設計は誰?
建築家が手掛けた喫茶店を紹介したいと思います。それは四谷にある「ロン」です。設計はこのブログでも以前に紹介したことのある群馬県立館林美術館の設計をした高橋靗一と聞いていました。高橋靗一は館林美術館で村野藤吾賞を、また佐賀県立博物館では日本建築学会賞を受賞しています。どちらも大変権威のある賞です。
(2024年追記情報あり)
建築家の元自邸山田守設計蔦の絡まる蔦珈琲も合わせてどうぞ!(←残念ながら閉店しました)
そんな権威ある賞を受賞した有名建築家が喫茶店の設計というのはなかなか結びつかないなと思って改めて調べてみると、なんと高橋靗一設計説の他にその弟子である池田勝也設計説があったのです。で、実際はおそらく高橋靗一と池田勝也の共同設計だったと言うのが有力です。しかも手掛けた池田にとってはロンがデビュー作のようなので、弟子のデビュー作の監修を高橋靗一がしたのかもしれません。
二人で共同設計だったので時間がたつにつれ高橋靗一設計説、池田勝也設計説が生まれたのでしょう。共同設計が真実であればどちらも間違ってはいませんね。
諸説あったのですが実際は、ロンのすぐ近くに高橋靗一の設計事務所があり、高橋事務所を独立することになった池田勝也が設計をすることになったという流れらしいです。
そもそもロンには一号店があり、一号店の設計は高橋靗一でそこには芝生があったそうです。ロンというのは「芝生」を意味するんだとか。
そして、現在のロン、当時の2号店の設計を独立の花向けとして高橋靗一が池田勝也に託したというのが真相のようです。
そして、なんと池田勝也は建築家手塚貴晴+手塚由比の由比の父親なのだというから驚きました。
ロンが竣工した1969年は手塚由比が生まれた年でもあるのです。
ファサード
「ロン」のロゴもファサードのストライプも中央のガラスとそこに映り込む景色も全部いいです。▼
昭和
中に入るとそこはもう昭和にタイムスリップです。店内のカラーリングといい、家具といい、溢れ出る昭和感がすごいです。店内は2層になっていて、中央が吹き抜けでスコーンと抜けています。上に行くには奥の螺旋階段を登ります。▼
2階奥から入り口側を見下ろすの図。左側に映る照明もいいですね。▼
不思議な写真になりましたが、1階席と2階席を横からみた図▼
螺旋階段
2階席に行くための螺旋階段がまたたまりません。このタイルの壁を手ですりすりしながら上に登ります。これだけでこの店にきた目的の半分は達成した感じです。▼
通常喫煙店
ここで愛煙家の方に嬉しいお知らせ、嫌煙家の方に悲しいお知らせがあります。この店は喫煙OK店です。老舗喫茶店のあるあるなので特にびっくりもしませんでしたが、私は吸わないのでかなり苦しかったです。
喫煙OK店に集まってくる方達は当然愛煙家の方なので、お客さんほぼみなさん全員がタバコを燻らせています。当たり前といえば当たり前のことなのですが。
タバコが苦手な方にはお勧めしません。(2024年追記:禁煙の営業日が設定されました。詳細は下部へ↓)
タマゴサンド
ここにきたらたまごサンドと言うことで早速オーダー。飲み物はこの昭和な雰囲気に完全にやられてしまってソーダ水を。残念ながらソーダ水には定番のさくらんぼがなかったけれど、たまごサンドに添えられたプチトマトがアクセントになっていて可愛いからOK。
たまごサンドの卵が焼き立てのフワフワで美味しい。見た目よりもボリュームあって満腹になりました。▼
場所は四ツ谷駅からすぐです。雰囲気最高ですが、喫煙OKであることと、土日休みと言うところが難易度高めです。
再訪追記
久しぶりに訪れてみたので、変わらないロンをお届けします。
▲こんなメニュー表だったかなぁ?と思いつつ内容に変わりはないようです。
▲やっぱりここに来たらタマゴサンドです。ふわふわ加減も変わりません。でも、今回はプチトマトがなくなっていた。
閉店間際だったから品切れだったのかな?
でも味は変わらず美味しい。今回はカフェオレをお供に。
▲店内の様子です。まるで時が止まってしまったかのように何も変わりません。
この安心感!ワインカラーの椅子の色、これ実はもっとブラウンの予定だったそうです。でも、こっちの色の方がいいですよね。きっと。ロンといえばこのカラーリングなので、ブラウンのロンを想像できない!
第3土日禁煙営業開始
喫茶店は好きだけど喫煙可のところは、、、という方も多いでしょう!そんな方に朗報です!
なんと毎月第3土日のみ禁煙にて営業をしているんです。これは嬉しい情報ですね。しかも土日。
詳細はロンの公式インスタグラムにて
ロン/Lawn
新宿区四谷1丁目2 MAP
土日祝休(ただし第3土日のみ禁煙営業)
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