渋谷区立松濤美術館で開催中の《111年目の中原淳一》展。
イラスト、雑誌編集、ファッションやインテリアなどのデザイン、人形作家などマルチな活動で知られる1913年生まれの中原淳一の、生誕111年を記念する展覧会です。
中原淳一
1913年生まれで1983年に亡くなった中原淳一はとくにその少女像、女性像のイラストが良く知られています。
自身が創刊した「それいゆ」や「ひまわり」といった女性誌の表紙や挿絵に掲載されたイラストは、戦後の新しい女性像として多くの女性たちの憧れでした。
本展ではそうしたイラストレーターとしての中原淳一の作品の他に、デザインした衣服、アーティストとして制作した絵画、そしてアーティストとしての出発点でもある人形など多くの中原作品が展示されています。
▲会場となる白井晟一設計の松濤美術館についてはこちらを。
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展覧会について
写真撮影について
本当は写真を添えて展覧会の概要を紹介できれば良いのですが、本展は写真撮影禁止です。
動画撮影は全館撮影禁止、写真撮影も展示室内、作品、館内とも禁止です。
▲階段、ブリッジ、噴水だけが撮影可能です。
展覧会の構成
さて、肝心の展覧会ですが構成は「新しい少女のために」、「美しい暮らしのために」、「平和な時代の少女のために」、「中原淳一の原点と人形制作」という4章構成。
最初が2階の第1会場、続いて地下1階の第2会場という順路です。
社会で最大のマイノリティである女性が自由に思い通りに生きて欲しい、自分自身であり続けて欲しい、という願いをイラストや衣服で表現しようとしていたのが中原淳一であることがよく分かる展示内容です。
一世代上で男性から見た理想の女性像を描いた竹久夢二と、夢二から影響を受けながら女性目線に寄り添った中原淳一の違いもまた鮮明です。夢二が描いた女性像が唯一無比のものだったのに対し、中原淳一のイラストがその後の女性漫画や漫画など多くの後継者を生み出したのも必然だった気がします。
庭園美術館で開催中の竹久夢二の個展《生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界》と併せて鑑賞すると新しい発見があるかもしれません。
そのYUMEJI展はこちらの記事で詳し紹介しています。
それいゆ
中原淳一の関連グッズを取り扱う中原淳一ショップの「それいゆ」。
永らく広尾に店舗を構えていたのですが2023年年末で閉店してしまいました。
▲閉店直後の「それいゆ」です。
今は手袋専門店が入居しているのですが《111年目の中原淳一》に合わせて「中原淳一POP UP SHOP」が開催されています。「それいゆ」閉店後は各地でPOP UPを展開していたようですが、数カ月ぶりに「それいゆ」が広尾に戻ってきます。
▲これまで「それいゆ」を訪問できていなかった方には特に嬉しいPOP UP SHOPではないでしょうか。雰囲気はそれいゆそのままです。
また、近くにある都営バスの広尾橋(広尾駅)からバスに乗れば庭園美術館もすぐです。中原淳一の次は竹久夢二もと考えているなら、このPOP UPと合わせてどうぞ。
基本情報
111年目の中原淳一
2024年6月29日(土) ~ 9月1日(日) 前期:6月29日(土) ~ 8月4日(日) 後期:8月6日(火) ~9月1日(日) 休館日:月曜日 (ただし、7月15日、8月12日は開館) 入館料:一般1,000円、大学生800円、高校生・60歳以上500円、小中学生100円 渋谷区立松濤美術館 渋谷区松濤2丁目14−14 MAP アクセス:京王井の頭線 神泉駅下車徒歩5分、JR・東急電鉄・東京メトロ 渋谷駅下車徒歩15分 |