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藤田嗣治作品だけ! 軽井沢の新しいアートスポット「軽井沢安東美術館」は撮影可能な個人美術館(料金変更)


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日本を代表する避暑・リゾート地の軽井沢にレオナール・フジタ(藤田嗣治/ふじたつぐじ)の作品だけを展示する個人美術館「軽井沢安東美術館」が2022年10月に開館しました。

この美術館では金融・ビジネス界で活躍した安東夫妻が収集した藤田嗣治の作品180点あまりをコレクションしています。

日本はもちろん世界的にも人気のある藤田嗣治ですが、彼の作品だけを収集・展示する美術館は日本はもちろん世界でもここだけだそうです。

「軽井沢安東美術館」
ロゴマークのデザインは寄藤文平

▲早速時間を取ってオープンしてすぐに訪問してみました。

この写真は美術館のロゴ。AndoのAとMuseumのMが組み合わさり、軽井沢の山並みや木立も表現しています。

レオナール・フジタ(藤田嗣治)

藤田嗣治は1886年(明治19年)に東京で生まれた画家。

おかっぱ髪とちょび髭に丸メガネという印象的なビジュアル、ネコと女性を多く題材にした作品、乳白色の独特の色を駆使した裸婦像などでよく知られています。

20世紀初頭にフランスに渡り、キュビズムやシュールレアリスムの勃興の中に身を置くなどしながら独自の画風で人気を集めた、エコール・ド・パリの代表的な画家です。

第二次世界大中は日本に帰国し戦争画も手掛けたりします。しかしそのために戦後GHQに目を付けられたりしてこともありフランスに戻り、フランス国籍を取得してフランス人になっています。

1968年にフランスで亡くなり、その墓は自身が設計し壁画なども手掛けたフランスはランスの「平和の聖母礼拝堂」、通称 ”フジタ礼拝堂” に眠っています。

その藤田嗣治の作品を長年こつこつと蒐集していたのが安東夫妻で、購入した作品は自宅の壁にかけて楽しんでいたそうです。

その作品を広く一般の人にも観てもらうための美術館がこの安東美術館。そのため”安東夫妻の自宅に招かれてゆっくり藤田の絵を鑑賞している” ような雰囲気作りがされています。

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軽井沢安東美術館

軽井沢の駅から徒歩10分弱。矢ヶ崎公園や大賀ホールなど軽井沢を散策しながら歩いているとあっという間に安東美術館です。

美術館のすぐ南側に大きな町営駐車場があるので車での訪問も問題ありません。

▲この茶色い建物が美術館。設計は青森市文化観光交流施設ねぶたの家ワ・ラッセなどを手掛けたd/dt Arch.の武富 恭美によるもの。武富恭美は磯崎新事務所出身です。

外壁はイギリスから輸入したハンドメイドのレンガが使用されています。

▲美術館とミュージアムカフェとしてHARIO CAFEが入っています。コーヒー器具などで有名な耐熱ガラスメーカーHARIOの直営店です。

六本木一丁目の泉屋博古館にも直営店があり、ある意味お馴染みのカフェですが長野県ではここが初出店だそうです。美術館の入館料不要でカフェだけの利用もできるそうです。

▲美術館2階にはちょっとした休憩スペースがあり冷たい水などを飲みながら休むことができます。

窓の向こうに見えるトンガリ屋根は「軽井沢大賀ホール」。SONYの大賀会長が退職金を寄付して設立した大規模な音楽ホールです。どちらも個人の設立した施設というところが、いかに軽井沢が多くの人に親しまれているかを物語っています。

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撮影可能な赤い壁の展示室

安東美術館が画期的なのは、藤田嗣治の作品だけの美術館ということと、一部ですがフジタの作品が撮影可能なところです。

フジタ作品はまだ著作権が保護されているため、ほとんどの美術館、展覧会では撮影がNGとなっています。ただ安東美術館では正式に許可を得て、一部の作品を写真撮影可能としています。

