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ZAHA HADID DESIGN/ザハ・ハディド デザイン Karimoku Commons Tokyo


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西麻布に2021年2月にオープンした、カリモク家具のハイブリッドスペースKarimoku Commons Tokyoであの建築家ザハ・ハディドの展覧会が始まったので行ってきました。

ZAHA HADID DESIGN/ザハ・ハディド デザイン Karimoku Commons Tokyo

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ZAHA HADID/ザハ・ハディド

今や、日本人でその名を知らない人はいないくらい有名になった建築家です。しかし、知名度を上げた理由は、あまりポジティブな理由ではないことも皆さんご存知の通りです。

1年遅れて開催されたTOKYO2020もすでに終了し、もはや事の顛末を忘れてしまうくらい時間が経ってしまいましたが、あの国立競技場の設計コンペでデザイン案が採用されたにもかかわらず、経費がかかりすぎるというで幻となってしまった建築家です。ただその事よりも驚いたのは、2016年3月の突然の死でした。

ザハ・ハディド本人は、逝去したものの、彼女が創業したスタジオはZAHA HADID DESIGNとして、その名を継承し、現在も多くのプロジェクトを進めています。また、ザハ亡き後も斬新な形態と革新的な構造に挑むそのDNAは脈々と受け継がれています。今回の展覧会ではそれが実感できる内容でした。

ROYAL THAIとのコラボレーションのラグを背景にLALIQUEとのコラボレーションの花瓶▼

ZAHA HADID DESIGN/ザハ・ハディド デザイン Karimoku Commons Tokyo

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展覧会

この夏上海の『Modern Art Museum Shanghai(藝倉美術館)』で行われた「Zaha Hadid Architects(ザハ・ハディド・アーキテクツ)」の回顧展で先行展示されたZHDとKarimokuによるコラボレーション家具 “SEYUN(セイユン)”の日本初公開と共に、アンビルトを含めた建築のコンセプトモデルやZHDが10 年以上にわたって手がけた照明やカーペット、ジュエリーなどなど、ジャンルを超えたさまざまなコラボレーションアイテムを一同に集めた展覧会です。

ZAHA HADID DESIGN/ザハ・ハディド デザイン Karimoku Commons Tokyo

2つのスペース

展覧会は、ZHD がデザインし、カリモク家具が製作した巨大なジオラマのような木製テーブルのスペースとZHDとKarimokuによるコラボレーション家具 “SEYUN(セイユン)の展示を中心とする2つのスペースで構成されています。

流線型の連なりが美しいキャンドルスタンド▼

ZAHA HADID DESIGN/ザハ・ハディド デザイン Karimoku Commons Tokyo

コンセプトモデル

コロナ禍のため、ZHDとのやり取りは全てオンラインで完成させたという巨大な木製テーブルには、テーブル同様に木で作られたコンセプトモデルが8つ並びます。テーブルと同色のコンセプトモデルはアンビルドの計画で、ナチュラルな木色の模型は実現した建築のコンセプトモデルです。

わかりにくいのですが、左側の木色のコンセプトモデルはロンドンのアクアティスセンターで、右側がアゼルバイジャンのヘイダル・アリエフ・センターです。真ん中の低めのモデルがフランスマルセイユのCMA CGMタワーで、この3つは全て実現しているので木色です。▼

ZAHA HADID DESIGN/ザハ・ハディド デザイン Karimoku Commons Tokyo

これらコンセプトモデルは、今まで3Dプリンターで制作されていましたが、Karimokuが持っている技術を生かして今回は木で制作しています。コンセプトモデルですが、その美しい流線型の形状と木の風合いが相まってさながら美術作品のようです。

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テーブルインスタレーション

展示台となっている巨大テーブルのデザインはZHDですが、素材や色については木製家具メーカーであるKarimokuからの提案で作成されたそうです。

ZAHA HADID DESIGN/ザハ・ハディド デザイン Karimoku Commons Tokyo

また、このテーブルに展示されているガラスや金属製のボウルやオブジェ、キャンドルスタンドなどはZHDデザインのコレクションです。このテーブル全体が、SEYUN同様にZHDとkarimokuによるコラボレーションのインスタレーション作品です。壁には、やはりカリモク家具の技術によって制作されたZHDデザインのレリーフが展示されています。3つのパーツで構成されたレリーフのタイトルは「Kloris Trptych」です。

ZAHA HADID DESIGN/ザハ・ハディド デザイン Karimoku Commons Tokyo

SEYUN

隣のスペースの中心に置かれるのは、SEYUNです。SEYUNとは星雲を由来とする名前です。躍動するような美しい曲線と、3つのパーツで構成され絶妙なバランスを保つアシンメトリーなデザインはZHDそのものです。この自由な曲線で構成された椅子が、すべて木で出来ているのですから、Karimokuの持つ技術の高さを窺い知ることができます。

SEYUN ChairとSLAMPの照明▼

ZAHA HADID DESIGN/ザハ・ハディド デザイン Karimoku Commons Tokyo

コラボレーション商品

SEYUNの上には、2014年に東京オペラシティアートギャラリーのザハ・ハディド展でも印象的だった照明が展示されています。この照明は元ファッションショーデザイナーロバートジリアーニによって1994年に設立されたイタリアの照明会社SLAMP/スランプとのコラボレーションです。

こちらのスペースにはラグジュアリーブランドのブルガリとのコラボレーションジュエリーや、ラリックとのコラボレーションの花瓶などが並びます。

右側のアクリルボックスにはブルガリとのコラボレーションジュエリー、左側はThe Ownerとのコラボレーションのアイウェアです。▼

ZAHA HADID DESIGN/ザハ・ハディド デザイン Karimoku Commons Tokyo

写真作品

関連展示として写真家の岩本幸一郎氏がザハ・ハディドにインスパイアを受けて制作した作品5 点があります。「静的な“椅子” と、動な“鳥”という対比的なモチーフを共存させて制作した。」という作者の言葉通り、対比が印象的な写真です。▼

ZAHA HADID DESIGN/ザハ・ハディド デザイン Karimoku Commons Tokyo

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アンビルドの女王と揶揄されたのも払拭する勢いで、様々なプロジェクトを実現し成功が続いていた矢先の急逝は、今考えても残念でなりませんが、その志がZHDにしっかり息づいていることがわかる展覧会です。

展覧会基本情報

ZAHA HADID DESIGN 展

2021.10.13 ‒ 12.03 12:00 ‒ 18:00 不定休  詳細はHPへ

Karimoku Commons Tokyo

港区西麻布2丁目22−5 MAP

6月にKarimoku Commons Tokyoで開催された10 YEARS OF ISHINOMAKI LABORATORY ⁠ /「十」石巻工房の十年展⁠はこちら▼

10 YEARS OF ISHINOMAKI LABORATORY ⁠ /「十」石巻工房の十年展⁠ karimoku Commons Tokyo

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