有名建築家が鉄道の駅を手がけた例は珍しくありません。
安藤忠雄の東急東横線渋谷駅や大井町線上野毛駅、地下鉄銀座線の渋谷駅は内藤廣です。JR山手線の高輪ゲートウェイ駅や京王高尾山口駅は隈研吾が手がけています。
そして今回取り上げるのは、都営地下鉄大江戸線飯田橋駅です。
この駅の設計を手掛けたのは、このブログでも<渋谷建築巡り 01>一度見たら忘れられない超個性派 建築 3選で取り上げた青山製図専門学校や、都市博の遺産として長期に亘り放置され、解体された共同溝展示館などを手掛けた奇才渡辺誠(わたなべ・せい・まこと)です。先にブログで取り上げた二つの建築も相当個性爆発していましたが、飯田橋駅も例に漏れず。
かなりインパクトのある駅になっています!

都営地下鉄大江戸線飯田橋駅はいつできた?
都営地下鉄大江戸線がこの地まで開通した2000年に完成した駅です。駅設計のプロポーザルは開通から遡ること9年前の1991年に行われたようです。
渡辺誠はこの駅建築で日本建築学会賞作品賞、建築家協会新人賞、グッドデザイン賞金賞など多くの賞を受賞しています。

都営地下鉄大江戸線飯田橋駅どんな建築?
まず、駅への入口から渡辺誠らしさが炸裂しているのはC3出口です。
他の出口は通常の地下鉄の出入り口とは変わらず階段が地上に出ているだけですが、C3だけは違います。

▲上部には昆虫の羽を思わせるような不思議なデザインが施されていますが、これは換気塔という立派な機能を持っているのです。
デザインコンセプトは、植物のようなので、これらは羽というよりも葉っぱなのでしょう。
この換気塔のあるC 3出口から改札を抜けてホームまでが主に渡辺誠が手がけた駅建築です。

▲もちろん他の出口も手すりや照明などデザインされています。

▲でも、振り切っているのはここです。
デザインについては本人の公式Hpで詳細な解説があるのでそちらを読んでください。
都営地下鉄大江戸線飯田橋駅どこにある?
飯田橋駅なのですが、まず都営大江戸線であること。そして、主にみるべき場所はC3出口という点がポイントです。
飯田橋の駅はJR東日本の中央・総武線、東京メトロの東西線、有楽町線と南北線、そして都営地下鉄の大江戸線が乗り入れている非常に複雑な駅ですが、大江戸線だけはちょっと外れた位置にあります。
その都営大江戸線の両国、大門方面、つまりトヨタの東京本社やハローワークのある方の出入り口なのですが外堀通りに面しているのはC2出口。C3出口はその裏の小石川運動場側の出口です。

渡辺誠のデザインは階段を降りる前の換気塔から既に始まっています。
そのデザインの真骨頂は改札内です。C3出口の改札は無人ですので、うっかりSuicaなどをタッチして改札内に入ってしまうとまたC3から出ようというときに面倒なことになります。ただし大江戸線に乗って他の駅へ移動するのであれば問題ありません。

私は電車には乗らず駅のデザインだけを見学に来たのでいわゆる入場券が必要でしたが入場券という切符は存在しないので、一番安い切符(180円)を購入して入場しました。
駅建築を見学しに来る人がいるのでしょう、改札には入場券の買い方についての案内がありました。久しぶりに切符を購入し中に入り、ひと通り見学を終えたら、同じ改札から出てきました。無人駅だったけれど、特に問題なく見学できました。

ポイント
・主な見どころはC3出口
・改札内も見るべき
・入場券はないので一番安い切符を購入して入る。C3の改札は無人なのでSuicaなどで入ると面倒
・外堀通りには面していない(小石川運動場とハローワークの間)
・事前に渡辺誠公式HPを読んでいくといいかも
基本情報
大江戸線飯田橋駅 C3出口
千代田区飯田橋4丁目9−5 MAP |