清澄白河の木場公園に隣接する東京都現代美術館で現在開催中のMOT アニュアル2022「私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ」とMOT コレクション「コレクションを巻き戻す2nd」について紹介します。(会期終了しました)
MOTアニュアル2022
現代美術の一側面を切り取り、問いかけや議論のはじまりを引き出すグループ展、MOT アニュアルは今年で18回目を迎えます。
昨年は、映像作品の作家3名による展覧会でしたが、今年はインスタレーション作品3点、映像作品1点で4名の作家によるグループ展です。
展覧会場は3階1フロア。
撮影は映像作品の撮影と動画撮影はNG。また、”展示風景に限り撮影OK”と書いてありました。
どういう意味かというと接写や作品一つ一つを撮影するのはNGだそうです。うーん、なかなか曖昧ですね。
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出品作家
4人のアーティストの作品を展示順にご紹介します。
高川和也
映像作品「そのリズムに乗せて」の出品です。
52分の映像なので、可能なら開始時間を狙っていきたいところ。上映スケジュールを参照ください。▲
工藤春香
「あなたの見ている風景を私は見ることができない。私の見ている風景をあなたは見ることはできない」相模湖とその近くにある「津久井やまゆり園」の2016年の事件を軸に優生政策の歴史と障害当事者運動の歴史の年表を表裏で見せる作品を中心としたインスタレーション。
展示は2つの部屋に。最初の小さい方の展示室の作品▲
大きい方の展示室の作品▲ 裏と表に年表が記されています。
モニターに流れる40分の映像を含めたインスタレーションです。
大久保あり
「No Title Yet」
自身の2008年から2021年までの過去13作品を編纂した一つのインスタレーション。
インスタレーション作品は回廊状になっています。
過去の作品についてはこちらのサイトに詳細があります。
サイズ可変の作品「WHITE CUBE IS EMPTINESS」▲
良知暁
「シボレート/Schibboleth」
1人1冊持っていっていい冊子。▲
ネオン管の作品「rait」▲
このネオンが点灯することはありません。▲
大久保ありの「WHITE CUBE IS EMPTINESS」の次にある作品がこの空間っていう流れは意図的?▲
台の上のカードも1人1枚もらえます。
MOTアニュアルにはキャプションがありません。冊子に作品データが書いてあるので、必ずもらいましょう。(左)
(右)は良知暁の1人1つもらえる冊子とカード
かなり難解な作品ばかりで、理解しようとするとしっかり冊子を読み込まないといけないので、鑑賞には、時間がかかります。
基本情報
MOTアニュアル2022「私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ」
2022年7月16日(土)- 10月16日(日)10:00-18:00 会期終了
月と7月19日、9月20日、10月11日休館(7月18日、9月19日、10月10日は開館)
一般 1,300円 / 大学生・専門学校生・65歳以上 900円 / 中高生 500円 / 小学生以下無料
東京都現代美術館
江東区三好4丁目1−1MAP
アクセス:東京メトロ半蔵門線清澄白河駅B2番出口徒歩9分、都営地下鉄大江戸線「清澄白河駅」A3番出口より徒歩13分
昨年のMOTアニュアルはこちらを▼
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MOT コレクション「コレクションを巻き戻す2nd」
企画展(ジャン・プルーヴェ、MOTアニュアル)のチケットを購入すれば、MOTコレクション展も鑑賞可能です。もちろん、MOTコレクションだけのチケットも購入可能です。
今回は、2020年のMOTコレクション「コレクションを巻き戻す」の第二弾です。
出品作品
出品作品は全部で139点。ただし、常設の宮島達男作品以外全て撮影禁止のため写真はありません。
またしても立派なリーフレットがあるので必ずもらいましょう。
展示は、コレクション展示室2フロアです。
「コレクションを巻き戻す」第一弾が1950年代までの作品を展示したので、今回の第二弾は60年代から90年代までのコレクション作品を時間軸を追って鑑賞できます。
一つ一つは紹介できないので、一つだけ印象的だった作品あげるとすると遠藤利克「泉」1990年です。巨大な作品の存在感に圧倒されました。とても遠藤利克らしい作品です。
コレクション展もMOTアニュアル同様じっくり鑑賞しているとあっという間です。
常設作品
たくさんある常設作品の中で必ず鑑賞する室内の作品1点と屋外の2つの作品をご紹介します。
宮島達男
「それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く」1998年
コレクション展示室の最後にあるので必然的に必ず鑑賞することになる作品です。もはやアイコン的な存在で、東京都現代美術館きたなぁと思える作品です。
コレクション展示室では、ここだけ撮影可能です。▲
オノヨーコ
この美術館に来たら、必ず鑑賞する屋外の常設作品2つのうち一つ目はオノ・ヨーコの「クラウド・ピース」1963-2019年です。
毎回見に行っていますが、今回は雑草が生い茂ってすごいことになっていました。獣道のようになっている道を進むと▲
穴の底には鏡です。▲ 鏡に空が映っているという作品です。場所は正面エントランスの右側です。
高田 安規子・政子
もう一つは、高田 安規子・政子の作品「修復」2019年です。
よく見ないと見逃してしまうのですが、確かにタイトル通り修復されています。
ミニミニスケールに縮小された床の石張り。ちゃんと目地もあります。▲この作品は2019年東京都現代美術館がリニューアルオープンした際に常設された作品です。
場所は、「100本のスプーン」のフロアから親水広場に出たところにあります。広い場所なので、なかなか難易度高めですが、諦めないで探してみましょう!
和泉正敏
最後に紹介するのは、柳澤孝彦建築によく登場するイサム・ノグチの制作パートナーで、イサム・ノグチ日本財団の理事長でもあった和泉正敏です。
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基本情報
2022年7月16日(土)- 10月16日(日)会期終了
一般500円 / 大学生・専門学校生 400円 / 高校生・65歳以上 250円 / 中学生以下無料
10月1日「都民の日」は、MOTコレクションの観覧料が無料
企画展「ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで」「MOTアニュアル2022 私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ」のチケットで鑑賞可能
東京都現代美術館
江東区三好4丁目1−1MAP
アクセス:東京メトロ半蔵門線清澄白河駅B2番出口徒歩9分、都営地下鉄大江戸線「清澄白河駅」A3番出口より徒歩13分