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世界遺産の二条城を舞台に感動的な大作が並ぶ、日本では30数年ぶりの大規模個展《Anselm Kiefer: SOLARIS / アンゼルム・キーファー:ソラリス》


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Anselm Kiefer: SOLARIS / アンゼルム・キーファー:ソラリス

京都の世界遺産「二条城」を舞台に、ドイツの現代美術家アンゼルム・キーファー(Anselm Kiefer)の日本では久しぶりとなる大規模個展《SOLARIS (ソラリス)》が開催されています。

昨2024年に表参道のファーガス・マカフリーで開催された個展《Opus Magnum》が日本ではほぼ四半世紀ぶりとなる個展でした。美術館レベルでの大規模なものとなると1993年にセゾン美術館や京都国立近代美術館で開催された《アンゼルム・キーファー メランコリア―知の翼》以来となるものです。もちろん私はどれも見ています。

ヴィム・ヴェンダース監督のドキュメンタリー映画「アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家」が公開されたのが昨2024年、そして今年2025年はキーファーの生誕80年でありWW2の終結からも80年という区切りの年。

満を持してと言うか久しく待望のキーファー展です。

元離宮二条城, 2025, Photo by 建築とアートを巡る

二条城と二の丸御殿

キーファー展の会場となるのは京都の二条城。

江戸時代の徳川将軍家が上洛した際の居城であり、それ以上の下手な説明は不要な世界遺産で国宝でもあるお城です。

大きくは本丸御殿と二の丸御殿から成り、特に二の丸御殿を形成する6つの建物群は国宝に指定されています。

今回のキーファー展の会場は「二条城 二の丸御殿」とされていますが、正確には二の丸御殿の「台所・御清所」という建物が会場です。でも国宝ではないけど重要文化財に指定されている由緒ある建物です。

二条城の庭園や二の丸御殿、本丸御殿自体は京都、いや日本を代表する歴史的観光地となっていて、今や平日だろうが雨の日だろうがインバウンドを含む多くの観光客で賑わっています。

でも、二の丸御殿の裏手にあたる中庭やキーファー展の会場となる台所・御清所は今も静かな雰囲気が残されています。

まるで浮世から隔絶したかのような、たぶん400年以上何も変わっていない建物の内外でアンゼルム・キーファーの作品を見るという至高の体験ができるのが今回の《Anselm Kiefer: SOLARIS》展です

Ra ラー

二条城に入城したら土藏に沿って右手に進むと展覧会場です。

元離宮二条城, 2025, Photo by 建築とアートを巡る

▲広大な敷地を誇る二条城ですが分かりやすい大きな看板が出ているのでまず迷うことはないと思います。

Ra, Anselm Kiefer, 2019, SOLARIS, 2025, 二条城, Photo by 建築とアートを巡る

▲会場に入ってまず目に入るのがこの「Ra (ラー)」。Raとはエジプト神話における太陽神。

見上げるほどの巨大な作品です。

羽根ひとつだけで重さが2トンもあり、土台として10トンもある鉄板が見えないように敷かれているそうです。

この羽根はギリシャ神話のイカロスを象徴しているのか、とぐろを巻くヘビは悲劇を避けるべくイカロスを地上に引き留めようとしているのか、それとも自由を求めるイカロスを地上に縛り付ける世のしがらみを象徴するのか。

いろいろ考えたくなる、神話的世界を具現化したキーファーらしい骨太な作品。

挨拶代わりにしてはあまりに圧倒的で重いです


台所の土間

「Ra」に圧倒されてから台所の建物へ。

重要文化財なので靴を脱ぐのですが、その前の土間にも作品が5点。

展示風景, SOLARIS, Anselm Kiefer, 2025, 二条城, Photo by 建築とアートを巡る

▲この土間には絵画作品が2点。

1つは写真の「ボソン開放弦」。もう1点は「弦理論」。どちらも量子力学の概念で、特に弦理論(ストリングセオリー)はもしかしたら森羅万象を説明できるようになるかもしれない重要理論。そんな世界を絵画にしてしまうのもやはりキーファーらしいです。

