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縄文から現代アニメまで、日本の美意識を没入体験できる《イマーシブシアター 新ジャポニズム》。東博とNHKのスペシャルプロジェクト


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上野の東京国立博物館(東博)で同館が所蔵する国宝や重要文化財を中心にNHKの高精細映像と技術で没入体験ができる《イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~》が開催されています。

1925年にラジオの本放送が始まって今年で100年。NHKがそれを機に立ち上げた「新ジャポニズム」プロジェクトの一つで東博とNHKの共同主催するイベントです。

《イマーシブシアター 新ジャポニズム》, 東京国立博物館, 2025, 写真:建築とアートを巡る

新ジャポニズム

19世紀後半のヨーロッパ芸術界では浮世絵に代表される日本美術が大きな注目を集め、ゴッホやモネなど多くの芸術家が影響を受けていました。この流行は「ジャポニズム(Japonism)」と呼ばれ、その流れは今もなお続いているとも言えます。

当時はヨーロッパのアーティストや富裕層が中心でしたが、現代ではアジアやアフリカ、中南米など世界各地の幅広い層が芸術に留まらない広いジャンルの日本文化の影響を受け「新ジャポニズム」とも言える状況が起きています。

イマーシブシアター 新ジャポニズム》では1万年以上前の縄文時代の土器から古墳時代のはにわ、平安時代の絵巻、室町時代の鎧兜(よろいかぶと)、江戸時代の屏風浮世絵、そして世界的に評価と人気を得ている現代のアニメまで、日本の風土に根ざした独自の美意識を持った表現が映像にまとめられ、これまでにない没入感で楽しめるものになってています。


イマーシブシアター

映像は東博が所蔵する国宝や重要文化財などを普段は見ることができない角度から見たり、肉眼でははっきり分からない部分を接写して大きなサイズへ拡大して見たりできるようなもの。

しかも壁3面をフルに使っての映像ですから没入感たっぷりで文化財を鑑賞したりアニメ監督たちの発言を聞くことができます。

《イマーシブシアター 新ジャポニズム》, 東京国立博物館, 2025, 写真:建築とアートを巡る

会場は東博本館の特別5室。大階段の裏のいつも特別展示やイベントを行っている展示室です。

入口からしていつもの展覧会とは雰囲気が違い、特別な場所へ歩みゆく感じ。

展示風景, 《イマーシブシアター 新ジャポニズム》, 東京国立博物館, 2025, 写真:建築とアートを巡る

▲高さ7mの巨大高精細モニター。これがメインスクリーンで、両脇の壁にもスクリーンが設置されています。

正面の巨大モニターと左右のモニターに映し出される映像、それと会場に流れる立体音響で大迫力の没入体験が愉します。

また制作陣も豪華です。

音楽は蓮沼執太(はすぬま・しゅうた)、映像制作は齋藤精一が主催するパノラマティクスCEKAI

今の日本を代表するトップクリエイターが制作していますし、映像の素材も過去にNHKが超高精細で撮影してきたものやアーカイブ映像がふんだんに活用されています。

そうして24分間にまとめられたコンテンツが今回の上映作品なのです。

24分のコンテンツは

第1幕:タイムトラベル 日本の美
第2幕:江戸中期 蔦屋重三郎がポップカルチャーの礎を築いた
第3幕:日本アニメの誕生と飛躍
第4幕:日本アニメと日本文化の共通コード

