久しぶりの3331ARTS CYD/3331アーツ千代田で小池一子展を観てきました。懐かしい作品との再会や、知らなかった小池さんの仕事など再開と発見の展覧会でした。<会期終了>
PR小池一子
この人は一体何者なのか?その疑問から始まります。完全に個人的な印象と見解なのですが、最初に知ったのは伝説のオルタナティブスペース佐賀町エキジビット・スペースです。
いろいろなところでこの佐賀町が、そして当時の食糧ビルがどう凄かったかは書かれているので、省略しますが、ギャラリーでも美術館でもない、今では珍しくはないオルタナティブスペースの日本第1号だったのではないでしょうか。
当時、何度か足を運び刺激的な展覧会をいくつか鑑賞しましたが、私が1番強く印象に残っているのは、アンゼルム・キーファー展です。
あの食料ビルの雰囲気と作品があまりにもマッチしていて、空間丸ごと凄かった!今でも鮮明にその記憶は脳裏に焼き付いています。
なお、開幕後しばらくの間は会場内撮影禁止でしたので、このレポートには会場内の写真がありません。ただ現在は一部の作品を除いて撮影可能になっています。
あのアーチがかかった古くて独特の空気の漂う細長い空間は、いろいろな意味で当時は唯一無二でした。今でも唯一無二であることは変わりがないですね。
ですから、すっかりキュレーターなのだと思っていたけれど、ムサビのファッションの教授だったり、無印良品の企画をしていたり、もう何がなんだか、、というのが当時の印象です。
陳腐な言葉ですが、マルチな方なのは間違いないのです。そんな小池一子展ですから始まる前から期待しておりました。
小池一子についてもっと詳しく知りたければこのような書籍もどうぞ。
内藤礼
ここ最近で1番楽しみにしていたのが、小池一子展で観られるという内藤礼の1991年「地上にひとつの場所を」です。この作品は、佐賀町エキジビット・スペースで開催された数多くの展覧会の中でも、伝説のなかの伝説ではないでしょうか。この展覧会をきっかけに世界へ羽ばたき、ヴェネツィアビエンナーレにつながったという印象があります。
現在内藤礼と言えば、西沢立衛設計の美術館そのものが巨大なインスタレーションという豊島美術館の「母型」などその活躍はもう皆さんがご存知の通りです。
そんな伝説の場所で開催された伝説のインスタレーションが3331ARTS CYDの小池一子展で観られるということで、会期前からとてもとても楽しみにしていました。
「地上にひとつの場所」を鑑賞するには
これは予約制だろうという予想は当たり、予約が開始されるのを今か今かと待っていたら、会期の1週間前からのweb予約スタートでした。
というわけで内藤礼の「地上にひとつの場所を」は、事前予約制のため会期中鑑賞できる人数に限りがあります。もうすでに予約は埋まってきているので、絶対観たい方は早めの予約をおすすめします。
予約方法
内藤礼予約サイトは期間ごとに3つのページに分かれています。現在予約可能な〜2/20まではすでに満席です。これから狙うなら2/24以降になります。2/24-3/21分の予約は2月初旬から開始予定。
予約期間は2/24-2/27の予約ページと3/1-1/10ページと3/11-3/21の予約ページと後半の会期も3つの期間に分かれていて2/7(月)10:00から予約開始です。
また、展覧会自体は11時から19時まで開催していますが、内藤礼の作品が鑑賞できる時間は11時から16時までと限られています一人10分の鑑賞です。これまた、10分間って意外と長いかも?なんて思っていたけれど、あっという間に終わってしまいました。
さらに、展覧会のチケットはオンラインまたは現地購入可能ですが、鑑賞の事前予約をするためにはPeatixにログインする必要があります。
現地では、鑑賞するときに靴を脱ぎますので、脱ぎやすい靴推奨です。また勿論のこと写真撮影はできません。この展覧会自体が全面的に撮影禁止です。
1階の展覧会会場は、当日に限り再入場可能なので、少し早めに行って展覧会を鑑賞し、予約時間になったら内藤礼の展示してある地下へ行き、観賞後にまた展覧会の続きを見ることができます。
この廊下の先の特別にあつらえたスペースで鑑賞します。▼
内藤礼展示は、3/21(祝)を除く毎週月曜日と2022年2月21日(月)〜23日(水)はお休みです。
作品を鑑賞して
期待を裏切らない内容でした。内藤礼のコンセプトは30年前から出来上がっていたんだなというのが実感できるインスタレーションです。
細長くて白い空間にものが置いてあるのは床だけです。とっても柔らかで静かな時間が流れるインスタレーション。この作品から約20年の時を経て豊島美術館の母型へと繋がるんだなぁと思いながら作品を体験しました。
この作品は、内藤礼好き、豊島美術館好きの方は絶対にみておいた方がいいですね。
展示室は、他の作品同様に自然光のみでの鑑賞です。ですから夕方になると暗くなってしまうので16時までの設定にしてあるようです。
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小池一子展は2部構成
小池一子展は、大きく分けて編集、翻訳、コピーライト、企画、キューレーションなどの中間子と名付けた仕事と、佐賀町の2部構成になっています。
その2部構成のちょうど間に本人と様々な人のインタビュー映像「オルタナティブ」(8分51秒)があります。これは必見です。
杉本博司氏とそのパートナーのギャラリー小柳の小柳さんの出会いのきっかけは佐賀町ですから、登場しないわけないですよね。そのほかに大竹伸朗、森村泰昌などが小池さんについて語ります。
大竹伸朗、森村泰昌はインタビューだけではなく当然作品も出品しています。大竹伸朗の映像の小部屋はスルーしないように注意しましょう。森村作品は、マケットと写真作品が観られます。
内藤礼、大竹伸朗、森村泰昌以外にも佐賀町コーナーには錚々たるアーティストの作品の数々が展示されています。
何度か訪れたことのある佐賀町エキジビット・スペースですが、その歴史を見ると観てない展覧会の方が当然多くて、もっと足繁く通っておけばよかったなぁと後悔しました。
この2部構成を通して見ると小池一子の仕事の幅の広さを実感せずにはいられません。
PR展覧会を一通り鑑賞して感じたのは、小池さんが既存の職業や肩書きにおさまらないのは、その奥行きや幅の広さからして当然のことで、小池さんは「小池一子」という職業なんだなということがわかりました。
内藤礼作品込みで必見の展覧会です。小池さん本人が3331ARTS CYDにいらっしゃる日もあるようです!
基本情報
オルタナティブ! 小池一子展 アートとデザインのやわらかな運動 会期終了
2022.1.22日(土)〜 2022.3.21(月・祝)11:00-19:00
一般 1,000円/シニア(65+)・学生800円/ミューぽん800円
3331 ARTS CYD
千代田区外神田6丁目11−14 MAP