石膏で型どられた立体作品も3点あって、この写真で右手に見えるのは「スルスム・コルダ(⼼を⾼めよ)」。

頭の部分の捻れているのはたぶんDNAではないでしょうか

展示風景, SOLARIS, Anselm Kiefer, 2025, 二条城, Photo by 建築とアートを巡る

▲手前のは《プトレマイス古代ギリシアの哲学者プトレマイスことだと思います。

Raで古代エジプトから続く神話世界を語ったかと思えば、次はギリシアの哲学者からDNAを経て最新の量子力学へ。このような壮大なテーマの作品を軽々と作り出すんですね。

オクタビオ・パス

靴を脱いで台所に上がると目の前にあるのが「オクタビオ・パスのために

2024年制作の最新作ですが、いきなり本展の核心です。

Für Octavio Paz, Anselm Kiefer, 2024, SOLARIS, 2025, 二条城, Photo by 建築とアートを巡る

上部に描かれた詩の一節はメキシコのノーベル賞受賞詩人で外交官でもあったオクタビオ・パスのものです。

画面中央に描かれているのが何なのか判った時は立ち尽くしかありませんでした

台所の作品

Aurora, Anselm Kiefer, 2019-2022, SOLARIS, 2025, 二条城, Photo by 建築とアートを巡る

▲オクタビオ・パスの近くにはもう1点「Aurora」という大作があります。

これも驚くような作品なので実際に足を運んで見てもらいたいです。

また台所には立体作品も2点。

そして「Aurora」から左手の方へ進むと御清所なのですが、右手には台所の奥の部屋があります。

Anselm fuit hic, Anselm Kiefer, 2024, SOLARIS, 2025, 二条城, Photo by 建築とアートを巡る

▲台所奥にも平面作品が4点。1点だけ2013年の作品ですが、残りは2023年から2024年にかけての最新作です。

写真の「アンゼルムここにありき」は御清所に展示されている「アンゼルムスここにありき」と対になる作品なのでしょう。

ちなみに訪問時は曇天の日で弱い自然光としっとりした空気の中での鑑賞でした。晴天のカラッとした空気の中ではまた作品の印象が変わるかもしれません。


御清所(おきよどころ)

台所の次は御清所、要するに調理場です。

展示風景, Anselm Kiefer, SOLARIS, 2025, 二条城, Photo by 建築とアートを巡る

▲台所から御清所を見たところ。

通路にも作品が展示されているのが判ります。

右側に見えるのが「アンゼルムスここにありき」です。

展示風景, Anselm Kiefer, SOLARIS, 2025, 二条城, Photo by 建築とアートを巡る

▲これは昨年のファーガス・マカフリーでの《Opus Magnum》展に出ていた作品です。

左から「Pandora」、「SOLARIS–Harry」そして「Die Millersche Zahl (ミラーの法則)」です。他にも同展で見た「Urd Werdandi Skuld–die Nornen (ウルズ、ヴェルザンディ、スクルド-ノルンたち)」と「Johannis: et lux in tenebris lucet et tenebrae eam non comprehenderunt (ヨハネ:光は闇の中に輝いている。闇は光を理解しなかった。)」が展示されています。

SOLARIS–Harry, Anselm Kiefer, 2014-18, SOLARIS, 2025, 二条城, Photo by 建築とアートを巡る

▲ちなみにこの「SOLARIS–Harry (ソラリス−ハリー)」は坂本龍一エステイト蔵。つまり坂本龍一が所蔵していた作品です。

東京都現代美術館での《坂本龍一 | 音を視る 時を聴く》を見れば分かるように、晩年の坂本龍一は現代アートに傾倒していましたからキーファー作品を所蔵していたことにも納得です

