KeMCo
慶應義塾ミュージアムコモンズ KeMCo(ケムコ)が2021年4月オープンしました。そのオープン記念企画展「交景:クロス・スケープ」を早速見に行ってきました。
慶應義塾大学の谷口吉郎建築ついて、イサム・ノグチのノグチルームについては各々過去のブログを参照ください。
まず、慶應義塾ミュージアムコモンズってなに?なんですか?簡単にいうと「コレクションや文化財を通じて交流する場」です。
展覧会
桜田通りに面した昨年竣工した真新しいビルがミュージアムコモンズです。設計は三菱地所設計で、ファサードに慶應義塾大学のペンのマークのような文様がデザインされています。▼
文字景
3Fが第一会場です。第一会場はこの展覧会的には第一景と呼ぶらしいのですが、第一景「文字景」です。余談ですが、「〇〇景」というタイトルで展覧会は大竹伸朗を連想せざるを得ません。大竹さんの展覧会や作品のシリーズ名に「全景」とか「ビル景」とかが多いので。余談でした。
これは昔の書物をこのソフトで撮影するとAIがくずし字を解読してくれるシステムです。▼
センチュリー赤尾コレクション
この展示室にあるのはセンチュリー赤尾コレクションです。赤尾コレクションは旺文社の創業者赤尾好夫氏の言語と言語に関わるコレクションです。これまで慶應義塾大学に寄託していた所蔵品を含め2325点が2018年慶應義塾大学に寄贈されました。時を同じくして赤尾コレクションを所蔵展示していたセンチュリーミュージアムは昨年7月に閉鎖されました。
旺文社の赤尾氏というとその息子で旺文社2代目社長の赤尾一夫氏が思い浮かびます。ノーマンフォスター好きで今は順天堂大学が入っているセンチュリータワーや現在は鎌倉歴史文化交流館になっている大豪邸をノーマンフォスターに設計依頼し建てたのは赤尾一夫氏です。鎌倉の元自邸は一部入れない場所もありますが、交流館なので入場料を払えば見学可能です。
で、こちらは創業者の赤尾好夫氏が集めた言語に関するコレクションです。撮影可能です。
集景
9Fの会場は「集う景色:慶應義塾大学所蔵文化財より」で大学の所蔵作品が展示されています。こちらは撮影禁止です。パウル・クレーやピカソ、小山敬三、千住博などの作品が並びます。
8Fはスタジオです。ここでは学生さんが案内をしてくれます。ここには文字を作品の題材としている大山エンリコイサムのコミッションワークがあります。間仕切りカーテンのプリントと、奥の柱に直接描いた作品です。本人も高校・大学と慶應ですから大学にとっては卒業生の作品ですね。▼
こんな立派なリーフレットとしおりがもらえました。慶應大学すごい。▼
慶應義塾大学アートセンター
そもそも慶應大学には、慶應義塾大学アート・センターという施設があり、これまでも様々な展覧会を企画・開催してきました。今回は<現代美術展> Artist Voice I: 河口龍夫 無呼吸を開催していましたのでこちらも鑑賞しました。
三田メディアセンター展示室
また、KeMCo、アート・センター、とは別に三田メディアセンター展示室があり、ここでは現在、(西洋)文字景 慶應義塾図書館所蔵西洋貴重書にみる書体と活字 が開催されています。
予約制
これら3箇所で3つの展覧会が開催されていますが、いずれも入場無料です。しかし、土日祝はお休みで、事前予約制です。予約は前日までにHPから予約しなければなりません。開館時間は微妙に違いますが、3箇所を一度に予約することが可能です。それが慶應義塾大学カルチャーパスです。ここから予約すれば一度の予約で全て鑑賞可能です。
各々展示室のスペースはそんなに広いわけではありませんが、幅広くいろんな作品が見られるので平日に出かけることができる人にはおすすめです。正直言ってどの展示室でも他の人とかち合うことはほとんどなく貸し切り状態でした。
全く母校でもなんでもないですが、キャンパスってなんかいいですよね。
<緊急事態宣言発令により変更の可能性があります>
交景:クロス・スケープ
慶應義塾ミュージアムコモンズ KeMCo
2021年4月19日(月)~6月18日(金) 10:00~18:00 土日祝休
河口龍夫 無呼吸
慶應義塾大学アート・センター
2021年4月19日(月)〜 6月18日(金) 11:00〜18:00 土日祝休
文字景―慶應義塾図書館所蔵西洋貴重書にみる書体と活字
三田メディアセンター
2021年4月14日 (水)〜5月29日 (土) 9:00-18:20 土日祝休