現在、東京都庭園美術館では「交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー」が開催されていますが、実は展覧会はこれだけではありません。
個人の活動だけでなく西沢立衛とのユニットSANAAとしても世界的に有名な建築家妹島和世が庭園美術館の館長になってからスタートした建築の展覧会「ランドスケープをつくる」の第二弾「スカイハウス再読」展が始まっています。
この展覧会は有料の庭園と旧朝香宮邸の庭園美術館に入ることなく鑑賞できます。しかも嬉しいことに入場無料です。
場所は庭園や庭園美術館のチケットを購入するスペースの隣です。レストランcomodoとチケット売り場のちょうど間に位置します。
▲チケット売り場の横の出入り口から入ることができます。
▲目黒駅側に回ったこちらの出入り口からも入れます。
こちらからだと旧朝香宮邸の建築の資料展示を先に鑑賞することになります。
どちらが入り口として展示構成したのかと聞いてみましたが、特に決めていないのでどっちでもいいそうです。
ランドスケープをつくる
妹島和世が庭園美術館の館長に就任して始まった企画「ランドスケープをつくる」の第一弾は、このブログでも取り上げましたが石上純也の「徳島文化芸術ホール (仮称)」でした。
第二弾は、以前妹島館長が教鞭をとっていて、現在は名誉教授である横浜国立大学大学院/建築都市スクール Y-GSAによる「スカイハウス再読」です。
スカイハウスはもちろん建築家菊竹清訓が30歳の時に建てた自邸です。
スカイハウス模型と図面
中に入ると壁面には1/5の断面図がドーン!です。そして中央には1/5の模型です。
新館ができるまで、ここは美術館のミュージアムショップでたくさんのグッズが並んでいましたが、すっきり見せるとギャラリー然としているではありませんか。
前身を知らない人だったら全く疑問にも思いませんね。
質問すれば会場内に常駐している学生さんが丁寧に答えてくれます。
▲このスカイハウスの模型はこの展示のために製作したわけではないそうです。
左の壁には2つのモニターがあり映像が流れています。
1つには学生によるスカイハウス再読のプレゼンテーションと西沢立衛のインタビューです。
もう一つはスカイハウスの空間映像が流れています。どれも長い映像ではないので鑑賞しましょう。椅子も用意されています。
展示内容
スカイハウスは菊竹清訓の初期の建築ですが現存しています。
今、現在は菊竹清訓の御子息が引き継いでいるようです。
▲夫婦2人だけだった竣工時から、家族が増えライフスタイルに合わせて増築・改修を繰り返してきたスカイハウスの変遷です。
▲スカイハウスの構造について模型と図面での解説
妹島館長は伊東豊雄事務所出身で、伊東豊雄は菊竹清訓事務所の出身です。ですから、妹島館長は菊竹清訓の孫弟子ということになりますね。
そんな縁もあってなのか、妹島館長が手がける企画展第二弾は横浜国立大学大学院/建築都市スクール Y-GSAによる菊竹清訓の「スカイハウス再読」でした。
入場無料ですが映像も見て資料も読み込むと消して情報量の少ない展覧会ではありません。満足度高いです。
美術館の展覧会「交歓のモダン 機能と装飾のポリフォニー」よりも会期が短いので両方一緒に見たい方は早めに訪問しましょう。
▼庭園美術館で開催中の展覧会
▼菊竹清訓の神社
▼ランドスケープをつくる第一弾石神純也展
基本情報
特別展示・テーマ展示「ランドスケープをつくる」第2回「スカイハウス再読」
2022年12月10日(土)~2023年1月29日(日) 10:00~18:00 月休 入場無料 東京都庭園美術館 正門横スペース 港区白金台5丁目21−9 MAP アクセス:JR山手線目黒駅東口、東急目黒線目黒駅正面口徒歩7分 都営三田線・東京メトロ南北線白金台駅1番出口徒歩6分 |
▼アンリラパンによるアール・デコ建築
▼運が良ければ出会える庭園美術館の素敵なシーン
▼庭園美術館の茶室