Morgenthau Plan, Anselm Kiefer, 2025, SOLARIS, 2025, 二条城, Photo by 建築とアートを巡る

▲御清所の中心に設置されている「Morgenthau Plan (モーゲンソー計画)」。

WW2の敗戦国ドイツが軍事力を持てないような農業国にしようという「モーゲンソー計画」をテーマにした作品

Danaë, Anselm Kiefer, 2014, SOLARIS, 2025, 二条城, Photo by 建築とアートを巡る

▲御清所の片隅に置かれた「Danaë (ダナエ)」

展示風景, Anselm Kiefer, SOLARIS, 2025, 二条城, Photo by 建築とアートを巡る

▲SOLARIS展の最新作、鉛の像が二の丸御殿の中庭に6体展示されています。

通常は中庭に出ることはできないので、御清所からガラス窓越しに見ることになります

でも中庭と鉛像と二の丸御殿遠侍の大屋根の眺望は見事です。


二の丸御殿 中庭

実は今回VIPツアーということで中庭の一部に入って鑑賞することができました。

なお、二条城の公式ガイドツアーに参加しても中庭に入ることができるようです

展示風景, Anselm Kiefer, SOLARIS, 2025, 二条城, Photo by 建築とアートを巡る

▲奥に見えるのが本展のタイトルにもなった「Solaris (ソラリス)」、手前は「Daria (ダリア)」です。

素材が鉛とスチールというのは「Ra」と同じです。

「Solaris」は軽いステンレス鋼が使われているのでちょっと強い風が吹くと揺れます。

Margarethe von Antiochia, Anselm Kiefer, 2024, SOLARIS, 2025, 二条城, Photo by 建築とアートを巡る

▲「Margarethe von Antiochia (アンティオキアのマルガリータ)」。

これもヘビがモチーフになっていて、「Ra」との関連性もありそうです

展示風景, Anselm Kiefer, SOLARIS, 2025, 二条城, Photo by 建築とアートを巡る

▲左から「Sappho (サッフォー)」、「Schechina (シェキナ)」、「Solaris」そして「Daria」

Margarethe von Antiochia, Anselm Kiefer, 2024, SOLARIS, 2025, 二条城, Photo by 建築とアートを巡る

▲二の丸御殿の外から中庭を見ることはできないのですが、「アンティオキアのマルガリータ」だけはちらっと見ることができます

※本記事は特別に許可を得て中庭で撮影を行っています。


SOLARISのポイント

2024年のファーガス・マカフリーでの個展で最新のキーファーをお披露目し、ヴェンダースの映画でキーファーを再認識、再評価し、盛り上がっている中での大規模個展です。

しかも二条城という歴史もあり今も独特の空気が漂う特別な場所。

キーファー自身が二条城に足を運び、作品の構想や展覧会の構成を考えた特別な展覧会。

キーファーが生まれ、ドイツや日本という国が大きな転機を迎えた1945年から80年という年。

様々な条件が良い方向に重なったことで鬼気迫る作品群が生まれました。

キーファーが作品に閉じ込めたギリシャ神話の時代から自国の忌まわしい時代までの人間の智慧や歴史、二条城が見てきた400年以上の歴史。その2つの記憶が呼応し合うような素晴らしい展覧会です。

そしてラー、オクタビオ・パスなどこれから傑作と語り継がれるだろう作品のパワーを受け止め咀嚼しなければなりません。

初夏の京都は一年で一番美しく過ごしやすいと言われていますから、《アンゼルム・キーファー:ソラリス》展のためだけに京都へ行っても良い、そんな展覧会です。また5月11日(日)まで《KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2025》が開催されていて市内各所で展覧会が行われています。キーファー+KYOTOGRAPHIEでアートと建築漬けの京都も良いかもしれません。

初夏の涼しい早朝9時から二条城でキーファー、きっと素晴らしい体験になると思います。

撮影について

《Anselm Kiefer: SOLARIS》展は写真撮影、動画撮影とも原則可能です。もちろん三脚、セルフィー、フラッシュなどの使用は禁止です。

※本記事では特別に許可を得て中庭で撮影しています。

鑑賞時間の目安

私たちは次の予定があったので1時間30分ほどで切り上げましたが、そうでなければ2時間は見ていたと思います。

作品数は30数点ですが、なにせ相手はキーファーですからギリシャ神話をその場で調べたりといったことをしていたら、あっという間に2時間3時間だと思います。最低で1時間半、できれば2時間というのが鑑賞時間の目安になると思います。

チケット購入について

《Anselm Kiefer: SOLARIS》展のチケットは原則オンライン(ART PASS)での日時指定予約です。日時指定ですがチケット購入後、2回まで変更可能です。

