東京藝術大学大学美術館 陳列館
会場である東京藝術大学大学美術館陳列館は岡田信一郎設計で昭和24年竣工した建物です。1階は窓のある空間、2階はトップライトを生かした天井の高い空間で、その後、中2階と3階が増築されましたが、現在は竣工当時の状態に復元されています。外壁はレンガのような赤いスクラッチタイルで風情があります。
設計の岡田信一郎は東京大学卒業ですが、藝大で教鞭をとっていました。また藝大のすぐ近くの黒田記念館や丸の内の明治生命館、歌舞伎座などを設計しています。
居場所はどこにある?
2021年6/20まで開催の「居場所はどこにある?」を観てきました。東京都美術館のイサム・ノグチ「発見の道」の後に鑑賞したので、いろいろな意味で展覧会にギャップがあって面白かったです。
1階
展覧会場は陳列館の1階と2階です。1階は映像作品のため会場全体が暗くなっています。
冒頭にあるのは磯村暖の作品です。この作品どっかで観たことあるなと思ったら昨年夏に軽井沢のセゾン現代美術館で開催された「都市は自然」展でした。▼
UGO
こちらは1階の一番奥に暗幕が貼られたエリアに設置されたUGOの作品です。UGOというのはアーティストやクリエーターを中心に2020年に結成されたコミニュティです。拠点となる新大久保UGOを運営し、展覧会やイベントなどの活動をしています。前述の磯村暖もメンバーの1人です。
中に入るとピンクの照明で照らされた怪しい空間が広がります。▼
岡田裕子
「翳りゆく部屋」2009は岡田裕子扮するゴミ屋敷の老女がゴミ撤去に訪れた役所の職員に対してその作業を拒否し続ける様子が映し出されます。これは守るべき弱者と、義務と善意で手を差し伸べる人々が織り成す物語で、少子高齢化社会を迎えた日本において、核家族化、都会での近隣関係の希薄化など現在私たちが抱える社会問題を象徴している映像作品です。
言わずもがなですが、岡田裕子は会田誠の妻であり、MEDIA AMBITION TOKYO 2021に出品していた会田寅次郎の母です。▼
2階会場
2階への階段にある窓からの眺めが良いので訪れる度に写真を撮ってしまいます。▼
竹村京&鬼頭健悟
夫婦である2人のアーティストはこれまで別々に活動してきましたが、コロナ禍の2020年に初のコラボレーションを行い、今回の展示も同様です。
壁面の作品は国立新美術館で2021年1月から3月まで開催された「ドマーニ2021・明日展スペースが生まれる」に出品されていたコラボ作品です。手前の立体も少し内容が変わっていますが同様の作品がドマーニにも出ていました。▼
小林勇輝の作品もどこかで観たなぁと思ったら、昨年近所のコートヤード広尾で開催された「アジテイション:攪拌のポートレイト」で観た作品でした。▼
室井悠輔「王国をつくりなさい」▼
MOM+I の「FAMILY MOVE」2021▼
天井が高く開放的な2階の展示空間▼
ブログのアップが遅れたために展覧会は本日で終了です。上野に来る時は東京藝術大学大学美術館陳列館も立ち寄ると面白いかもしれません。
居場所はどこにある?
2021年6月1日(火)ー6月20日(日) 月休 10:00ー17:00
台東区上野公園12−8 MAP