建築目的で旅をするのもとっても楽しいけれど、まずは近所の建築を徹底的に掘り下げてみようと思い立って始めた企画の第二弾は東京建築 | 渋谷編01です。
渋谷駅周辺は、再開発の工事が日々行われ、駅までの動線が変更され、すっかりわけがわからない駅となってしまいました。そんな絶賛大工事中の渋谷ですが、今回は西麻布の超個性派建築3選に続き、渋谷周辺の超個性派建築3選です。超個性派というか、キテレツ建築(いい意味で)と言ってもいいでしょう。その際立つ個性は街中でも目を惹き、一度見たら忘れられないインパクトがあります。
渋谷といっても広いのですが、今回は渋谷駅から恵比寿・代官山方面にある3つの建築です。
各々徒歩圏内なので散歩がてら建築巡りをしてみてください。
PR渋谷倉庫(YouTube space tokyo):髙田浩一(ファサードデザイン)
渋谷川沿いに建つ不思議なファサードのビル、ここは2020年にYouTube space tokyoが六本木ヒルズからこの新しいビルに移転するために建てられてたものです。
しかし、全世界を襲った新型コロナウィルスの蔓延でその計画は頓挫したまま現在に至っています。しかも、現在ではYouTube space tokyoどころか、YouTube space 自体が終了してしまったようです。ということは今後ここはどうなるのか益々謎です。
特徴的なファサードはファサードのデザインは髙田浩一です。髙田浩一が担当したのはファサードのデザインだけです。
ファサードの上部中央にデカデカと造作されているのは、YouTubeのロゴマークです。かなり上の方にありますし、大きすぎて最初ロゴマークだと気づかないくらいです。この建築についての詳細は「渋谷に移転する予定だったYouTube space tokyo はどうなったの?その斬新なファサードデザインの建築と今後について」を参照ください。
長期に渡って用途不明のため当然ながら内部の見学は不可能です。ロゴマークのところを内部から眺めてみたいなぁ。
基本情報
渋谷倉庫
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青山製図専門学校:渡辺誠
超個性派にしてキテレツ度マックス(褒めてる)のこの建築は、まさに建築に携わる人材を育成している専門学校です。
1990年竣工なので、この街に出現してからすでに30年以上が経過しています。もう、地元にとってはお馴染みの存在として受け入れられていることでしょう。全体を遠目で眺められないのが非常に残念ですが、相当に凝ったつくりになっています。
また、向かって右側の道路レベルよりも下がったところにはちょっとしたテラスが設けられ、接近した建築もなく木々が植えられ、緑越しにこの建築を眺めることができます。
しかし、向かって左側からは横に近接した建築があるため、裏側感は否めません。
過剰な装飾のように見えますが、赤い触覚のように空に伸びるのは避雷針の役目を持っています。最上部に載っている球体は貯水タンクです。斬新なデザインではありますが、各々機能を持っているのです。
基本情報
青山製図専門学校
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旧三基商事東京本部第1ビル:永田祐三
渋谷の六本木通りと明治通りの交差点近く、渋谷警察署の裏手に1985年からある不思議な建築です。
この建築も一度目にしたら忘れられない超個性派のキテレツ建築なのです。(褒め言葉)
この建築は、村野藤吾賞を受賞した和歌山県白浜町にあるホテル川久などを手がけた永田祐三が独立前すなわち竹中工務店時代に設計を手掛けました。
まるで地面から隆起したかのような窓の全くないこの建築のテーマとなっているのは、メキシコ・ユカタン州にあるマヤ文明の遺跡ウシュマルだそうです。
実際のウシュマルの遺跡より少し丸みを帯びており、本家と違って都心のビルに囲まれて建っている為、ウシュマル遺跡よりも不思議度が圧倒的に高めです。
ビルオーナーはミキプルーンでお馴染みの三基商事で、東京本社が入っていました。
しかし、2022年に三基商事が移転してからつい最近まで活用されていませんでした。
しかし、2024年2月から富山県の会社家’s(イエス)が展開する箪笥の再生ブランド・P/OPのコンセプトショップ〈P/OP SHIBUYA〉が7階に入りました。(完全予約制)
とはいえ、写真でもわかる通り今でもミキプルーンの看板があるし、エントランスにも三基商事のサインがついたままでした。
7階以外の他の階にもショップが入る予定だそうなので、今後の展開が楽しみです。
基本情報
旧三基商事東京本部第1ビル
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