▲赤い壁のこの部屋の作品が撮影可能です。

ただし作品毎いわゆる1点撮りでの撮影はNGです。「展示風景」として作品を3点以上入れることで撮影が許可されています。

もちろんフラッシュの使用、三脚や一脚それに自撮り棒の使用もNG。動画撮影もNGです。

逆にSNS等でシェアすることは可能です。その場合はハッシュタグで #軽井沢安東美術館 #藤田嗣治 #foujita #musee_ando_a_karuizawa を付加することを忘れずに

▲部屋の中央と出口側の壁際にはソファが置かれて、座ってゆっくり鑑賞することができます。

”安東夫妻の自宅に招かれて鑑賞” というコンセプトを具現化した仕掛けです。

▲これは入り口(右側)を見たところ

▲フジタの少女像がずらりと並んでいます。

▲そしてもう一つの主要な題材のネコたち。

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圧巻の藤田作品たち

撮影可能な赤い壁の部屋は4つ目の展示室で、そこに至るまでに3つの展示室があります。安東邸を模した構成になっているそうです。

ただ赤い壁の部屋以外はすべて撮影禁止なので文章でレポートします。

エントラス

館内に入って最初に目にするのは1Fエントラスの安東邸の映像。小金井市と六本木に自宅があるそうで、そこに飾られたフジタ作品の様子を約4分間の映像で再体験することができます。

普段使っている部屋中に作品が飾られているのは圧巻です。自宅でピクチャーレールを使って飾っていたので、美術館でも自宅同様にピクチャーレールを使った展示をしていようです。

緑の壁の展示室

ここから2階です。

緑の壁の展示室では1901年の旧制中学時代の作品から最初のパリ時代の作品が展示されています。

黄色の壁の展示室

続いての展示室は愛人のマドレーヌと旅した中南米時代の作品。旅先ということもあり水彩画が多く、また南米文化に感化されたようなガラス絵なども。モデルはマドレーヌが多いです。

また戦争画もこの部屋に展示されています。

ダークブルーの壁の展示室

壁の色は暗くて色が分かりづらいのですがたぶんダークブルーです。

この部屋には1950年代から亡くなるまでの二度目のフランス時代の作品が展示されています。

またランスの平和の聖母礼拝堂(フジタ礼拝堂)も写真で紹介されています。

この展示室の奥にも作品と観賞用のベンチが用意されているので見逃さないように。気づかずにこの部屋を後にする人が多かったので。

緑、黄色、ダークブルー、赤。この4つの展示室が通常の展示室。たぶん常設のフジタ作品です。

特別展示室

赤い壁の展示室の先には特別展示室があり、ここでは収蔵作品を使った小規模な特別展示が行われるようです。つまり訪問するたびに異なる作品が観られるのでしょう。

訪問したのは2022年10月の開館直後だったので「開館記念」展が開催されていました。

展示されているのは挿画本の原画とするためのリトグラフ、エッチング、木版に水彩画など。創作のための作品ではなくお仕事としての作品で、興味深い作品たちでした。

この展示室は自動ドアに手をかざして入室するタイプで、一見展示室に見えないのと開館記念展の案内が出ている訳でもないので、やはり見逃してしまう人を散見しました。休憩コーナーの裏側なので見逃さないようにしたいものです。

手仕事コーナー

特別展示室の横のスペースは手仕事コーナー。

彫刻家としてのフジタの一面を観られるコーナーで、スープポットやテーブルなどが展示されています

安東美術館

100点を超えるフジタ作品が並んでいるのは圧巻ですし、ほとんど写真撮影不可な藤田嗣治の絵画を一部ですが撮影できるのもファンには嬉しいでしょう。

さらにフジタ作品がこれだけ並ぶというのはたぶん世界でもここだけという貴重感もあります。

藤田嗣治の知名度や人気もあり、これからは軽井沢の新しいスポットとして人気になるのではないでしょうか。

また開館に合わせて公式図録「藤田嗣治 安東コレクションの輝き」が刊行され、美術館以外の一般書店でも販売されています。

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安東美術館の入館料

最近、料金や入館システムが変更されました。開館当初からは実質値上げ、組み合わせによっては値下げです。

安東美術館にはミュージアムカフェ以外に「サロン・ル・ダミエ」というサロンが併設されていて、変更後はこのサロンの利用料がインクルードされるようになりました。
(ここでは無料のドリンクを飲んだり休憩したりすることができ、コンサートなどが開催されることもあるそうです)

