日本民藝館に久しぶりに訪れました。
駒場の住宅街にあるいい美術館です。
「民藝」の始まり
1925年、民衆の用いる日常品の美に着目した柳宗悦は、濱田庄司や河井寛次郎らとともに無名の職人達が作った民衆的工芸品を「民藝」と名付け活動を開始します。
1936年、「民藝品の蒐集や保管」「民藝に関する調査研究」「民藝思想の普及」「展覧会」を主たる仕事として日本民藝館が開設されました。
歴代館長
初代館長には柳宗悦本人が就任、二代目は陶芸家の濱田庄司(1894-1978)、三代目は宗悦の長男でプロダクトデザイナーの柳宗理(1915-2011)、四代目は実業家の小林陽太郎(1933-2015)と続いてきました。
そして、現在プロダクトデザイナーの深澤直人が館長として活動を継続しています。
民藝館には、柳の審美眼により集められた、陶磁器・染織品・木漆工品・絵画・金工品・石工品・編組品など、日本をはじめ諸外国の新古工芸品約17000点が収蔵されています。
柚木沙弥郎展「もようと色彩」
現在、日本民藝館では染色作家の柚木沙弥郎展を開催しています。
1922年生まれの柚木沙弥郎は96歳の現在も精力的に創作活動をしています。
その作品は益々力がみなぎり、童心に帰るような純粋で素朴な色彩と、極限まで簡素化され洗練された模様、まさに極上の「もようと色彩」を成しています。
館内は撮影禁止
残念ながら日本民藝館は館内全て撮影禁止です。
私の経験上今まで一部でも撮影可能だったことはありません。
実はじっくりみるにはその方がいいのかもしれません。
写真に収めることで安心してしまって、実物をあまり観ていないという状況は多いように思いますので。
土足厳禁
また、館内は玄関で靴を脱ぎ、専用の袋に自分の靴を入れてそれを持ち歩きながら、鑑賞するというスタイルです。
できれば、脱ぎ履きしにくい靴を履いて行かない方がよいでしょう。
様々な民藝展示
企画展示だけでなく、常に併設展がされており、国内外の民藝について鑑賞することができます。
現在も柚木沙弥郎作品の他に朝鮮の諸工芸や日本の漆芸など幅広く民藝の世界を堪能できます。
旧柳宗悦邸
民藝館には西館というのがあって、普段は閉館しているですが、月に3〜4回公開日
だけに中に入ることができます。
ここは旧柳宗悦邸ですので、貴重な柳宗悦・兼子夫婦の各々の記念室があり、2人の足跡
や生活を垣間見れます。
私も一度公開日に足を運び中に入ったことがあります。
勿論、ここも撮影不可なので中の様子をここでお見せすることはかないませんので、
ぜひ、公開日に合わせて足を運んでみてはいかがでしょうか。
外観の写真だけ掲載します。
「民藝」の世界
ここは通常の美術館と違って通常スポットライトを浴びることのない「民藝の世界」すなわち名もなき民衆・民間の工藝、人々の「暮らしに宿る美」を存分に味わうことができる貴重な空間です。
松濤のギャラリートム
また、ギャラリートムでは、5/13まで「安田侃のまなざし展」安田侃x柚木沙弥郎が開催されていて、
日本民藝館の展示と合わせて鑑賞してきました。
民藝館とトム、すなわち駒場から松濤は散歩にはいい距離です。
残念ながらこの展覧会は終了しましたが、5/18-6/3まで「わたしはマティスになりたかった」柚木沙弥郎展が始まります。
日本民藝館とセットで行くことを強くオススメします。
日本民藝館
柚木沙弥郎の染色「もようと色彩」展
2018.4/3-6/24 月曜休館
10:00−17:00(金曜19:00まで)