プロダクトデザインなどを主に手掛けるデザイナーの辰野しずかの書籍の出版記念展が西麻布のカリモク家具のショールームKarimoku commons tokyoにて開催中です。
今回展示されているのは、ガラスの器や陶器ではなく、主に砂糖を使った飴による立体です。
ぱっと見は、全ての立体がガラスのように見えるのですが、実は飴でできているんです。
プロダクトデザイナーらしいフォルムの飴がkarimoku commons tokyoの1階に並んでいる様は、まるで美術展のようです。
飴
刻々と変化する作品といえば、最近の現代美術だと宮永愛子のナフタリンの作品を想起しますが、このプロダクトは草木染めで色付けした飴による立体です。
普段ガラスの食器などをデザインしているデザイナーらしくフォルムがとても美しいです。
私もかなり以前に草木染めを経験しましたが、自然の草木だけでここまで彩度の高い色を出すのは非常に難しいのでとても驚きました。
どの立体もコチニールのように彩度が高く美しい色味です。
草木染めの技術だけでも専門家レベルですね。すごい。
▲手前は飴のブリック。
現実的にはありえないけれど飴で建物を作ったらどうなるかという想像の一部具現化だそうです。
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展覧会
展覧会は1階スペースに円形の展示台が設置され、その台と中央に飴のプロダクトが展示されています。
そして、壁側の展示台には、カリモク家具とコラボレーションした木と飴で構成されたプロダクトがあります。
サークル状のものと円筒形の木の枝そのものを利用した立体の2種類が展示されています。
▲カリモク家具で利用される樹種の木の枝に、その木から抽出した色の飴を接木のようにした立体
▲カリモク家具の技術で循環を意味する円の形をした木に飴を組みわせた立体
shop
隣の展示スペースはSHOPです。
出版した書籍、飴の色見本と協力した梅農園の梅干しが販売されています。
▲こちらは空調でモビールのようにゆらゆらと揺れていた色見本
▲梅農園の白梅干し
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2階
2階にも辰野しずかが手がけたデザインの数々が展示されています。
▲2階には飴はありませんでした。見つけられなかっただけかな?!
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季節的に暖房を入れているので溶け出したりしないのだろうかとか、虫が寄ってきたりしないのだろうかとか、どうでもいい余計な心配をしてしまいました。
半透明なマチエールと美しい色彩がまるでアート作品を鑑賞したかのような気持ちになれる展覧会でした。
会期が長いし近くなので変化があるのかどうか再訪するかもしれません。
基本情報
辰野しずか “a moment in time – trees ‐” 2022.年12月17日 (土)- 2023年2月5日 (日) 日休 (12/18,12/25,2/5は営業)、 冬季休業 2022.12/27 – 2023.1/8 12:00-18:00 Karimoku Commons Tokyo 1Fギャラリースペース 港区西麻布2丁目22−5 MAP |