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工芸のまち松本の原点 柳宗悦の民藝運動に感銘を受けて丸山太郎が創立した松本民芸館


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長野県松本市は「工芸の五月」などさまざまなイベントが開催されることからわかるように民芸・工芸・クラフトのまちとして全国的にも有名な場所です。

その原点とも言える松本の民芸運動に深く関わった丸山太郎氏が、柳宗悦の民藝運動に感銘を受けて創立したのが松本民芸館です。今回の松本旅でようやく訪問できました。訪問してみて、それはまさに民芸・工芸・クラフトのまち松本の原点とも言える場所でした。

松本民芸館

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丸山太郎と民藝

丸山太郎氏は松本の老舗問屋に生まれ、その家業の傍ら独自の審美眼で収集したコレクション6800点を所蔵する松本民芸館を創立したのは1962年(昭和37年)です。明治42年生まれの氏が53歳の時です。

松本民芸館

その全てのきっかけは、1936年(昭和11年)「用の美」を提唱し、無名の職人による工芸品・日用品に宿る美に焦点を当てる民藝運動の旗手であった柳宗悦の日本民藝館創立の新聞記事を見て上京し、実際に数々の民芸品をその目で見て心を打たれたことからでした。

1946年(昭和21年)に丸山氏は、日本民藝協会の長野県支部を立ち上げ、柳宗悦が執筆活動のために夏に約1ヶ月間松本に滞在するようになり、柳を訪ねてきた濱田庄司、河井寛次郎、バーナード・リーチ、棟方志功ら民藝運動の巨匠達とも交流することになりました。

柳宗悦から丸山氏に送られた賞状と柳宗悦の写真▼

松本民芸館

そんな中、昭和22(1947)年、丸山氏は家業の問屋の事務所の一角で全国、世界各地の窯元の焼き物やガラス、染物、かごなどを集めて販売するちきりや工芸店を始めました。

丸山太郎の言葉▼

松本民芸館

ちきりや工芸店は、松本の工芸・クラフト店の老舗として現在も丸山氏の家族が継承しています。

松本民芸館の方は、1983年(昭和58年)にその稀有なコレクションと共に、土地・建物すべてが丸山氏より松本市に寄付され、現在は松本市所有の松本市立博物館の分館の一つとして一般に公開されています。

民藝運動の柳宗悦についてもっと知りたい方はたくさん書籍が出ています。▼

日本民藝館の面影

松本民芸館は、東京の日本民藝館に感銘を受けて創立したというだけあって、その佇まいや趣は日本民藝館にそっくりです。

ただし、その庭園や敷地の広さは松本ならでは。広々ゆったりとした庭園の中に建っています。▼

松本民芸館

キャプションもまた、日本民藝館と同じ黒地に朱色の毛筆です。▼

松本民芸館

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1号館

嬉しいことに日本民藝館と違って、松本民芸館は全て撮影可能でした。

そして、さらに嬉しいことに、他にお客さんが誰もいませんでしたので、終始貸切でゆっくり堪能することができました。

強いて言えば、閉館時間が迫ってきてしまったことを気にしたくらいです。

日本中、世界中から集められたコレクションが所狭しと並べられています。そのコレクションは6800点に及びます。▼

松本民芸館

六角形の不思議な展示ケース。元々何かだったものを流用しているようにも見えます。▲

六角形の中にはアフリカの櫛の数々。美しいですね。こうやって並べてみると美術品のようです。▼

松本民芸館

この佇まいはすごく落ち着きますね。▼

松本民芸館

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ガラスの美

1号館2階の展示室では、海外のガラス器を集めたコレクション展「ガラスの美」が2022年3.15-9.11まで開催されています。

松本民芸館

丸山太郎コレクション6800点のうち350点がガラスで、吹きガラス、型ガラス、再生ガラスなどなど、その用途は酒瓶、蝋燭立て、ランプなど多種多様です。

丸山氏は「高級なガラスではなく、田舎の道具屋にある厚手の安ガラス器にも大変心惹かれる美しいものがある」と機関紙「民藝」に文章を寄せています。

ポテっとした分厚いガラスに心惹かれる気持ちよくわかります。▼

松本民芸館

丸山太郎の作品

2階展示室には「ガラスの美」だけでなく、自身も作家だった丸山太郎氏の作品や道具類が展示されています。

絵画や卵膜を貼り付けて模様を描く塗り物など、そのセンスのよさを垣間見ることができます。▼

松本民芸館

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古い蔵を移築

松本民芸館は、1号館、2号館と2つの建物で構成されています。と言ってもこの2つの建物はくっついています。

ここからは2号館の様子です。▼

松本民芸館

1号館よりも、さらに趣のある雰囲気です。

それもそのはず、2号館の建物は1883年(天保4年)に作られた蔵を移築したものです。

松本民芸館

ですから、2号館は特に展示品だけでなく空間そのものが民藝です。▼

松本民芸館

松本民芸館は2003年に、開館以来の大改修を行っていますので、もしかしたらその時に1号館と2号館の2つの建物をくっつけたのかもしれません。

調べてみたけれどその経緯はわかりませんでした。

松本民芸館

この建物を含めて、置いてあるものは、展示している棚なども含めて全て民芸品です。

そして、この椅子には座れませんのでご注意を。▼

松本民芸館

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民芸のまち松本の原点

ここはまさに”民芸・工芸・クラフトのまち松本”の原点といえる場所でした。

そして松本に来たら是非立ち寄りたい場所の一つです。

久しぶりに東京の本家、日本民藝館にも行きたくなりました。

せっかく松本に来たら、リニューアルオープンしたばかりの草間彌生が常設で観られる松本市美術館や、伊東豊雄設計の階段と水玉が美しいまつもと市民芸術館、古いものと新しいものが自遊人によって美しく共存している松本十帖の松本本箱や、素敵なブックカフェ「哲学と甘いもの」、珍しい蒸したおやきが食べられる「おやきとコーヒー」にも足を伸ばしたいですね。

公式情報に倣い松本民芸館は「芸」、日本民藝館、民藝運動などは「藝」を使っています。

基本情報

松本民芸館

9:00-17:00  月休 大人310円、小中70歳以上無料

長野県松本市里山辺1313−1MAP

アクセス:松本バスターミナルから美ヶ原温泉行き「松本民芸館」下車徒歩3分

駐車場:民芸館前に4台、第2駐車場に15台無料駐車場あり

日本民藝館についてはこちらを▼

日本民藝館 リニューアルされた大展示室と旧柳宗悦邸の西館

柳宗悦についてはこちらを▼

柳宗悦没後60年記念展「民藝の100年」東京国立近代美術館

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