また入城時間帯に空きがあれば当日チケットの販売もあるそうですが、週末や会期後半は当日券を当てにせず素直にオンラインで購入しておくのが無難だと思います。

なお本展とは別に二条城への入城券が必要です。入城券には入城のみのチケット、二の丸御殿の観覧券とセットになったものなど複数のタイプがありますが、本展だけのために入城するなら800円(一般)の入城のみのチケットで大丈夫です。

二条城の窓口は入城券を求めるお客さんでいつも混雑しているので、事前にオンライン(アソビュー)で購入しておくと良いでしょう。

その他注意事項

会場が普通の美術館などとは異なり、しかも重要文化財の建造物なので、いつもの展覧会とはちょっと違った注意が必要です。

靴下着用

会場となる二の丸御殿 台所・御清所は木造の重要文化財なので土足厳禁。靴を脱いで入場します。

そして建物内では靴下の着用を求められます。裸足、ストッキングで建物内に入ることはできませんし、入場できなかった場合でも払い戻しには応じません。靴下の用意は忘れずに。

開場時間

開場時間は午前9時から午後4時30分まで。

日時予約のチケットなので時間を間違えることはないと思いますが、予定を立てる際は終わりの時間が早いことに注意してください。でもお奨めの時間帯はなるべく早い時間帯です。

オーディオガイド

オーディオガイドのナビゲーターは音声は田中泯です。

アプリ版のオーディオガイドもありますが、会場でオーディオガイド機器をレンタル(600円)することもできます。

トイレ

会場にトイレはありません。二条城場内のトイレを利用することになりますが、展覧会場への再入場ができないので、事前に用を済ませておくことを推奨します。トイレは会場入口の向かいにある大休憩所の隣です。

二条城の窓口は入城券を求めるお客さんでいつも混雑しているので、事前にオンライン(アソビュー)で購入しておくと良いでしょう。


関連イベント

日本では久しぶりとなるアンゼルム・キーファーの大規模個展なので関連イベントもいくつか用意されています。

NHK日曜美術館

体感するキーファー in KYOTO》というSOLARIS展を紹介する番組が放送予定です。

放送予定日は4月27日(日)の午前9:00〜。再放送は5月4日(日)の午後20:00〜 です。

アップリンク京都

烏丸御池の新風館にあるミニシアター「アップリンク京都」では ”アンゼルム・キーファー:ソラリス展開催記念上映” としてヴィム・ヴェンダース監督の《アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家》の1週間限定上映が行われます。

上映期間は4月25日(金)〜5月1日(木)まで。毎日16:30〜の上映です(4/27だけ16:40〜)。二条城からアップリンクまで電車を使えば10分、歩いても15分くらいで移動できますから二条城でソラリス展を見てから移動しても間に合います。

ドキュメンタリー映画ですが幼少期のキーファーをヴェンダースの孫甥が、青年期のキーファーを息子のダニエル・キーファーが演ずる豪華キャストです。またキーファー作品の物理的な巨大さもよく理解できます。

ちなみにキーファーとヴェンダースはともに1945年生まれです。

Amazonプライム

アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家》はAmazonプライムでも配信中です。レンタル料金は550円

他にもU-NEXTやDMMなどでも配信していますからお好みの配信サービスを利用してください。ただこの映画を見てしまうと二条城に行きたくなってしまうので注意が必要です

田中泯 スペシャルイベント

SOLARIS展の開幕時にパフォーマンスを行ったダンサーの田中泯がスペシャルイベント《Anselm Kiefer SOLARIS special event》を実施します。

イベントの実施日と内容は次のとおりです。

4月28日(月)
田中泯 + 大友良英(ノイズからあまちゃんまで幅広く活動する現代音楽家)

4月29日(火)
田中泯 / 石原淋 + 大友良英

6月14日(土)
田中泯 / 石原淋 + 原摩利彦 (はら・まりひこ。京都在住の音楽家でダムタイプにも参加)

