「そして、あなたの視点」資生堂ギャラリー
5組の写真表現をする女性アーティストの展覧会です。資生堂ギャラリーは入場無料のギャラリーで、現在は予約不要で鑑賞することができます。
アネケ・ヒーマン&クミ・ヒロイ
ドイツ人と日本人の2人組のユニットです。「広告」から受け取る女性像などへの固定概念を問う作品です▼
細倉 真弓
平面作品と映像作品の出品です。どちらも「NEW SKIN」シリーズ。
このシリーズはゲイ雑誌の切り抜きや男性の彫像、ネット上の画像等をコラージュして再構築した作品です。1Fから地下へ降りる階段の踊り場にも作品展示があります。▼
片山真里
先天性の四肢疾患により9歳の時に両足を切断した片山真理は、自身の身体をオブジェや立体作品にしたり、義足のセルフポートレイト作品を制作しています。▼
春木 麻衣子
現在、国立新美術館で開催されている「ドマーニ明日展」にも出品しているアーティストです。
合わせて鑑賞すると春木麻衣子の世界観がより理解できます。▼
潮田登久子
20年以上続ける図書館や個人の蔵書などの本をオブジェとして撮影する「本の景色/BIBLIOTHECA」からの出品です。「女子高生ゴリ子」で有名なしまおまほさんの母であり、夫である島尾伸三氏も写真家です。その島尾伸三の父(潮田にとって舅)は作家の島尾敏雄という芸術一家のHPはこちらです。▼
東麻布にある写真専門のギャラリーPGIで2017年開催した展覧会「本の景色/BIBLIOTHECA」を訪れてから潮田作品には惹かれるものがあり、個人的にはこの展覧会の目的は潮田作品を鑑賞しに行ったと言ってもいいくらいです。▼
中央に建てられた壁面越しに手前から春木麻衣子、細倉真弓、一番奥に潮田登久子の作品が見えます▼
奇しくも女性デザイナーでありながら、入社の際に面接で男性と同等の給料を求めた石岡瑛子さんも資生堂宣伝部出身です。今回のアネケ・ヒーマン&クミ・ヒロイの作品にその石岡瑛子さんが手がけたポスターが使われています。
世の中では女性蔑視の発言でポジションを辞任した方がいらっしゃいますが、選挙権を男性と同等に女性が得てからまだ76年です。今後女性アーティストの、どの業界でも女性の活躍が阻まれることのないよう願います。
資生堂ギャラリーと合わせてgggの石岡瑛子展を一緒に鑑賞することをお勧めします。
アネケ・ヒーマン&クミ・ヒロイ、潮田 登久子、片山 真理、春木 麻衣子、細倉 真弓、「そして、あなたの視点」
資生堂ギャラリー
2021年1月16日(土)~4月18日(日)
月休、11:00−19:00(日・祝〜18:00)
入場無料 撮影可能