ネオン看板職人であり自身のネオンサインスタジオ「gokou」を主宰するWAKUのアーティストとしての個展「Afterimage」が原宿のGallery COMMONで始まりましたので早速観に行ってきました。
もちろん、怪しいながらも魅力的な光を放つネオン作品による展覧会です。(会期終了)

Afterimage
「Afterimage」日本語で「残像」と題された今回の個展では、WAKUがこれまでアーティストとして制作してきたネオン作品と一線を画します。
というのもこれまでのネオン作品のモチーフは、手描きのドローイングを元に制作されていました。
ですから、それは抽象的で有機的なフォルムを描いていたのです。
しかし、今回の展覧会に出品されているネオン作品は、従来の手描きドローイングではなくCADソフトを用いて制作された文字のような記号のようなもので、ステイトメントの言葉をかりると「堅牢なサイン」なのです。

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展覧会構成
構成は極めてシンプルです。
外光が入らないようにガラス面が閉じられたギャラリー空間の壁面に並べられたネオン作品は全部で9点。
4色使いのとてもカラフルな作品もあれば、1色だけのシンプルなカラーリングの作品もあります。

あなたには何に見える?
共通しているのは、どの作品もアルファベットが集合し、これまでになかった新しい文字のようです。
すぐに想起したのは、YとGが重なった読売ジャイアンツ巨人軍のマークです。(たとえに昭和が漂って恐縮です。)
巨人のマークは2文字ですが、Wakuのネオン作品は、何文字もあって作品ごとにそれらが複雑に絡み合っています。
それぞれフォントも違うようです。
さて、いつも目にしているあのサインのように見えますが、あなたには何に見えますか?
何を表しているかは見る人それぞれの解釈に委ねられています。
私には、SONYやeBay、Uber eats、FedEx、TOYOTA、Asahi、Google、Amazon、Supremeに見えたのですがどうでしょうか。
一つのインスタレーション
1点1点も当然作品ですが、作品全て、空間全体で一つのインスタレーションとなる仕掛けがなされています。
というのも、ギャラリー空間では常時ネオンに光が灯っているわけではありません。
1点1点が順番に点灯し、全点灯した後、全てが消灯されるのです。
会場ではこのサイクルを永遠にループしています。
私はギャラリーに入った時、全点灯の瞬間でした。
わー!となって間もなく全ての光が消えてしまうという流れでとてもドラマティックでした。
ギャラリーに入るタイミングは運です。
足を踏み入れた瞬間が、あなたにとってのループのスタートです。

消灯している時間があるから、点灯した時の光がより美しく感じられるように巧みにプログラミングされています。▲

全点灯している時間は、ああもっと観たかった!と思わせる絶妙なタイミングで終わります。
ですから、ついつい長居してしまいます。
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Gallery COMMONの場所
表参道、明治神宮前駅、原宿駅からアクセス可能です。
表参道駅からならバーバリーと東京ユニオン教会の間の道を入ります。
明治神宮前駅、原宿駅からの場合は、diorと GYREの間の道を入るのが良いでしょう。

天理教会の前のT字路を渋谷方面に入った道の右側にあるブルーグレーのビルです。

小さいながらも2つサインがついています。▲

今回はいつもと入口が違います。
外光が入らないようにガラス面を塞いでいるために、階段横の鉄扉から入ります。▲
いつもの入口が閉まっているので要注意です。
gallery COMMONは、渋谷MIYASHTAPARKにあるSAIや、すぐ近くにあるgallery MASS、StandBy、BATSU ART GALLERYだけでなく原宿界隈の飲食店などを運営するen one tokyo
のギャラリーです。
ただ、キューレターは複数いるため、各々別企画を展開しているようです。
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基本情報
Waku「Afterimage」
2022年10月15日(土)〜11月13日 12:00-19:00 月火休 入場無料 Gallery COMMON 渋谷区神宮前5丁目 39−6 B1 MAP アクセス:東京メトロ銀座線、半蔵門線、千代田線表参道駅A2出口徒歩約7分 東京メトロ明治神宮前駅7番出口徒歩約9分 JR原宿駅東口徒歩約12分 |
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