南麻布の現代美術ギャラリー
Takuro Someya Contemporary Art
今開催されてるのが映像インスタレーションの岩井優の展覧会だ。
作品展示は2作品。
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岩井優「親密の遠近法」:Takuro Someya Contemporary Art |
Takuro Someya Contemporry Art の場所
まずはギャラリーの場所から。最寄り駅は広尾駅となる。
広尾駅から徒歩で13分ほどかかる。
建物は本村小学校の隣の白いタイル張りのごく普通のマンションだ。
ここの1階となる。
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Takuro Someya Contemporary Art |
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Takuro Someya Contemporary Art |
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Takuro Someya Contemporary Art |
入口はこんな感じ。郵便受けと扉のところにDMがはってあるだけなので見逃さないように。今回は映像の展示なので外光が入らないように目隠ししているので余計にわかりづらいかもしれない。
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Takuro Someya Contemporary Art |
岩井優 親密の遠近法
「モーターサイクルウォッシング」
ギャラリーの中に入るといきなりバイクのエンジン音、人々の声、水の流れる音、そこは明らかに日本ではない世界のどこかの町の喧騒が充満していた。
よく見るとそこに映る映像の背景にきらびやかな寺院が写っていて、その姿からタイのどこかだとわかった。
その映像は壁と床に2面に2つの視点から同時に撮影した映像がシンクロしながら投影されていて、正面からの映像は人々がシルエットで、上からの映像はその姿形がはっきりみてとれるようになっている。
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岩井優「親密の遠近法」:Takuro Someya Contemporary Art |
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岩井優「親密の遠近法」:Takuro Someya Contemporary Art |
解説を読むとタイのラーチャブリーというところで撮影されたものらしい。
岩井優は「クレンジング」(洗浄・浄化)というテーマで作品を制作している。
まさにこの映像は、バイクを人々が一生懸命にクレンジングしている様子だ。
みていると湿気を感じるくらい水浸しで皆がバイクを洗っている。
で、実はこの映像は、作家の招集により意図的に集められた移民たちが、寺院にて自分たちのバイクを洗っているのだ。そのクレンジング行為そのものも作家によって指示されたものなのだ。彼らは実は免許を持たない。移民労働者には免許は交付されないのだ。
違法にバイクに乗る移民たちが、作品のワークショップとしてバイクを洗っているのだが、だんだんその流れが変化していく。どう変化していくかは作品を鑑賞して感じてほしい。
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岩井優「親密の遠近法」:Takuro Someya Contemporary Art |
「ホワイトビル・ウォッシング」
もう一つの作品は、カンボジアで撮影されたもの。ホワイトビルという建物に岩井優自身も居住して撮影した作品だ。清掃プロジェクトというのを住民と立ち上げ、住民たちが掃除をする。元々は中流家庭用の住宅だったが内戦後にすっかりスラム化したホワイトビルの居住者はみな違法に住んでいる。現在は、この土地が日本企業に買収され新しいビル建設のため取り壊された。この作品も2台のプロジェクターで投影されている。
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岩井優「親密の遠近法」:Takuro Someya Contemporary Art |
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岩井優「親密の遠近法」:Takuro Someya Contemporary Art |
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岩井優「親密の遠近法」:Takuro Someya Contemporary Art |
この2作品ともに岩井優がその国の人々の生活に入り込んで制作されたものだ。そのリアリティが映像にあらわれている。それがタイトルの「親密の遠近法」なのだろう。
Takuro Someya Contemporary Art
岩井優 親密の遠近法 展覧会情報
2017.9.9ー10.14
港区南麻布3−9−11パインコートハイツ1F
12:00ー19:00
日・月・祝休 入場無料