
まだ2階には上がったことがないので入ってみたいけれど、どうも知り合いじゃないと入れないような雰囲気の催しにしか出会したことがなくていまだに未開拓です。
近所なので山田守が住んでいた頃から存在していた螺旋階段をいつの日か登ってみたいと思います。
蔦珈琲店(閉店)
〒107-0062 東京都港区南青山5丁目11−20 MAP
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