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宮脇檀 設計 混構造の箱型住宅の第一号 松川ボックスへ行ってみた!


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優れた住宅建築を数多く手がけたことで知られる建築家の宮脇檀(みやわきまゆみ)の西早稲田にある松川ボックスへ行ってきました。

副都心線の西早稲田駅から歩いて5分ほどの場所にある閑静な住宅街にある宮脇建築です。

副都心線がこの場所に乗り入れたのが、2008年ですからこの建築が竣工した頃にはまだ最寄駅はもっともっと遠い高田馬場か早稲田駅だったはずなので、今よりもさらに静かな場所だったことが容易に想像できます。

住宅建築はその性格上完全プライベート空間ですから、普通は用途変更されない限りなかなか内部を見学することはできません。そんな貴重な宮脇檀建築についてレポートします。

宮脇檀 設計 松川ボックス(THE MIRROR),展示してある油彩は浜口陽三《サンフランシスコの赤いカモメ》1989年 写真:建築とアートを巡る
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宮脇檀

愛知県名古屋市出身の宮脇檀は、洋画家と手芸家の両親のもと1936年に生まれました。東京芸大で建築を学び1964年に自身の設計事務所を立ち上げます。

1998年に62歳で亡くなるまで建築家として活躍しました。また、建築家であると同時に文筆業も行っており、たくさんの著作本を発行しています。

宮脇檀は、主に住宅建築を中心に手掛けており、その特徴はコンクリートと木造による混構造です。

世田谷区にあるブルーボックスは、2023年宮脇檀の建築として初めて登録有形文化財に指定されています。ブルーボックスももちろんコンクリートと木造による混構造です。

箱型住宅 松川ボックス

松川ボックスは、宮脇檀の〇〇ボックスという箱型住宅の一番最初の建築です。竣工は1971年。1979年にあの安藤忠雄の住吉の長屋と同時にA棟が建築学会賞を受賞しています。

松川ボックスは、竣工順にABCD棟と4つの建物で構成されています。今回見学したのは一番最初に竣工したa棟です。西早稲田にあるのはABDの3棟で、3番目に建てられたc棟は、軽井沢にある別荘なのだそうです。B棟は1978年、D棟は1991年に竣工しました。

現在も施主のご家族が松川ボックスのオーナーであり、A棟,D棟は賃貸です。賃貸と言っても誰でも借りられるわけではなく、貸す相手は宮脇檀建築について理解があり、建築に手を入れたりしないことを条件にしているのだそうです。

そして、今回見学することができたa棟をすでに10年以上借りているのが、水戸芸術館の芸術監督や東京都庭園美術館でキュレーターをしてきた清水敏男氏です。

1階の和室 押入下の襖を開けると通気口に 宮脇檀 設計 松川ボックス(THE MIRROR)写真:建築とアートを巡る

THE MIRROR

清水氏はコロナ禍で勤務形態が変わり、この場所をギャラリーとすることを思いついたのだそうです。

ですから2023年から「THE MIRROR」という完全事前予約制のギャラリーになっており、予約をして料金を支払えば誰でも内部を見学することができます。「THE MIRROR」というのは、清水氏が2014年に手掛けた展覧会の名前が由来となっています。

THE MIRRORの柿落としの展覧会は「アニッシュ・カプーア」展でしたが、残念ながら観ていません。

今回は展覧会第二弾の「春の音色を聴く 〜有元利夫in松川ボックス〜 ※特別展示『サンフランシスコの浜口陽三』を観てきました。*この展覧会もすでに会期終了しています。

宮脇檀 設計 松川ボックス(THE MIRROR),展示してある油彩は浜口陽三《サンフランシスコの赤いカモメ》1989年 写真:建築とアートを巡る

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松川ボックスの外観

RC造のボックスの内部に木造の住宅を嵌め込んだ混構造の住宅なので、外観の見た目はコンクリートです。

印象深い赤い塀は30年前から賃貸として貸し出し始めた時から取り付けられたものだそうです。

左がA棟、右がB棟 宮脇檀 設計 松川ボックス(THE MIRROR)写真:建築とアートを巡る

▲まるで白川郷の合掌造りの茅葺き屋根のような傾斜です。外から見ると中は暗そうな印象でした。

右側がB棟で現在も住宅として使用されています。当初はA棟の向かいに茶室がありましたが、現在はその場所に住宅として賃貸されているD棟が建てられています。

松川ボックスのリビングルーム

外から見た時は、内部は昼でも電気をつけないといけないような暗さなんではないかと思いましたが、それは杞憂でした。

和室からリビングを見る 宮脇檀 設計 松川ボックス(THE MIRROR)写真:建築とアートを巡る

 

▲外からは見えなかった1階の開口はとても大きく、天井のトップライトからの光と大きな窓からの光でとっても明るい空間でした。

リビングルームの床は実はガスでお湯を温めて通す床暖房になっており、東京の住宅で初の床暖房だとか!

リビングルーム 宮脇檀 設計 松川ボックス(THE MIRROR)写真:建築とアートを巡る

▲イームズのプラスチックシェルサイドチェアは清水氏のもの。

銅版画家として有名な浜口陽三の作品は、なんと巨大な油彩画。しかも赤いカモメが並んでいるとっても可愛い作品です。画面構成は銅版画のさくらんぼの作品に通じるものがありますね。

素晴らしい建築空間でものすごく珍しい浜口陽三の油彩の作品が見られて感無量です。これはミュージアムピースですね。いつかどこかの美術館で再会する日が来るかな?!

リビングルーム 宮脇檀 設計 松川ボックス(THE MIRROR)写真:建築とアートを巡る

▲内部が木造だとわかる空間。障子がとってもモダンでスタイリッシュなインテリアに見える不思議。

ここで障子を見てなんとなく洋室に障子を取り入れたくなりました。

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松川ボックスの2階

2階は奥の子供部屋だった場所が展示室として開放されています。

階段から子供部屋まで続く廊下からは階下のリビングを俯瞰で見下ろすことができます。

2階子供部屋 宮脇檀 設計 松川ボックス(THE MIRROR)写真:建築とアートを巡る

▲2014年の展覧会のポスターが置いてありました。

2階には黒のイームズが並びます。ここにも障子の窓があります。この窓は階下の和室と同じデザインです。

リビングルーム吹き抜けのトップライト 宮脇檀 設計 松川ボックス(THE MIRROR)写真:建築とアートを巡る

▲天井のトップライトからの優しい光はこの家全体を光で満たしてくれます。

このトップライトはガラスが波打っているため、とっても光が優しいのです。

宮脇檀の建築はこれまで宮脇檀が改修したという神田の「うなぎ久保田」しか内部に入ったことがなかったので、今回宮脇檀が手掛けた正真正銘の箱型住宅に初潜入することができて感動しました。

期せずして浜口陽三の油彩画に出会えたのもラッキーでした。松川ボックスの空間にすごくマッチしており、見慣れた浜口陽三の銅版画とは違った世界観が見応えがありました。今回の展覧会に訪れて正解でした。(浜口陽三展は終了しています)

まさにここは建築とアートを同時に巡ることができる素晴らしい空間です。

THE MIRRORは展覧会のほかに演奏会などのイベントも開催しています。今後の展開も要チェックのギャラリーです。

基本情報

松川ボックス(THE MIRROR)

13:00 – 17:00 日月休 

完全事前予約制

定員:各回10名

入場料:1,000円(税込)

新宿区西早稲田2丁目14−15 MAP

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