展覧会『ロートレックとミュシャ パリ時代の10年』が、2026年4月2日(木)から5月31日(日)まで広島県立美術館にて開催されます。
本展は広島で初めて開催されるもので、19世紀末パリを代表する二人の巨匠、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックとアルフォンス・ミュシャの画業に焦点を当てています。
特に、ロートレックが制作した全ポスター31点が一堂に会する点は特筆すべき見どころといえます。
19世紀末、芸術の都として最も輝きを放っていたパリでは、ポスターが新しいメディアとして注目を集めました。
時代の寵児となったロートレックとミュシャは、それぞれ異なる表現で人々を魅了しました。
本展では、二人の画業が交錯した1891年から1900年までの10年間に焦点を当て、その軌跡をたどります。

▲19世紀末パリで活躍したロートレック(左)とミュシャ(右)の代表的なポスター。二人の画業が交差した10年間に焦点を当てます。
ロートレック全ポスター31点の集結
本展の最大の注目ポイントは、ロートレックが制作した全31点ものポスターが一堂に会する点です。
これは非常に貴重な機会といえます。彼を一躍有名にした《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ》をはじめ、キャリア後期の作品までが展示されます。

▲アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックによる《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ》。歓楽街の熱気や人々の息づかいが感じられる作品です。
わずか10年という短い期間に生み出されたポスターのすべてを通して、彼の芸術の変遷をたどることが期待されます。
歓楽街の熱気や人々の息づかいまで聞こえてきそうな、そのエネルギッシュな表現を間近で感じてみてはいかがでしょうか。
二人の作風を比較
本展では、ロートレックとミュシャの活動を時代ごとに比較しながら紹介するという側面も持ちます。
貴族出身でパリの歓楽街に入り浸り、人間を写実的に描いたロートレックと、チェコ出身で理想化された美しい女性像で人々を魅了したミュシャ。

▲トゥールーズ=ロートレックによるアールヌーボー様式のポスター《ディヴァン・ジャポネ》。当時のパリのナイトライフの雰囲気を伝えています。

▲アルフォンス・ミュシャによる1897年の「サロン・デ・サン」展覧会ポスター。アールヌーボー様式特有の流れるようなデザインが特徴です。
同じリトグラフ(石版画)という手法を使いながらも、全く異なる世界観を持つ二人の作品を比較することで、それぞれの個性や当時のアートシーンがより立体的に見えてくることでしょう。
例えば、同じギャラリー「サロン・デ・サン」のために制作されたポスターを見比べてみると、その違いは一目瞭然です。

▲ミュシャによるアール・ヌーヴォー様式のモノクロームのイラスト。優雅な女性と装飾的な花が描かれています。

▲ミュシャによるアールヌーボー様式の装飾画。蔦の葉をまとった女性の横顔が、植物をモチーフにした優美な曲線で表現されています。
36歳で早世したロートレックと、故郷チェコのために壮大な作品を手がけていくミュシャ。
その後の対照的な人生にも思いを馳せながら鑑賞すると、より深く作品世界を堪能できるかもしれません。

▲ミュシャによるアール・ヌーヴォー様式のイラスト。植物の葉で飾られた女性の横顔が、繊細な装飾的パターンで描かれています。
同時代のお酒のポスター
もう一つの見どころとして、第5章で展示される「同時代のお酒のポスター」が挙げられます。
ロートレックやミュシャだけでなく、ピエール・ボナールなど同時代の画家たちが手がけたお酒の広告ポスターが展示されます。

▲アール・ヌーヴォー様式のシャンパン「FRANCE. CHAMPAGNE」のヴィンテージポスター。当時の広告デザインの美しさが感じられます。

▲ヴィン・マリアーニのヴィンテージポスター。黄色いドレスの女性がワインを注ぎながら踊る姿が描かれています。
これらは単なる広告という枠を超え、当時のパリの活気や文化、人々のライフスタイルを映し出す鏡のような存在といえるでしょう。
美しい芸術作品として楽しみながら、「ベル・エポック(よき時代)」と呼ばれた華やかな時代の空気に浸ってみるのも素敵な体験です。
関連イベント
本展では、作品展示だけでなく、多様な関連イベントが企画されています。
記念講演会やギャラリートークに加え、以下のような特別なプログラムが開催される予定です。
- 映画『ディリリとパリの時間旅行』特別上映: 19世紀末のパリが舞台のアニメ映画です。ロートレックも登場するといわれており、展覧会と合わせて鑑賞することで、より深い没入感が期待されます。
- コラボアフタヌーンティー: 広島駅の店舗で展覧会にちなんだアフタヌーンティーが提供される予定です。優雅なひとときを過ごすことができるでしょう。

▲ミッシェル・オスロ監督作品「ディリリとパリの時間旅行」のポスター。19世紀末パリを舞台にしたアニメ映画です。
他にもインスタライブやワークショップなど、さまざまな角度から展覧会を楽しめるイベントが盛りだくさんです。
詳細は公式サイトにてご確認ください。
参加方法・アクセス情報
本展のチケットは、前売券と当日券が用意されています。
お得な前売券は、一般1,300円、高・大学生800円、小・中学生500円で、2026年4月1日(水)まで各種プレイガイドにて購入が可能です。
当日券は、一般1,500円、高・大学生1,000円、小・中学生700円となります。
会場は広島県立美術館です。19世紀末パリの熱気と芸術の輝きを、広島で体感できるこの機会にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
基本情報
会期:2026年4月2日(木) – 5月31日(日)
開館時間:9:00~17:00 (金曜は20:00まで) ※入場は閉館30分前まで
休館日:会期中無休
料金:前売券:一般1,300円、高・大学生800円、小・中学生500円/当日券:一般1,500円、高・大学生1,000円、小・中学生700円
会場:広島県立美術館
公式サイト:https://www.hpam.jp/museum/exhibitions/lautrecandmucha/









