オオタファインアーツ
恵比寿でギャラリーをオープンさせた頃からちょくちょく足を運んでいるギャラリーです。そして、その頃からこのギャラリーのプライマリといえば草間彌生です。
遡れば河田町にあったフジテレビギャラリーで頻繁に草間彌生展を開催していた80年代後半から90年代初頭から草間彌生の制作のスピードはきっと変わってないと思います。当時河田町にあったフジテレビギャラリーに在籍していたのがオオタファインアーツの太田さんです。
我が心の魂
今回の展覧会の出品は2009年から継続して制作を続けている「わが永遠の魂」シリーズです。194 x 194 cmの大判正方形のキャンバスに代表されるシリーズですが、2018年頃から100 x 100 cmにサイズダウンして描いています。今回はその100x100cmに加えて新たなサイズ130x 130cmの作品が展示されていました。
「わが永遠の魂」シリーズは、2009年の制作開始から現在までの12年間で800点を超える作品群となりました。
130x 130のサイズの作品。全て2021年制作の最新作です。▼
2017年に国立新美術館で開催された、シリーズ名をそのまま展覧会タイトルにした「我が永遠の魂」では、シリーズ130点を展示する大規模な展覧会だったのは記憶に新しいところです。
今回のギャラリーの展示作品は全部で33点です。膨大な「我が永遠の魂」シリーズの中から2018年から2021年までの間に制作されたキャンバスを観ることが来ます。
100x100cmの作品がズラリと並ぶギャラリーの様子。特筆すべきは床に置かれた作品「雲」(2019年)です。ステンレスの鏡面仕上げなので全ての雲に壁の作品が映り込んでいます。▼
ギャラリー内の左奥と右の柱周りに「雲」が置かれています。この作品はサイズ可変なので、スペースに合わせてレイアウトを変更できるインスタレーション作品です。
鏡面仕上げの上半分に空間のもの全てが映り込み作品が無限に増えるような錯覚に陥ります。まさに永遠の魂を持ったかのような仕掛けです。▼
本当はかなり重量があると思いますが、流線型の柔らかな形状のせいで見え方はとても軽やかです。▼
モノクロの作品も色彩の鮮やかな作品も、どちらも”草間彌生らしい”と感じさせるのがすごい。▼
抽象的な作品も具象の作品もこれまた草間彌生らしい。
キャンバスの厚みが様々です。その辺は特にこだわりなく描かれているようです。▼
モノクロの作品だけを集めた作品集が刊行されました。▼
草間彌生展はいつもエネルギーを吸い取られるような感覚になるのですが、今回は置いてある「雲」の軽やかさのせいなのか、吸い取られるというよりは、エネルギーを吸い取らせていただきました。
展覧会は事前予約制です。
週末ギャラリーが開いてるのは土曜だけなので今週の土曜日の予約はすでにほぼ埋まっているようです。
草間彌生「私のかいたことばに あなたのナミダをながしてほしい」
2021年6月22日 – 7月31日 12:00-18:00 日月祝 休 事前予約制
オオタファインアーツ
港区六本木6丁目6−9 ピラミデビル MAP