入館料は、美術館とサロンのセットで2,300円(当日 大人)、サロンのみ利用で800円(大人)。美術館のみのチケットはありません。またオンラインでの日時指定予約が可能になり、セットの場合は当日より100円割引です。

安東美術館の入館料は、美術館+サロン、サロンだけ、美術館+サロンの料金になっています。美術館だけなら2,000円(大人)、サロンだけは800円(大人)、美術館とサロンのセットは2,500円(大人)です。

当日券の入館券は自動販売機で購入しますが、クレジットカードの利用も可能ですし、また1万円札も利用可能な自動販売機です。

▲サロンの様子です。

入館券に印刷されたQRコードでドアを開け入室します。

ミュージアムカフェのHARIO CAFEではコーヒーが800円。サロンはコーヒー無料ですがセルフサービス。どちらを利用しようか迷うところでしょう。私たちのおすすめはセンスも良く、地元軽井沢のイケてる名物が揃うHARIO CAFEの方です。

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HARIO CAFE

安東美術館で休憩するのは有料のサロンの他にミュージアムカフェとしての「HARIO CAFE」があります。

正式には「HARIO CAFE 軽井沢安東美術館店」。

美術館の入館料は不要でHARIO CAFEだけの利用も可能です。

▲六本木でもお馴染みのHARIO CAFE。

レジ横には軽井沢の老舗ベーカリー「フランスベーカリー」のパンが置かれています。旧軽のフランスベーカリーは浅野屋や沢村と比べると知名度は劣りますが、地元や別荘族には定番的人気です。あのジョン・レノンもお客さんでした。

さらにコーヒー豆はやはり軽井沢の新興勢力「KARUIZAWA COFFEE COMPANY」のもの。

地元軽井沢の老舗から最新のものまで、地元密着型のHARIO CAFEです。

▲白と黒を基調にしたスタイリッシュな店内。

▲美術館の中庭に面したテラス席もあります。

中庭で風が吹き込むこともないので季節を問わずテラス席が利用できるのではないでしょうか。

”HARIO CAFEのテラス席” として軽井沢での隠れ人気スポットになりそうです。

▲コーヒーはいつものHARIOクオリティ。

ポットには3杯分のコーヒーが入っています。

▲これはメニュー。

ドリンクだけでなくケーキやホットサンドといった軽食も用意されています。

▲美術館でレオナール・フジタの作品をたっぷり堪能した後にHARIO CAFEでクールダウン。

美術館もミュージアムカフェも軽井沢らしい季節になれば相当混雑しそうです。でも少し時期を外すと混雑も和らぎ街を歩いたり移動するのも格段に楽になります。そうした時期にゆっくり時間を取って訪問したいですね。

美術館基本情報

軽井沢安東美術館

10:00 〜 17:00 (11月から3月は16:00まで)

水曜日休館(祝日の場合翌日休)、年末年始、2月下旬

入館料 大人 2,300円、高校生以下 1,100円

長野県軽井沢町軽井沢東43-10 MAP

アクセス:JR北陸新幹線/しなの鉄道 軽井沢駅から徒歩約8分
上信越道 碓氷軽井沢ICから車で約20分(ハイシーズンを除く)

駐車場は美術館南側の新軽井沢町営駐車場を利用

HARIO CAFE

10:00 〜 17:00 (11月から3月は16:00まで)

年末年始休業

※美術館入館料なしで利用可能

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あわせて行きたい軽井沢の美術館

軽井沢には安東美術館以外にも小さな特定のアーテイストの作品をコレクションしている美術館がいくつかあります。そうした小規模だけど個性的な美術館も合わせて訪問して、ちょっとした軽井沢アート巡りなどどうでしょうか

軽井沢の新スポット

また公式図録「藤田嗣治 安東コレクションの輝き」はAmazonからもどうぞ。

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