コンテンツへスキップ

東京オペラシティアートギャラリーに行ったら必ず観たい 川人綾展と「彫刻家の素描・版画」展 


フォローする
シェア:
記事の評価

東京オペラシティアートギャラリーでは、泉太郎の個展「Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.」と同時開催で「収蔵品展075 彫刻家の素描・版画」展、それと「project N 89 川人綾」展を開催しています。

どちらもとても興味深く面白かったのでご紹介します。階下で開催中の泉太郎展の入場チケットで鑑賞可能ですのでぜひ一緒にこちらも堪能しましょう。

PR

彫刻家の素描・版画

オペラシティアートギャラリーの4階では主に所蔵作品である寺田コレクションから、時々のテーマに沿った展覧会を開催しています。

今回は、約4000点に及ぶ寺田コレクションから ”彫刻家が手がけた素描や版画といった平面作品” というテーマで選ばれた作品を鑑賞することができます。

空間に形を生み出す彫刻家ですが、平面ではどのような視点から形を捉えているのか、そんな平面作品の数々をまとめて鑑賞する機会はなかなかないだけに、興味深い展覧会です。

舟越保武・桂

まず大きくフィーチャーされているのが彫刻家の舟越保武と舟越桂の親子共演。

展示風景

▲最初の展示室。

左側の壁には舟越保武の作品が、右側の壁にはその息子である舟越桂の平面作品が展示されています。

中央や壁際に展示されているのは父親の保武の彫刻作品。父親に敬意を評してなのか、寺田コレクションには立体がないのかその理由は不明ですが、舟越桂の彫刻作品はありませんでした。

また、舟越保武と共に戦後を代表する彫刻家で生年も同じ佐藤忠良の彫刻作品や素描も展示されています。

舟越桂

▲こちらは舟越桂の作品。

彫刻作品で見られるあの憂いを帯びた表情がドローイングでも再現されています。また、ドローイングだけでなく版画作品も展示されています。

平面であっても立体であっても舟越桂の手がける人物にじっと見つめられるとなんとも言えない気持ちになるのは同じですね。

PR

青木野枝・若林奮・保田井智之

もう一つの展示室でも彫刻家たちの彫刻作品と平面作品が展示されています。

▲大きくフィーチャーされているのは保田井智之(ほたい・ともゆき)、青木野枝、若林奮(わかばやし・いさむ)といった作家たち。

この写真の作品は保田井智之の彫刻作品です。

前回ここで開催されていた「連作版画の魅力」展にも出品されていた若林奮の銅版画が最高にいいです。彫刻作品は鉄を使った大きくて力強いものが多い作家ですが、銅版画は小さくて繊細です。

また見られて嬉しい!

▲青木野枝の平面作品。立体作品がカラフルになったような作品です。世界観は平面だろうと立体だろうと共通していますね。

PR

project N 89 川人綾

今回の見所の一つ。若手作家の展覧会「project N」には染織から絵画制作に転じた川人綾(かわと・あや)の作品《CUCU: C/U/CU_2840-49048_(w)_I》が展示されています。

▲塩ビシートの上に正方形の木製パネルをグリッド状に配した巨大なインスタレーションです。

▲高さは3m弱、横幅は約50mという巨大な作品。

展示会場の壁には収まりきらず、廊下の端まではみ出すほどのパワー。

出口の壁にまで作品が回り込んでいるのが見えます。

▲入り口の方を見るとスタッフ用の扉にまで作品が貼られているのが分かります。

右側に見える反射しているシートのようなものは作品の設計図。それをデジタル印刷した上に手書きでカラフルな幾何学的な線を描いているのです。

PR

▲微妙に高さの異なる木製ブロックがきれいに配列して配置されているのがわかります。

▲これはモノクロの部分。

規則正しく並んでいるように見えますが、微妙に異なるグリッドが延々50m続いているのです。

視覚的な錯覚を狙っていたり、モアレが見えたり。シンプルで規則正しいように見える中に手描きならではの表現の揺れが視覚を刺激します。

▲このよう描かれているグリッドのブロックが小さくなったり大きくなったり。

テリー・ライリーなどドローンの中からリズムが浮かび上がってくる現代音楽を絵画表現したようにも思えます。

▲見ているだけで視覚と思考が混乱するような作品です。とにかく巨大ですしいくらでも深堀りして鑑賞することができる作品となっています。

さっと見ることもできますし、1時間くらいかけてじっくり対峙することもできる作品。おすすめです。

PR

東京オペラシティアートギャラリーでは、泉太郎の「Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.」、収蔵品展「彫刻家の素描・版画」、「Project N 89 川人綾」と3つの展覧会を楽しむことができます。

泉太郎の展覧会は入館のタイミングによってはかなり時間がかかる場合もありますし、川人綾のインスタレーションもいくら時間があっても足りないかもしれません。鑑賞には時間の余裕をもって訪問し、隅々まで楽しみましょう。

基本情報

project N 89 川人綾展

収蔵品展075 彫刻家の素描・版画

2023年1月18日[水] ─ 3月26日[日]

11:00 - 19:00 月休、2月12日休

東京オペラシティアートギャラリー

新宿区西新宿3丁目20−2 MAP

アクセス:京王新線 初台駅東口直結

PR

シェア:
同じカテゴリーの記事 PR
PR
PR

コメントを残す