6月15日(日)
田中泯 + 原摩利彦

時間はいずれも17:30からの約45分。

二条城、SOLARIS展の入場券とは別料金となっていて、料金は税込5,000円。当日現地での現金払いになります。

また予約必須で田中泯の公式サイトを参照にメールで予約します。

ちなみにキーファーと田中泯はともに1945年生まれ。戦争が終わった年に敗戦国に生まれた共通点もあってプライベートでも仲が良いそうです。

ということは、キーファー 〜 ヴェンダース 〜 田中泯 みんな1945年生まれなのですね。

ファーガス・マカフリー

東京表参道のファーガス・マカフリーで《Two Paintings》というアンゼルム・キーファーの個展が開催されています。

詳細は本記事の最後の方で紹介しています。

開催情報

Anselm Kiefer: SOLARIS 

会期:2025年3月31日(月) ~ 6月22日(日)

休城日:無休

開場時間:9:00~16:30

入場料:一般 2,200円、大学生 1,500円、高校生 1,000円、中学生以下無料(ただし要日時指定チケット)
オンラインによる日時指定予約制
※別途二条城入城券が必要

会場:二条城 二の丸御殿台所・御清所

住所:京都市中京区二条通堀川西入二条城町541 MAP


Anselm Kiefer: Two Paintings

二条城での《SOLARIS》と連動する形で、東京・北青山のギャラリー、ファーガス・マカフリー(Fergus McCaffrey)で《Anselm Kiefer: Two Paintings》展が開催されています。

Für E. T. A. Hoffman, 2015-2024, Two Paintings, Anselm Kiefer, 2025, Fergus McCaffrey, Photo by 建築とアートを巡る

キーファーはSOLARIS展の準備期間中に2つの作品の対比に心を惹かれました。

その2作品「Für E. T. A. Hoffman (E. T. A. ホフマンのために)」と「er hexte eine Schlange aus dem Wasser」からなる展覧会が《Anselm Kiefer: Two Paintings》です。

表参道(北青山)のファーガス・マカフリーの自然光が入る2つの展示室に1点づつ、壁を挟んで向かい合うように展示されています。

どちらの作品も、日本文化において智慧、富、変化、再生の象徴であり、また神々の使いでもある蛇がフィーチャーされる大作です。

「Für E. T. A. Hoffman」の部屋の壁には ”Serpentine + anselm für E.T.A. Hoffmann (蛇 + アンゼルム)” という文字がおそらくキーファー自筆で書かれています。

er hexte eine Schlange aus dem Wassern, 2016, Two Paintings, Anselm Kiefer, 2025, Fergus McCaffrey, Photo by 建築とアートを巡る

▲「er hexte eine Schlange aus dem Wasser」の部屋の壁にはやはり自筆で ”Lemminkäinen und die Schlangen(レンミンカイネンと蛇たち)” と書かれています。
(レンミンカイネンとはフィンランドの叙事詩『カレワラ』に登場する英雄。)

絵の中には ”es hörte eine Schlange aus dem Wasser” つまり ”水の中から蛇が聞こえた” という意味の文章が書き込まれていて、合わせるとレンミンカイネンが水の底から蛇を召還する場面ということのようです。

Fergus McCaffrey, 2025, Photo by 建築とアートを巡る

▲二条城でのSOLARIS展の図録も販売されています。

SOLARIS展を見る前の予習として、あるいは余韻を東京で味わうため、東京近郊の方はファーガスの《Two Paitings》展にも足を運んでみましょう。

Fergus McCaffrey, 2025, Photo by 建築とアートを巡る

▲会期は7月12日(土)までです。

キーファーで盛り上がっているせいか、いつものファーガス・マカフリーと比べてお客さんが多いです。絶対数は多くないですけどひっきりなしにお客さんが訪れていて、キーファーに対する関心の高さを実感できます。

Opus Magnum, Anselm Kiefer, Fergus McCaffrey, 2024, Photo by 建築とアートを巡る

▲これは2024年に同ギャラリーで開催された《Opus Magnum》の展示風景。

二条城でのSOLARIS展にも展示されている作品が5点ほど紹介されていました。

Two Paintings 開催情報

Anselm Kiefer: Two Paintings

会期:2025年4月2日(水) ~ 7月12日(土)

閉廊日:日曜日、月曜日、祝日

開廊時間:11:00~19:00

入場料:無料

会場:Fergus McCaffrey TOKYO

住所:東京都港区北青山3-5-9 MAP

最寄駅:東京メトロ 表参道駅


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