上記4幕で構成されています。


新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~

コンテンツの一部を紹介します。

なお写真、動画とも報道内覧会で特別な許可を得て撮影したものです

展示風景, 《イマーシブシアター 新ジャポニズム》, 東京国立博物館, 2025, 写真:建築とアートを巡る

▲正面の巨大モニター

▲左右の壁のモニターも使った映像。

展示風景, 《イマーシブシアター 新ジャポニズム》, 東京国立博物館, 2025, 写真:建築とアートを巡る

▲正面モニターで雷神風神を見ていますが、映像が拡大され細かい部分まで見られたりします

▲能面は角度が変わると表情も変わります。

また目の辺りの細かい細工まで拡大表示されることが分かります

展示風景, 《イマーシブシアター 新ジャポニズム》, 東京国立博物館, 2025, 写真:建築とアートを巡る

▲かつてNHKで製作、放送された「未来少年コナン」。宮崎駿監督の実質デビュー作としても知られています。

新ジャポニズムに宮崎駿監督は出てきませんが、高畑勲、手塚治虫、細田守が登場し、日本の伝統的な文化や視覚表現が現代のアニメにも繋がっているんだということを話します


撮影と鑑賞時間

動画撮影は禁止です。フラッシュや三脚の使用も禁止です。

また飲食も禁止です。

展示風景, 《イマーシブシアター 新ジャポニズム》, 東京国立博物館, 2025, 写真:建築とアートを巡る

▲24分間の上映後、3分間の「フォトタイム」が設けられています。

フォトタイム中は映像は停止し、映像と自身の写真を撮影することができます。

▲コンテンツ中に登場しナビゲーターを務めるのはNHKの大河ドラマ《べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~》で主人公である蔦屋重三郎を演じる横浜流星さんです。

幕間に何度も登場します。

またナレーションは声優の高橋李依さんさんが担当しています。

ミュージアムショップ

イマーシブシアターの出口にミュージアムショップがあります。

《イマーシブシアター 新ジャポニズム》, 東京国立博物館, 2025, 写真:建築とアートを巡る

▲Tシャツ、マスキングテープなど定番的な商品が販売中

《イマーシブシアター 新ジャポニズム》, 東京国立博物館, 2025, 写真:建築とアートを巡る

▲イマーシブシアターのコンテンツ中に登場した作品のグッズも置かれています

関連展示と関連番組

東博では《イマーシブシアター 新ジャポニズム》と関連する展覧会、イベントが開催されたり予定されたりしています。

VR作品『国宝 松林図屛風-乱世を生きた絵師・等伯-』

新ジャポニズムにも登場する安土桃山時代を代表する巨匠、長谷川等伯の描いた国宝《松林図屏風》。その謎を探るVR作品『国宝 松林図屛風-乱世を生きた絵師・等伯-』を東洋館地下のミュージアムシアターで上演しています(4月20日まで)。

新ジャポニズムとは違いVRでじっくり見ることがことができます。

特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」

2025年4月22日(火)から開幕するのが大河ドラマ「べらぼう」の主人公、蔦屋重三郎を中心に江戸の文化を探る特別展《蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児》。

《イマーシブシアター 新ジャポニズム》とのセットチケットも用意されています。

特別展《蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児》の音声ガイドナビゲーターも横浜流星さん、広報アンバサダーは「べらぼう」で喜多川歌麿を演じている染谷将太さんです


開催情報

イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~

会期:2025年3月25日(火) 〜 8月3日(日)

時間:9:30〜 17:00、金土は20時まで。5/4, 5/5, 7/20も20時まで

休館日:月曜日、5月7日、7月22日
3/31, 4/28, 5/5, 7/21の月曜日は開館

観覧料:一般 2,000円、大学生 1,200円、高校生 800円、中学生以下無料
購入方法など詳細はこちら

会場:東京国立博物館 本館特別5室

住所:東京都台東区上野公園13-9 MAP

アクセス:JR上野駅公園口から徒歩10分、地下鉄上野駅から徒歩15分、地下鉄根津駅から徒歩15分、京成上野駅から徒歩15分

番組情報

NHKスペシャル「新ジャポニズム」

NHKスペシャル「新ジャポニズム 第2集 J-POP “ボカロ”が世界を満たす」
放送:3月16日(日) [総合] 午後9:00

NHKスペシャル「新ジャポニズム 第3集 FOOD 日本食が〝世界化〟する」
放送:3月23日(日) [総合] 午後9:00

NHKスペシャル「新ジャポニズム 第4集 デザイン」
放送:3月30日(日) [総合] 午後9:00

大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」
[総合] 日曜 午後8:00 / (再放送) 翌週土曜 午後1:05
[BS] 日曜 午後6:00
[BS4K] 日曜 午後1:05/ (再放送) 日曜 午後6:00


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